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3661 エムアップ

東証P
1,581円
前日比
-37
-2.29%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
28.2 8.98 1.04 3.16
時価総額 577億円
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エムアップ Research Memo(2):スマートフォン向けにファンクラブサイトや各種コンテンツを提供(1)


■エムアップホールディングス<3661>の会社概要

1. 事業内容
同社グループは、アーティストを中心として、タレントや声優、アニメまで幅広いジャンルにおけるファンクラブサイトの事業を軸としながら、キャラクター、スタンプ、音楽、電子書籍といった多岐にわたるデジタルコンテンツの配信から、eコマース、電子チケットに至るまで、複合的な事業展開をしている。同社の価値提供は、利用者をスマートフォンやPC等の各媒体を通じて各権利元(アーティスト、音楽事務所、レコード会社、キャラクター会社等)と有機的に結び付け、ファンというロイヤリティの高い会員基盤を拡大するとともに、コンサートチケットの先行予約販売や楽曲提供をはじめ、デジタルコンテンツ(CD及びDVD、ブルーレイ等)やグッズまで幅広い商品やサービスを提供するところにある。数多くの有力アーティストやコンテンツを保有する優位性を生かし、それらを相互活用することによりグループ全体でシナジー効果を発揮させ、事業基盤の拡大と多様化を図ってきた。

2018年10月1日にはEMTGの完全子会社化により、成長が期待できる「電子チケット事業」への参入を含めて事業基盤の拡大を図った。2020年4月1日からは経営資源の最適配分や迅速な意思決定、グループシナジーのさらなる追求を図るため、持株会社体制へ移行した。2020年以降、コロナ禍の影響を一部受けているものの、ファン待望の「VR事業」が着実に立ち上がってきたほか、市場拡大が期待できる「電子チケット事業」の伸びや「NFT事業」への参入などにより、同社は新たなステージを迎えようとしている。報告セグメントは、「コンテンツ事業」と「電子チケット事業」「その他事業」の3つに区分されるが、「コンテンツ事業」は、さらに「ファンクラブ・ファンサイト事業等」と「EC事業」に分類される。創業来の主力である「ファンクラブ・ファンサイト事業等」の売上構成比が大きいが、今後は「EC事業」や「電子チケット事業」についても相互に連携させながら伸ばしていく方針である。

各事業の概要は以下のとおりである。

(1) コンテンツ事業
a) ファンクラブ・ファンサイト事業等
スマートフォンやPC向けのファンクラブサイト運営や各種デジタルコンテンツ配信、アプリの提供などを行っている。特に、主力となるファンクラブサイトは、アーティスト及びアイドルをはじめ、俳優及びタレント、スポーツ選手などの最新情報や独占コンテンツを配信する公式サイトを運営するとともに、会員限定のコンテンツや楽曲配信、グッズ販売等も展開している。音楽アーティストを中心とするファンクラブサイトは300以上、収益源となる課金会員数は200万人を超え、それぞれ国内最大規模を誇る。また、ファンクラブのアプリ化も進めており、様々な機能の追加(プラットフォーム化)により、利用者ニーズへの対応と収益獲得の間口を広げている。2021年3月期からはコメントや投げ銭機能を搭載した生配信視聴専用アプリに加え、VRでのライブ生配信や様々なVR映像コンテンツを提供するサービスを開始したほか、ファンサービスのDX化を見据えた新規事業展開、新たな収益モデルとして期待されるNFTマーケットプレイス※1への参入などにも取り組んでいる(詳細は後述)。一方、各種デジタルコンテンツ配信は、「しゃべってコンシェル(しゃべってキャラ)」※2やきせかえ、スタンプ、デコメールなど、人気キャラクターやタレント等をテーマにしたコンテンツを多数配信している。加えて、キャリアが展開する月額使い放題サービス向けにも積極的にコンテンツを提供している。

※1 ブロックチェーン技術を利用したNFT(非代替性トークン)マーケットプレイスで、エンタテインメント領域のコンテンツに特化し二次流通以降まで対応している。
※2 「しゃべってコンシェル(しゃべってキャラ)」は、(株)NTTドコモが提供するスマートフォン向け音声サービスのこと。スマートフォン上に表示されるキャラクターにやりたいことや調べたいことを話しかけることによって、端末がその言葉の意図を読み取り、情報やサービス、端末機能の中から最適な回答を画面に表示するサービス。


b) EC事業
同社グループの運営するファンクラブサイト等を通じて、CD、DVD及びブルーレイといった音楽映像商品と、それに関連するアーティストグッズを販売している。ファンクラブサイトの会員であるコアなファン層をターゲットとしている点や、大手アーティストからインディーズ流通のアーティストまで対応し、ファンへ直接販売するという新たな流通経路を開拓している点、パッケージ商品の販売に際しては、オリジナル特典(アーティストグッズ等)を付与することにより効果的な販促ができる点などに特徴がある。また、最近では、ライブやイベント会場の物販をスムーズに利用できる新たなサービス(事前販売及び会場受取サービス等)を開始し、ECの枠を越えた販売機会の拡大を図っている。

(2) 電子チケット事業
2018年10月にEMTGの完全子会社化により参入した事業であり、電子チケット及びチケットトレード※1、並びにそれらに付随する各種サービスからの収益により構成されている。音楽のライブはもちろんのこと、アイドルグループの握手会等のイベント、プロ野球やフィギュアスケートといったスポーツ、遊園地などのレジャー施設まで幅広く電子チケットサービスを提供している。また、「コンテンツ事業」で実施するライブ配信と連動する形で、オンライン配信の視聴パスを販売するプラットフォームなども開始した。一方、電子チケットに付随するサービスとしては、カードコレクションアプリ(プロ野球8球団やBリーグ全36チームに採用)※2を展開するほか、ライブにまつわる記念コンテンツ(「メモコレ」)を有料パッケージ販売するなど、マネタイズ手段の多様化にも取り組んでいる。

※1 ライブやイベントに行けなくなった時に、他の人に定価でチケットを譲れるサービスである。今までのチケット転売サイトとは異なり、個人間のやり取りができず、定価取引で行われ、チケットの高額転売を防ぐことができる。
※2 2022年10月からはV.LEAGUE(日本バレーボールリーグ機構)公式カードコレクションサービス「Vコレ-MEN-」、「Vコレ-WOMEN-」についても開始した。


(3) その他事業
上記のセグメントに属さない、主に新規事業開発を行う連結子会社の収益等が計上されている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

《NS》

 提供:フィスコ

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