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5034 unerry

東証G
2,952円
前日比
-118
-3.84%
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業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
168 6.54
時価総額 110億円
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unerry Research Memo(1):2022年6月期は設立からわずか7年で通期の黒字化を達成


■要約

unerry<5034>は、「心地よい未来を、データとつくる。」というミッションの下、実社会のデータをAIで分析し、リアル空間を見える化することによって生活のUX(ユーザーエクスペリエンス:ユーザーがプロダクトやサービスを通して得られた価値)向上に貢献している。リアル行動ビッグデータプラットフォーム「Beacon Bank(R)」を通じて特定の個人を識別しない人流データを蓄積し、「分析・可視化」「行動変容」「One to One」という3つのサービスを顧客に提供している。人流データは、GPS(全地球測位システム)と各施設に設置されたビーコンによりスマートフォンアプリの位置情報を取得し、同社独自開発のAI群で分析することによって情報を意味あるデータに変換している。今後は、顧客業態と市場の拡大によって、さらなる業績の拡大と企業価値の向上を目指す方針だ。業態の拡大に関しては、主に小売・外食顧客向けに提供している同社サービスを消費財メーカーに展開することを計画している。市場の拡大に関しては、日本においてスマートシティの実績を蓄積したうえで、将来的には海外のスマートシティ事業に参入することを計画している。

1. 2022年6月期の業績概要
2022年6月期の業績は、売上高が前期比84.7%増の1,446百万円、営業利益が74百万円(前期は160百万円の損失)、経常利益が71百万円(同162百万円の損失)、当期純利益が143百万円(同162百万円の損失)となった。2015年の設立からわずか7年で通期の黒字化を達成した。売上高に関しては、リアル行動ビッグデータ収集体制の拡充、解析精度の向上、サービス開発の推進を実践するなかで新規顧客の開拓が順調に推移した。また、既存顧客からの売上も拡大した。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の状況下において、人流データに対する注目度が上がったことも同社業績にプラスに寄与した。利益面に関しても、通期での営業黒字を達成した。売上が伸長したほか、コスト効率を高めたことが要因だ。自動化などの業務効率化を実施したことも利益の増加に寄与した。なお、同社は2022年6月期の期初から「収益認識に関する会計基準」等を適用している。そのため、前期業績との比較については参考値として記載している。

2. 2023年6月期の業績見通し
2023年6月期の業績は、売上高が前期比35.1%増の1,953百万円、営業利益が同183.8%増の212百万円、経常利益が同185.7%増の205百万円、当期純利益が同12.8%減の125百万円を見込んでいる。当期純利益のみ2022年6月期にあった繰延税金資産の計上がなくなる反動によって減少を見込むものの、売上高とそのほかの各利益に関しては成長を見込んでいる。好調な外部環境に加えて、サービスごとに戦略を遂行することによってトップラインの拡大を図る考えだ。具体的には、「分析・可視化サービス」においては分析データの量と種類を増やし、小売・飲食の顧客向けに、より訴求力のあるサービスにすることを計画している。また、川上への進出として消費財メーカーへの展開も計画している。「行動変容サービス」においては、既存サービスを消費財メーカーに展開するためにリテールメディアとしての役割を担っていく計画だ。「One to Oneサービス」においては、顧客ニーズに沿ったソリューションを開発していく。「分析・可視化サービス」「行動変容サービス」とともに業績拡大を計画している。利益面に関しては、2022年6月期に引き続き原価が改善することによる売上総利益の増加を見込んでいる。これを受け、営業利益と経常利益に関しても前期比で大幅な成長を見込んでいる。

3. 短・中期成長戦略の概要
同社は短・中期の成長戦略として2024年6月期を最終年度とする事業計画を策定し、推進している。リテール企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援する企業とグローバル市場でスマートシティの実現に貢献する企業という2軸で成長を追求する構えだ。「顧客数×単価×NRR(ネットレベニューリテンションレート)※1の最大化」「店頭での行動変容サービスへの進化(リテールメディア戦略)」「都市の可視化・行動変容への応用(展開する都市OS※2数の拡大)」を主要戦略として業績の拡大と企業価値の向上を目指す。「顧客数×単価×NRRの最大化」によって既存のリテールDXにおける成長を目指すことに加えて、リテールメディア戦略とグローバルスマートシティ戦略によってTAM(獲得可能な最大市場規模)を拡張し、売上高と収益性を高める考えである。

※1 前期以前に獲得したリカーリング※3顧客の当期売上高÷当該顧客の前期売上高
※2 地域の枠を超えたサービス連携や各都市における成果を横展開するための仕組み。
※3 四半期以上連続で取引のある顧客企業及び直近3ヶ月以上連続で取引のある新規顧客企業からの売上高。


■Key Points
・実社会のデータをAIで分析し、リアル空間を見える化する環境知能実装企業
・設立は2015年と若い企業でありながら、増収及び通期利益黒字化を達成
・SaaS型ビジネスモデルを採用することにより高利益体質を実現
・今後の利益率の伸長に期待

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)

《SI》

 提供:フィスコ

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