前場に注目すべき3つのポイント~嫌気売りが強まる流れにはならず、売り一巡後の底堅さを見極め~
6日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■株式見通し:嫌気売りが強まる流れにはならず、売り一巡後の底堅さを見極め
■ダイセキS、 3Q営業利益 48.9%減 9.3億円
■前場の注目材料:ダイキン、 EV用新冷媒を量産、大阪・淀川製作所に100億円超投資
■嫌気売りが強まる流れにはならず、売り一巡後の底堅さを見極め
6日の日本株市場は、売り一巡後は次第にこう着感の強い相場展開になりそうだ。5日の米国市場はNYダウが339ドル安だった。最新の雇用関連指標が軒並み予想を上回り、労働市場のひっ迫継続を示唆したため、利上げが長期化し金利先高観が重しとなった。長期金利の上昇を嫌気した売りにより終日軟調推移となった。ただし、終盤にかけてタカ派として知られるセントルイス連銀のブラード総裁のタカ派色を弱める発言を受けて警戒感が緩和し、下げ幅を縮小して終了。シカゴ日経225先物は大阪比100円安の25680円。円相場は1ドル133円40銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り先行で始まろう。ただし、円相場が前日から円安に振れて推移するなど円高修正の動きが継続していることもあり、売り一巡後は次第に落ち着きを見せてくる可能性はありそうだ。昨日は指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均をけん引する格好となり、朝方は反動が警戒されるものの、あくまで自律反発の状況だったため、嫌気売りが強まる流れにはならないだろう。とはいえ、米雇用統計の発表を控えた米株安への警戒から押し目買いの動きは限られるため、基本的にはリバランス中心の展開が想定される。
なお、ファーストリテ<9983>が発表した「ユニクロ」の2022年12月の国内既存店売上高は、前年同月比16.9%増だった。ファーストリテが日経平均を下支えする可能性があるため、NTショートの巻き戻しの動きが継続することも考えられそうだ。日経平均は昨年10月安値とのダブルボトム形成も意識されやすいところであり、まずは売り一巡後の底堅さを見極めたいところだろう。
物色はインデックス主導で不安定ななか、個人主体の中小型株に向かいやすい。物色対象は絞られてきているが、マイクロ波化学<9227>などへの資金流入が見られているほか、直近IPO銘柄などへの物色も意識されそうである。売り一巡後の底堅さが見られるようだと、短期的なリバウンド狙いのトレードに向かわせよう。
■ダイセキS、 3Q営業利益 48.9%減 9.3億円
ダイセキS<1712>が発表した第3四半期業績は、売上高が前年同期比10.6%減の118.72億円、営業利益は同48.9%減の9.30億円だった。土壌汚染調査・処理事業において、関西の都市再開発整備案件は、第1四半期連結会計期間から堅調に推移したが、岐阜リサイクルセンター及び横浜生麦リサイクルセンターにおける大規模インフラ整備案件は、土壌搬入数量が当初計画よりも少なく、搬入時期が延期となったことにより減収減益。廃石膏ボードリサイクル事業において、廃石膏ボード処理量はグリーンアローズ中部及びグリーンアローズ九州ともに前年同期と比較して増加した。
■前場の注目材料
・日経平均は上昇(25820.80、+103.94)
・1ドル=133.30-40円
・米原油先物は上昇(73.67、+0.83)
・米国景気は拡大
・日銀は金融緩和を継続
・コロナ後の人流再開
・ダイキン<6367>EV用新冷媒を量産、大阪・淀川製作所に100億円超投資
・三井物産<8031>商社、持続可能な航空燃料「SAF」に熱視線
・双日<2768>BMW・MINIディーラーのモトーレントーマツ買収、国内で車小売を拡大
・岩谷産業<8088>米アスペン・エアーUSを買収、産業ガス事業拡大
・TDK<6762>米Qeexoを買収、産業機器・車向けAI開発基盤提供
・トヨタ<7203>昨年米新車販売、9%減210万台、半導体不足での減産響く
・千代建<6366>3子会社を合併、EPC・保守を一貫提供
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・08:30 11月実質賃金総額(前月比予想:-2.8%、10月-2.9%)
・08:30 11月毎月勤労統計・現金給与総額(前年比予想:+1.7%、10月:+1.4%)
<海外>
・特になし
《ST》
提供:フィスコ