信用
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)のみができる銘柄
株価15分ディレイ → リアルタイムに変更

5078 セレコーポレーション

東証S
3,930円
前日比
-70
-1.75%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
11.2 0.67 2.67
時価総額 137億円
比較される銘柄
東建コーポ, 
サンヨーH, 
グリーンエナ

銘柄ニュース

戻る
 

セレコーポレーション Research Memo(7):各段階利益の第3四半期進捗率は通期予想を上回って推移(2)


■セレコーポレーション<5078>の今後の見通し

2. セグメント別の業績見通し及び重点施策
(1) 賃貸住宅事業
売上高は9,070百万円(前期比7.3%増)、セグメント利益は614百万円(前期比34.9%増)を見込んでいる。新規採用による営業力強化や適切な原価高対策の実行、生産能力と施工力量の適性配置による計画着工を推進するほか、優良紹介先の開拓を強化し、紹介受注シェアの拡大(50%)を目指す。具体的な重点施策は以下のとおりである。

a) コロナ禍及び資源高の影響による原価高騰対策
工法改善や工期短縮、工場の効率改善により、生産性の向上を図る。具体的には、耐火構造の工法改善試作の開始や、基礎形状の簡素化(型式化)によって原価低減を検証する。また、新規取引業者(建材・資材の仕入れ先や大工をはじめとする施工業者)を増やすことで、機動的な仕入れの多角化と同等仕様品の活用を図る。このほか、賃貸経営事業と賃料協議を行い、顧客の事業性を堅持して適正な価格転嫁を実施する。

b) 新規紹介アライアンスの強化
上場を契機に競合の少ない優良紹介先を開拓している。具体的な業種としては金融機関、コンサルタント士業、優良不動産業社等が挙げられる。また、営業や建築士などの新規採用や、営業の商談力強化を目的とした研修の実施など、戦略的な人財投資により交渉力を強化する。

c) 差別化新商品の開発
新たな付加価値を創造することで若者に魅力あるアパートを提供し、市場における商品力と事業の優位性を向上させる。具体的には、新商品開発委員会で25歳から35歳の若者向けの付加価値を高めた差別化商品開発を開始した。「若者の多面性を重視し、自分が自分らしく、暮らせる空間づくり」を提唱しており、外部クリエーターとのコラボレーションにより2023年2月に新商品の発売を予定している。また、脱炭素社会に貢献できる省エネルギーアパートを推進する。省エネトップランナー基準(改正省エネ基準をさらに10%低減した基準)を標準仕様に採用したほか、東京都が推進する環境配慮型住宅の供給強化方針に賛同し、東京ゼロエミ住宅(省エネ・太陽光発電住宅)仕様アパートを推進していく。

(2) 賃貸開発事業
売上高は3,049百万円(前期比55.6%増)、セグメント利益は237百万円(前期は3百万円の損失)を見込んでいる。具体的な重点施策は以下のとおりである。

a) 開発物件のブランド化
完成物件のお披露目会や販売会を通じて、顧客紹介業者並びに顧客へ、ショールームでは理解しづらい外観デザインや規模感、立地の良さを含めた他社物件との違いのアピール、商品付加価値の共有を図ることでブランド化を推進する。

b) 組織力の強化
専門性の高いマネジメント層を採用する。直近では、大手仲介会社における収益不動産開発事業の担当部長を採用し2部体制を確立した。さらなる強化に向けて、中間プレイングマネジメント層の採用を目指している。また、戦略立案・信頼関係構築をテーマにした社員の育成を行う。PDCA研修やロールプレイング研修のほか、外部の地主専門コンサルタントにより信頼関係構築スキルの習得に努める。

c) 販売協力業者の開拓とファン化
金融機関を中心としたビジネスマッチング契約の促進により販売協力業者を開拓する。大手地方銀行とのビジネスマッチング契約の締結に加え、2023年2月期下期からは地方銀行や信用金庫を中心に契約促進を図り、さらなる販売力強化を目指す。また、金融機関及び金融系大手仲介の富裕層部門に対する勉強会を実施し、土地の資産性、メーカー品質及び20年一括借上に伴う安心経営を訴求する。このほか、本社に併設されたモデルルームへの来場を促進することでファン化を推進する。

d) システム導入による生産性向上
AI査定システムを導入することで仕入判断スピードを強化する。2022年3月にシステムの導入は完了しており、2023年2月期下期からの仕入活動で本格稼働する。また、営業管理システム(SFA)を導入し、業務効率及び分析力を向上させる。一部エクセルの廃止や会議・打ち合わせ等の削減、分析ツールの活用による販売業務の効率化を促進する。

(3) 賃貸経営事業
売上高は8,880百万円(前期比8.7%増)、人財投資等によりセグメント利益は955百万円(同4.5%減)を見込んでいる。具体的な重点施策は以下のとおりである。

a) リプレース受託営業の強化
受託営業部門の2課体制がスタートしており、人員増による組織力の強化を目指す。しかしながら足元の採用計画は未達で推移しており、厳しい採用環境を踏まえ、派遣社員の活用など担当業務の見直しを検討している。営業力強化を目的とした実践型ロープレ研修による受託営業担当のスキルアップに取り組むほか、管理戸数増加による経営基盤のさらなる安定化を推進する。

b) オーナーサービスの強化
多様化するオーナーの経営スタイルに応じた新管理メニューの開発を行う。資産家・投資家向け新管理メニューと、主に管理戸数上位のオーナーとのさらなる信頼関係の醸成を目的とした新サービスの開発に着手しており、2023年2月期中の運用開始を予定している。このほか、オーナーごとの担当制による対話を強化した営業活動を展開することで、リプレース及びリピート情報の獲得や管理解約防止を促進する。

c) 新収益源獲得への取り組み
専有部・共用部のリノベーションやバリューアップ提案による収益機会の獲得を目指す。既築物件に対するリノベーションへの取り組みとしては、同社空間設計を一部踏襲した独自デザイン及び仕様を、新たに提携した設計事務所と協業で推進している。2023年2月期中に必要人員を確保し、協力業者と連携を強化することで新たな収益機会の獲得を促進させる。

d) IT活用による生産性向上
業務プロセスのシステム化や賃貸借契約書の電子化等、脱エクセル・ペーパレス化を加速するための積極的な成長戦略投資を実行する。受託営業管理システム(SFA)、退去入替工程の情報共有システム(kintone)の運用を開始したほか、法令対応を目的とした賃貸管理システム(i-sp)改修の完成を目指す。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 欠田耀介)

《SI》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均