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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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6901 澤藤電機

東証S
925円
前日比
-25
-2.63%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
36.3 0.31 3.46 362
時価総額 40.0億円
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グローセル Research Memo(3):半導体商社だが、自社開発製品にも注力し事業拡大・収益力向上を目指す


■事業概要

1. 主な事業内容
グローセル<9995>の主たる事業は、マイクロコンピューター(マイコン)や各種半導体等を半導体メーカーから仕入れ、販売する電子部品商社としての機能であるが、先端技術情報に基づいた高度な技術サポートやソフトウェア・カスタムLSI開発などの付加価値を強みとし、長年にわたって顧客の製品開発の初期段階から共同で開発を進めるソリューション提案を行っている。

商社事業が中心であるため、決算短信上では正式なセグメント情報は開示されていないが、会社の説明資料によれば、主な製品別売上高(2022年3月期)は、集積回路が63.5%、半導体素子が14.9%、表示デバイスが2.5%、その他(一般電子部品)が19.1%となっている。主な仕入先(2022年3月期)は、ルネサスが68.2%、日立グループ関連が5.1%、その他自社開拓による新規取引先(CSB = Customer Satisfaction Business)が22.9%、自社開発品の「STREAL」が3.8%となっている。

全体での取引先数は400社超であるが、上位30社で売上高の約90%を占める。製品の向け先は多岐にわたっているが、約52%が自動車分野、約37%が産業分野(各種機械、ロボット、医療機器等)、残りの11%がアミューズメント、民生、OA分野向けとなっている。主な取引先企業としては、日立Astemo(株)(旧 日立オートモティブシステムズ(株))、新電元工業<6844>、フォルシアクラリオン・エレクトロニクス(株)、マレリ(株)(旧カルソニックカンセイ(株))、澤藤電機<6901>などがある※。

※これらは必ずしも売上高比率の高い順ではない。


2. 特色、強み
同社の主な業務形態は既述のようにルネサスやその他半導体・電子デバイスメーカーから商品を仕入れ、主に自動車部品関連企業や各種産業用機器メーカーに販売する「商社機能」であるが、同社の場合は単に商品を右から左へ流す商社機能だけでなく、以下のような特色や強みを持っている。

(1) 高い提案力・開発力
同社は自社内に開発・技術サポート部門を有し、創業以来多くのエンジニアを育成してきたことから、提案力・開発力に優れており、顧客の製品計画のかなり早い段階から共同で開発を進めることが可能となっている。近年、ルネサスのような大手デバイスメーカーは、個々の顧客からの詳細な要望やソリューションに応える機能を商社に委ねる傾向が強くなっているが、すべての半導体商社がこれに対応できるわけではなく、そこで半導体商社間に差が出てくる。同社の持つ高い技術力や豊富な経験は顧客の要望に十分応えられるレベルにあり、これは同社の強みだろう。

(2) 大手顧客との太いパイプ
主要な大手顧客、特に自動車電装品におけるTier1グループ企業(以下、Tier1)との長い付き合いも同社の特色であり強みだろう。単に生産面での恩恵(生産増→同社売上増)を受けるだけでなく、ハイブリッド車、EV、ADAS(先進運転支援システム)などの次世代自動車で高い技術を有するTier1とのビジネスで、同社の強みである技術力・開発力・提案力にも一段と磨きがかかるだろう。要求が最も高く厳しいと言われる日本の自動車電装品のTier1と深い関係があること自体が、同社の財産とも言える。さらに同社の大手顧客である旧 日立オートモティブシステムズ(日産自動車<7201>系のTier1メーカー)が、2019年に本田技研工業(ホンダ)<7267>系のTier1メーカーである(株)ケーヒン、(株)ショーワ、日信工業(株)と統合したことは、同社の事業にとってはさらなる追い風となる可能性が高い。

この技術力・開発力・提案力は、自動車分野だけでなく各種の産業用機器やFA機器、生産システム、検査システムなどにも展開されており、自動車・産業機器両分野からの事業の拡大が可能となっている。

(3) 「STREAL」事業の開始
加えて、2018年4月に開始した「STREAL」事業が同社の特徴をさらに強固なものとしている。「STREAL」は同社が日立製作所から製造・販売権を取得し、独自に開発した半導体ひずみセンサーの商品ブランドであり、(1)超小型、(2)高精度、(3)常時計測、という3つの特長を有している。

サイズは2.5mm角で、この中にセンサー素子、制御回路、アンプ回路、A/Dコンバーターが集積されている。現状、これと同様の精度を持つものは大型辞書や百科事典並みのサイズがあり、既存製品との差は歴然としている。性能的には、例えば1kmのレールが1mm伸縮するひずみ量を計測できる超高精度を実現しており、物理変化に応じたモジュール形状を使うことで、加重、圧力、トルク、張力、せん断力、低周波振動など幅広い物理的変化の計測が可能となっている。常時計測という特長は低消費電力という特性によって実現されている。常時計測はセンサーに期待される役割を考えれば極めて重要な要素だが、現実的には電源供給がネックとなるケースも多い。だが「STREAL」はその課題を克服している。この事業は同社がファブレスメーカーとして機能するもので、このような「メーカー的事業」を行えるのも同社の特色であり強みと言えるだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《YI》

 提供:フィスコ

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