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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「長引く膠着、"放れ"に従う」

株式評論家 富田隆弥

◆米国半導体大手のエヌビディア<NVDA>が1対10の株式分割を実施、権利落ち日にあたる10日の同社株は120.37ドルで始まり、13日には129.80ドルと史上最高値を更新するなど分割後も順調に上昇している。そして、ナスダック指数は長期金利の低下もあり、13日に史上最高値を1万7741ポイントに伸ばしている。

◆だが、NYダウの動きは重く、3万8000ドル後半でもみ合っている。12日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では参加者の年内利下げ予想(中央値)が3月時点の年内3回から1回に減少し、投資家は慎重に身構えている。日々値幅取りを狙う短期筋は、ハイテク株の多いナスダックに目を向けているようだ。

◆日本株はNYダウと同じように動きが重い。日経平均株価は6月11日に3万9336円の高値を付けたが、13日終値は3万8720円。日足チャートは25日移動平均線と75日線が推移する3万8000円台で5月から膠着状態にある。

◆チャートの「膠着」では放れ足が焦点になるが、FOMCを終え、次に動き出すポイントとしては日銀金融政策決定会合とメジャーSQ(先物・オプション取引の特別清算指数算出日)のある14日以降となる。もみ合いが長引くだけに、どこで放れ足を見せてもおかしくなく、目が離せない。

◆日経平均株価の日足チャートは4月に調整入りしたが、4万円台を回復するなら再び「好転」となり、3月22日に付けた史上最高値4万1087円を目指すだろう。だが、逆に5月30日に付けた直近安値3万7617円を割り込むと「調整二段下げ」のリスクが台頭する。上放れ、下放れ、どちらに動くにせよ理由はあとからついて来る。相場は流れに従うのが基本であり、日経平均株価の放れる方向に従って対応することになる。それまでは我慢、様子見も一策だ。

(6月13日 記、次回更新は6月22日10時を予定)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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