不安定な相場ながら、FOMC通過によるアク抜けも意識されやすい/オープニングコメント
23日の日本株市場は、売り一巡後は底堅さを見極める展開になりそうだ。22日の米国市場はNYダウが530ドル安だった。米連邦準備制度理事会(FRB)は米連邦公開市場委員会(FOMC)で市場の予想通り0.25%の利上げを決定した。最近の金融危機を受けた不透明感を考慮し声明の文言を変更するハト派姿勢を好感し、一時上昇に転じる場面も見られた。ただし、パウエル議長は会見で、必要となれば想定以上の利上げを実施する姿勢を見せたほか、イエレン米財務長官が上院小委員会での証言で、政府は預金保護拡大を検討していないと言及すると、地銀を含め金融の下げが加速し、終盤にかけ下落幅を拡大した。シカゴ日経225先物は大阪比250円安の26980円。円相場は1ドル131円30銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り先行で始まろう。日経225先物はナイトセッションで一時27360円まで買われ、25日線を捉える場面も見られた。終盤にかけて売られる格好となったが、75日、200日線水準で下げ渋る動きを見せており、売り一巡後の底堅さを見極めたいところだろう。米国では、いったん利上げを停止するといった期待もあったとみられ、失望売りも入ったと考えられる。イエレン米財務長官の発言を受けて売られる格好とはなったが、直近のリバウンドに対する反動の流れであり、改めて売り直す流れにはなりづらいと考えられる。また、FOMCでの0.25%の利上げは予想通りであり、売り一巡後はアク抜け的な動きも意識されそうだ。
日経平均は200日線が27363円、75日線が27235円辺りに位置しており、売り先行で200日線は下回ってくるだろうが、75日線辺りでの底堅さが見られるようだと、次第に押し目狙いの動きがみられよう。米国市場の流れから金融株は手掛けづらく、米系証券では一部の銀行の格下げも観測されている。為替市場では1ドル131円30銭台と円高に振れて推移していることから、輸出関連なども手掛けづらくさせそうだ。そのため、相対的にTOPIX型の弱い値動きが想定されるため、NTロングでのスプレッド狙いに向かわせよう。
また、マザーズなど中小型株についても朝方は売り優勢の展開になろうが、FOMC通過によるアク抜けも意識されやすく、売り一巡後の短期的なリバウンド狙いはありそうだ。また、期末接近で積極的な売買は限られるだろうが、日柄的には配当志向の物色が強まりやすいほか、PBR1倍割れや高ROE銘柄などへは押し目を拾う動きが見られそうである。
《AK》
提供:フィスコ