信用
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4175 coly

東証G
1,254円
前日比
+44
+3.64%
PTS
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業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
1.20 225
時価総額 69.0億円
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決算発表予定日

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coly Research Memo(1):成長に向けたパイプラインの拡充や組織強化に取り組む


■要約

coly<4175>は「もっと、面白く」をビジョンに掲げた女性向けエンタメ市場をリードするIP※クリエイター&ディベロッパーである。高いヒット率を誇るIP企画力やメディア展開力に強みがあり、IPを一つひとつ丁寧に作り上げ価値を高めてきたことが、同社の成長を支えてきた。2021年2月に東証マザーズ市場に上場し、2022年4月から東証グロース市場へ移行した。自社IPの活用によるモバイルオンラインゲームの開発・運営と、グッズ販売等によるMD(マーチャンダイジング)の2つのサービスを展開しているが、今後は他社IPの活用やM&Aを通じた事業の拡張、海外展開を含めた事業拡大を目指していく。

※Intellectual Propertyの略で知的財産権のこと。ここではゲームやアニメのタイトルやキャラクターなどを指す。


1. 2022年1月期の業績
上場1年目となった2022年1月期の業績は、売上高が前期比3.0%増の6,519百万円、営業利益が同27.7%減の1,498百万円と増収ながら減益となり、期初予想を下回る着地となった。ゲームは、2周年を迎えた「魔法使いの約束」が伸長した一方、「スタンドマイヒーローズ」が成熟期に入ってきたことに加え、2020年10月にゲーム運営を終了した「オンエア!」の影響により、ゲームの売上高では前期比1.4%増と小幅な伸びにとどまった。一方、MDについては、新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)の影響を受けたものの、自社ECサイトによるオンライン販売が好調であったことや、「魔法使いの約束」2周年イベントに伴う大幅なグッズ売上の増加により前期比10.4%増と順調に伸ばすことができた。なお、期初予想を下回ったのは、リリースを予定していた新規タイトルの期ずれのほか、既存タイトルの成長曲線が見込みどおりではなかったことが理由のようだ。損益面でも、パイプライン拡充に伴う研究開発費の投入や組織体制の強化に向けた採用研修費の増加等により営業減益となった。ただ、成長のための先行費用をこなしながら営業利益率は23.0%を確保しており、収益性の高さは維持できていると言える。

2. 2023年1月期の業績予想
2023年1月期の業績予想について同社は、現時点において合理的かつ信頼性のある業績予想の提示が困難との判断から非開示としている。売上高に関しては、1)新規タイトルの売上高について、合理的な算出が困難であること、2)既存タイトルについても、環境の変化が速く、動向を予測することが困難であること、3)同社初となる常設店舗「coly more! 池袋PARCO店」の開設をはじめとするMD施策についても、コロナ禍の影響等により、予想される売上高の振れ幅が大きいこと、が理由となっている。また、費用に関しても、1)大型タイトルを含めた新規開発着手を複数見込んでおり、研究開発費について現時点で未確定の部分が大きいこと、2)前記開発人員を含めた採用人数について、現時点では見通せない部分が大きいこと、を理由として挙げている。

3. 中長期ビジョン
同社では、あらゆる産業がデジタル化するDXの先に、メタバースの時代や、感情をゆさぶる体験が最も重視されるEX※時代の到来を見据えており、2025年以降は「EX・メタバースフェーズ」という異次元のフェーズへと一気に進化していくビジョンを描いている。一方、この数年間については、「パイプライン拡充フェーズ」と位置付けており、創業以来培ってきた自社IP企画のノウハウを軸に、新規タイトルの開発(他社IPの活用を含む)、展開の多様化(業務提携やM&Aも視野)に注力しつつ、「EX・メタバースフェーズ」に向けた地盤固めを行っていく方針としている。また、アジアを中心とした海外展開にも意欲的である。

※EX(Entertainment Transformation)とは同社独自の造語で、あらゆる産業において「感情」に結びつくような体験の提供が求められる状態を指す。ゲーム業界やエンタメ業界以外の業態においても、今後エンターテインメントの持つ力が重視される時代が来ることを想定している。


■Key Points
・2022年1月期は増収ながら減益となり、期初予想を下回る着地
・今後の成長に向けたパイプラインの拡充や組織体制の強化に取り組む
・2023年1月期の業績予想については、現時点で非開示。新作タイトルのリリースや常設店舗「coly more! 池袋PARCO店」の開設などを予定するも、合理的な売上高の算定が困難であることが理由
・他社IPの活用や展開の多様化を含む、パイプラインの拡充に取り組むとともに、中長期的には「EX・メタバースフェーズ」へと進化していく方向性を描いている

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

《EY》

 提供:フィスコ

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