貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
株価20分ディレイ → リアルタイムに変更

8798 アドバンスクリエイト

東証P
1,070円
前日比
+3
+0.28%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
26.1 5.34 3.27 4.14
時価総額 241億円
比較される銘柄
SBIIG, 
アニコムHD, 
Bマインド

銘柄ニュース

戻る
 

アドバンクリエ Research Memo(1):インシュアテック企業として2023年9月期より高成長ステージに入る


■要約

アドバンスクリエイト<8798>は、国内最大級の保険選びサイト「保険市場(ほけんいちば)」を運営する独立系保険代理店の大手である。「保険市場」サイトを通して問い合わせのあった見込み顧客に対して、非対面販売(通信販売、ネット完結型販売)や同社直営店であるコンサルティングプラザでの販売、提携代理店での販売、オンライン保険相談など最適な販売チャネルで保険商品の販売を行っている。収益の大半はこれらの保険契約から得られる代理店手数料収入で占められ、そのほかにASP※事業、メディア事業(「保険市場」サイトによる広告収益)、メディアレップ事業、再保険事業を展開している。2022年4月に東京証券取引所の市場再編に伴ってプライム市場に移行したほか、同年9月に福岡証券取引所、同年12月に札幌証券取引所にも株式上場した。各地域で認知度向上を図り、営業活動と採用活動の強化を進めることがねらいである。

※ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)とは、インターネットを通して各種アプリケーションを提供するサービスまたはサービスを提供する事業者のこと。


1. 2022年9月期の業績概要
2022年9月期の連結業績は、売上高で前期比7.6%増の11,860百万円、経常利益で同4.6%増の2,015百万円と2期連続で過去最高を更新した。売上高は5事業すべてで増収となり、なかでもメディア事業が前期比74.2%増と大きく伸長した。利益面では、先行投資費用の増加により保険代理店事業が減益となったほか、メディアレップ事業や再保険事業も減益となったが、メディア事業やASP事業の増益でカバーした。保険代理店事業では、コンサルティングプラザの増床リニューアルを実施したほか、コールセンター部門の人員を前期末比2倍強に大幅増員した。また、新たな取り組みとして2022年7月よりアバターを活用したオンライン保険相談サービスも開始しており、生産性向上に寄与し始めている。

2. 2023年9月期の業績見通し
2023年9月期の連結業績は売上高で前期比40.6%増の16,680百万円、経常利益で同50.4%増の3,030百万円と大幅増収増益を見込んでいる。前期第4四半期にコールセンター部門を増強したことやオンライン保険相談の浸透により、アポイント数で前期比1.5倍増と大幅増を見込んでおり、保険代理店事業を中心にすべての事業で高成長を目指している。コンサルティングプラザのリソースを超える部分については、提携代理店に送客することで対応していく。2023年9月期第1四半期は先行投資負担で損失が見込まれるが、コールセンター部門の増強効果が売上面で顕在化する第2四半期以降は右肩上がりで収益が拡大する計画となっている。なお、2022年11月のアポイント数は前年同月比で22%増となっており、同年12月以降は伸び率がさらに高まる見通しとなっている。

3. 成長戦略
同社はICTを駆使した先進的なマーケティング施策と生産性の高い営業手法を組み合わせることで、保険代理店事業を拡大する戦略を打ち出している。国内の保険代理店経由での保険商品の販売額は年間約3兆円で、このうち同社の販売額は約400億円と1%強の水準でしかなく、シェア拡大による成長ポテンシャルは大きい。営業面では業界に先駆けてオンライン保険相談におけるコンサルタントの指名予約制とアバターを導入することで高い生産性を実現している。コールセンター部門のスタッフ増員だけでなく直営店のコンサルタントについても現在の100名体制から2~3年後には2倍に増員する計画でシェアを伸ばしていく。保険代理店事業を拡大することでメディア事業やメディアレップ事業、再保険事業の売上高も連鎖的に拡大する。また提携代理店との取引件数が増加することによって、ASP事業の成長も期待できることになり、保険に関するあらゆる収益機会にアプローチしていくことで中長期的な成長を目指す。

4. 目標とする経営指標と株主還元策
目標とする経営指標として、売上高経常利益率20%以上(2022年9月期実績17.0%)、ROE20%以上(同18.9%)、配当性向50%以上(同54.2%)、自己資本比率80%以上(同57.2%)を掲げている。2023年9月期の1株当たり配当金は前期比2.5円増配の35.0円を予定しており、配当性向は38.9%となるが50%以上を維持する方針に変わりはなく、業績が順調に推移すれば増配される可能性が高い。なお、株主優待として9月末の株主に対して2,500円相当のカタログギフトと福利厚生サービス「保険市場Club Off」の利用権が付与される。配当金と合わせた総投資利回りは、福利厚生サービスを除いたベースで5%以上の水準となる。

■Key Points
・2022年9月期業績は先行投資負担増をメディア事業の成長でカバーし、売上高、各利益ともに2期連続で過去最高を更新
・2023年9月期業績は先行投資の効果が第2四半期以降顕在化し、保険代理店事業をけん引役に大幅増収増益を見込む
・保険代理店業界でのシェアは1%強に過ぎず、「OMO×FinTech」戦略並びにポートフォリオ戦略の推進による成長ポテンシャルは大きい

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《NS》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均