貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
株価20分ディレイ → リアルタイムに変更

9418 UNEXT

東証P
4,690円
前日比
-45
-0.95%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
19.2 3.69 0.68 48.24
時価総額 2,820億円
比較される銘柄
ラインヤフー, 
KDDI, 
NTT

銘柄ニュース

戻る
 

USENNEX Research Memo(1):2023年8月期は、売上高・営業利益ともに6期連続で過去最高を更新


■要約

USEN-NEXT HOLDINGS<9418>は、飲食や小売といった業務店をはじめ、ホテル、病院、オフィスなどの各種施設に、音楽配信を軸に店舗・施設の運営やDXに必要な各種機器・ソリューションを提供している。個人向けには、映画や電子書籍などを配信するサービスを行っている。2017年12月に(株)USENと(株)U-NEXTが再統合し、持株会社として同社が設立された。統合の目的は、キャッシュカウな音楽配信からコンテンツ配信事業など成長事業へと資金を還流し成長を促すこと、グループ各社の持つ強みや販売チャネルを生かし主力商品をクロスセルすることでシナジーを創出することにあった。こうした戦略的統合が奏功し、業績は6期連続で実質過去最高を更新、業績は売上高、営業利益ともに6期連続で実質過去最高を更新した。(売上高は2018 年8 月期の8ヶ月決算値を12 ヶ月換算)。

1. 企業としての強みは音楽配信などで培った厚い顧客基盤と営業力
同社は5つの事業を展開している。コンテンツ配信事業では、定額制配信サービス「U-NEXT」を通じて個人向けに映画や電子書籍などのデジタルコンテンツを提供している。店舗サービス事業では、店舗・施設に向けて音楽配信や音楽著作権管理を行うほか、店舗DX商材・サービスなど店舗運営に関するあらゆるソリューションを展開している。通信事業では、法人向けICTや業務店向け自社光回線の販売・サービスなどを提供している。業務用システム事業では、ホテルや病院などに対し自動精算機や業務管理システムなどの販売・保守を行っている。エネルギー事業では、店舗サービス事業を支援する商材として電力・ガスの販売を行っている。各事業がそれぞれに強みを持つほか、グループ全体として音楽配信で培った厚い顧客基盤と営業力という強みを共有している。

2. ウィズ/アフターコロナへの移行や円安のなか、2022年8月期は増収増益
2022年8月期の業績は、売上高237,927百万円(前期比14.2%増)、営業利益17,321百万円(同11.0%増)と2ケタの増収増益となった。ウィズ/アフターコロナに移行するなかで経済活動は回復してきたが、ウクライナ情勢などを背景とした円安・原燃料高により徐々にインフレが進行するなど、経営環境は厳しかった。しかし、コンテンツ配信事業は巣ごもり需要の反動を跳ね返して課金ユーザー数を拡大、店舗DXはインフレや人手不足ゆえに強まるニーズを確保し安定的に成長した。このため、円安の影響でコンテンツ配信事業の営業利益は計画に届かなかったが、全事業で増収増益を達成、連結業績は売上高、各段階利益ともに過去最高を更新した。なお、「収益認識に関する会計基準」等を2022年8月期期首から適用した。ただし増減率は新たな会計方針を遡及適用していない。

3. 円安リスクの一方でインバウンドに期待、2023年8月期も増収増益を予想
2023年8月期の業績は、売上高247,000百万円(前期比3.8%増)、営業利益18,400百万円(同6.2%増)を見込んでいる。同社は今後も、安定した顧客基盤などの強みを最大限生かし、グループシナジーを最大化することで、ウィズ/アフターコロナで変化する消費行動や社会環境に対応する方針である。なかでも、急激な円安に対しては海外コンテンツの調達内容の見直しなどで対応する一方、行動制限の解除に関しては増加が期待される国内旅行やインバウンドの確保を通じて業務店や飲食店、ホテルなどの業績改善を支援する考えである。なお、中期経営計画については、一部で進捗がやや遅れている事業や円安というリスクはあるが、全体では好調に進捗しているもようだ。

■Key Points
・戦略的統合を背景に、売上高、営業利益ともに6期連続過去最高を実質更新
・2022年8月期は巣ごもり需要の反動や円安・原燃料高のなか全事業増収増益
・2023年8月期も円安不安続くも、国内旅行・インバウンド需要の拡大に期待

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《SI》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均