大塚竜太氏【年末年始の東京市場、投資の勘所を探る】(1) <相場観特集>
―日経平均2万6000円台前半で錯綜する強弱観の先―
週明け26日の東京株式市場は日経平均株価が反発に転じたものの、上値も重く2万6000円台前半でのもみ合いに終始した。前週末の米国株市場が強い動きを示したことで投資家の過度な不安心理は後退しているものの、上値追いには依然として懐疑的なムードも漂う。視界不明瞭な年末年始相場とどう向き合えばよいのか。第一線で活躍する市場関係者2人に見通しを聞いた。
●「年明け以降はやや警戒が必要に」
大塚竜太氏(東洋証券 ストラテジスト)
きょうは海外市場が概ね休みということもあり、市場参加者の少なさが際立っているが、今週は既に休暇に入っている機関投資家も多く、薄商いの中で比較的狭いレンジでの推移が予想される。外部環境を見渡す限り、今のタイミングで上値を買い進む動きは見込みにくいものの、一方で先物を絡め下値に誘導するような売り仕掛けも入りづらいということは言える。年内(週内)の日経平均は2万6000円台を往来する動きに終始しそうだ。上値を伸ばしてもかろうじて2万7000円台に乗せるぐらいだろう。掉尾の一振があるとすれば、それは全体指数の影響を受けにくい個別株のテーマ買いの動きに限られそうだ。
一方、年明け以降は警戒が必要であると思っている。米国では引き続き弱気優勢の地合いだが、その背景についてはこれまでの金融引き締めに対する恐怖感から、リセッション懸念の方に投資家のマインドが傾いている。東京市場でも年内は日経平均が2万6000円台を維持しても、来年1月相場では、米国株次第とはいえ一度は2万5000円台まで沈む場面がありそうだ。半導体関連株は足もと戻りに転じたにせよ戻り売りを浴びやすく、持続性がない。これが全体相場の足を引っ張る形になりやすい。
ただし、今の米株安はFRBの想定通りの流れでもあり、ある意味既定路線でそれほど慌てる必要もない。リバウンド狙いで深追いせず、押し目買いに徹すれば年が明けてからも買い場は十分に提供されると考えている。物色対象として有力視されるのは、内需の個人消費周辺。旅行関連では日本航空 <9201> [東証P]やJR東海 <9022> [東証P]など着目。また、国策に乗る防衛関連も外せない。三菱重工業 <7011> [東証P]やIHI <7013> [東証P]をマークしておきたい。
(聞き手・中村潤一)
<プロフィール>(おおつか・りゅうた)
1986年岡三証券に入社(株式部)。88~98年日本投信で株式ファンドマネージャーを務める。2000年から東洋証券に入社し現在に至る。
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