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東証P
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窪田朋一郎氏【新年度は強気優勢でスタート、4月相場の行方】(2) <相場観特集>


―金融システム懸念緩和とインフレ警戒感後退は本物か―

 3日の東京株式市場は、新年度入りということもあって朝方から買いが優勢の展開となり、日経平均株価は2万8000円台前半で終始頑強な値動きを示した。金融システム不安が後退し、インフレに対する警戒感も緩んでいることから、前週末の欧米株市場はほぼ全面高に買われるなど投資家のリスク許容度が高まっている。4月相場で日経平均は上値期待の膨らみやすいところだが、実際はどうなのか。新年度相場の展望と物色の方向性について第一線で活躍する市場関係者2人に話を聞いた。

●「“晴れのち雨”の4月相場」

窪田朋一郎氏(松井証券 投資メディア部長 シニアマーケットアナリスト)

 週明けの東京市場は日経平均が上値指向を継続した。新年度入りは幸先の良いスタートとなったが、4月相場を展望した場合、ひと言でいうならば「晴れのち雨」の地合いとなることが予想される。今月前半はリスク選好ムードのなか日経平均は上値を指向する動きが見込まれ、2万8700円前後への上昇余地が想定される。しかし、後半は買いが続かず再び下値を試す動きに変わりそうだ。

 今月は新年度に入ったことで機関投資家の新規組み入れに伴う買いニーズが表面化するほか、外部環境面でも足もとの欧米経済指標の発表を受け、ひと頃のインフレに対する過度な警戒感が和らいでいる。しかし、楽観はできない。OPEC減産による原油価格の上昇傾向などをみても、今後インフレ警戒感が再燃する可能性は十分にある。また、メガバンクの永久劣後債の発行先延ばしの動きなどにも暗示されるように、米銀破綻や欧州大手銀の経営不安などを契機とした銀行の資金調達コスト上昇が意識されると、マーケットには少なからぬ重荷となる。そうしたなか、日経平均は月後半に深押しとなるケースも考えられ、その際は2万7000円前後まで水準を切り下げる可能性がある。

 個別株も押し目買いを念頭に置くところだが、そのなか物色対象として注目したいのは、まだテーマとして伸びしろがあるインバウンド関連であろう。訪日外国人観光客の急増がメディアを賑わしているが、中国人観光客の入国規制緩和の動きによって訪日客需要はこれから更に盛り上がる可能性がある。マツキヨココカラ&カンパニー <3088> [東証P]などをはじめとするドラッグストア関連や、共立メンテナンス <9616> [東証P]のようなホテル関連株などをマークしておきたい。

(聞き手・中村潤一)

<プロフィール>(くぼた・ともいちろう)
松井証券に入社後、WEBサイトの構築や自己売買担当、顧客対応マーケティング業務などを経て現職。ネット証券草創期から株式を中心に相場をウォッチし続け、個人投資家の売買動向にも詳しい。日々のマーケットの解説に加えて、「マザーズ信用評価損益率」や「デイトレ適性ランキング」「アクティビスト追跡ツール」など、これまでにない独自の投資指標を開発。

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