NY株式:米国株式市場は下落、景気後退懸念が強まる
ダウ平均は198.77ドル安の33,402.38ドル、ナスダックは63.12ポイント安の12,126.33で取引を終了した。
新四半期入りに伴う新規の買いが支え、寄り付き後は全般もみ合い。しかし、その後に発表された2月JOLTS求人件数が予想を下回り2021年5月以来で最低となったため、連邦準備制度理事会(FRB)の追加利上げ観測が後退する一方で景気後退懸念が強まり、売りに拍車がかかった。また、JPモルガン銀行(JPM)のダイモン最高経営責任者(CEO)が株主宛て年次書簡で金融危機が進行中で影響が長期化する可能性を警告し、銀行セクターが下落したことも相場を押し下げた。終盤にかけても戻りは鈍く、下落で終了。セクター別では公益事業や電気通信サービスが上昇した一方で、資本財や銀行が下落した。
鉱山会社のニューモント(NEM)や金産出会社のバリックゴールド(GOLD)は金価格の上昇に伴う収益増加期待からそれぞれ上昇。銀行のJPモルガン(JPM)やシティ(C)、ファースト・リパブリック・バンク(FRC)は金融システムへの懸念がくすぶり、それぞれ下落。重機メーカーのキャタピラーは世界のマクロ経済見通しの悪化で売り上げ減少懸念が強まり下落。農機具メーカーのディア(DE)や設備レンタル会社のユナイテッドレンタルズ(URI)も売上減が警戒され売られた。自動車メーカーのゼネラル・モーターズ(GM)はコスト削減達成の一環として早期退職プログラムに約5000人が応募し、第1四半期に約10億ドルの費用を計上する見通しと発表したことで下落。航空機メーカーのボーイング(BA)はアナリストの投資判断引き下げで売られた。人工知能のソフトウエア会社、C3.ai(AI)は空売り投資家が同社の会計問題を指摘したことで下落した。
投資家の恐怖心理を示すVIX指数は一時20を上回ったが、再び18台に低下した。
(Horiko Capital Management LLC)
《YN》
提供:フィスコ