APAMAN Research Memo(2):Platform事業とTechnology事業を両輪に展開
■APAMAN<8889>の事業概要
同社グループは、不動産市場においてテクノロジーを核とした革新的なサービスを提供するグローバル企業を目指し、Platform事業(賃貸管理・斡旋及びこれらに関連するサービス提供)、Technology事業(FC加盟店向けシステム利用料・加盟料、広告収入等)、その他の事業(コインパーキング事業、一部のfabbit施設の運営等)を展開している。2022年9月期の事業セグメント別構成比は、Platform事業が売上高の78.8%、営業利益の100.3%を占める主力事業となっている。ビジネスモデルとしてはストック型サービスが売上総利益の約7割を占めており、安定性の高い収益構造となっている。
1. Platform事業
Platform事業では、賃貸物件の不動産オーナー向けのサービスとなるPM(Property Management)業務のほか、賃貸斡旋業務、関連サービス業務が含まれる。このうちストック型収入となるPM業務は、アパート・マンション等の不動産オーナーから賃貸管理を受託しているほか、サブリース業務(不動産オーナーから物件を借り上げ、同社が貸主となって入居者に賃貸する)も行っている。2022年9月末時点の賃貸管理戸数は9万戸を超える規模となっており、うちサブリースは4割弱の比率となっている。
また、賃貸斡旋業務では「アパマンショップ」の直営店で賃貸仲介を行っており、2022年9月末時点の直営店舗数は71店舗となっている。そのほか関連サービス業務として不動産オーナー、入居者またはFC加盟店に対して、付帯商品やサービス(保険、緊急駆け付け、電力、インターネット、消火剤等)の提供並びに取次を行っており、管理戸数1戸当たり、または1入居者当たりの収益最大化に取り組んでいる。
そのほか新規事業として、2021年9月期より本格的に開始した借上社宅事業を子会社のRE-Standard(株)で展開している。同事業は借上社宅物件を探している法人に対して、同社が物件探しから契約手続きなど煩雑な業務すべてを代行するサービスとなる。売上は家賃収入と管理業務手数料550円/月(税込)であるが、家賃収入については不動産オーナーから物件を借り上げて同一料金で転貸しするため、実際には手数料が同社の付加価値分となり、見かけ上の利益率は低くなる。このため、同事業でも家財保険や駆け付けサービスなど付帯サービスを付加していくことで1契約当たりの利益を積み上げる戦略となっている。
2. Technology事業
Technology事業では、主にアパマンショップのFC加盟店に対する基幹システムや反響サービス(広告収入)の提供に加えて、業務効率の向上や顧客支援につながる各種クラウドサービス「SKIPS」(空室一覧クラウド、内見クラウド、契約クラウド等)を提供している。2022年9月末時点のFC契約店舗数は1,027店舗と国内最多店舗数となっている※。また、取引不動産オーナー数(約20万人)や管理・サブリース物件数(約103万戸)でも国内最大級である。
※2番手はセンチュリー21・ジャパン<8898>の993店舗(2022年9月末)、3番手は(株)エイブルの837店舗(2022年10月末、直営店434店含む)。
3. その他事業
その他の事業として、コインパーキング事業がある。不動産オーナーが所有する施設の駐車場を借り上げ、コインパーキングとして提供する事業である。2022年9月末のパーキング台数は4,050台となっており、同社が出資している軒先(株)が運営する「軒先パーキング」ともシステム連携を行っている(シェアパーキング)。また、一部のfabbit施設(主に海外)の運営や不動産賃貸、商業施設の運営管理業務なども含まれる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
《NS》
提供:フィスコ