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【特集】雨宮京子氏【強さ際立つ日本株、2万8000円は通過点か】(1) <相場観特集>

雨宮京子氏(雨宮総研 代表)

―米株安でも朝安後に切り返しへ、今後の展望と個別株―

 週明け6日の東京株式市場は、前週末の米株安を受けて日経平均株価が朝方は安く始まり2万7000円台半ばまで水準を切り下げたが、その後は急速に買い戻される展開でプラス圏に切り返した。気がつけば2万8000円大台にあと一歩まで迫っている。日本株の相対的な強さが指摘されているが、果たしてこの上昇波動は本物なのか。相場の先読みに定評があり、個別銘柄の発掘でも強みを持つ市場関係者2人に今後の展望を聞いた。

●「2万8000円台後半を目指す展開も視野」

雨宮京子氏(雨宮総研 代表)

 6月相場は米国株市場を横にらみに日経平均は強含みに推移することが予想される。米国ではFRBによる金融引き締め強化の動きを背景に、景気後退懸念が根強いものの、米株市場は景気に関してはかなりのネガティブシナリオを織り込んでいると思われ、徐々に落ち着きをみせる公算が大きい。

 日本株は欧米株などと比較して相対的な強さが指摘されているが、今後は株式需給面での好転が株高を後押しする展開が期待できる。ボーナスシーズンに入ることや、株主総会の開催も例年株価上昇の思惑につながるケースが多い。

 国内の外部環境に目を向けると、7月の参議院選挙に向けて岸田政権による政策期待が高まりやすいタイミングにあることも注目したい。国策として掲げる骨太の方針などを横にらみに、主力銘柄から材料株まで幅広く物色人気が波及する可能性があり、ここは強気スタンスで対処したい。

 テクニカル的には日経平均は日足一目均衡表で雲抜けを果たしており、ボックス上限の2万8000円ラインを突き抜け新局面入りすることが十分に考えられる場面だ。200日移動平均線を明確に上回ってくれば、上昇基調に拍車がかかり、2万8000円台後半まで駆け上がるケースもありそうだ。

 個別株戦略は、まず主力大型株では日本製鉄 <5401> [東証P]に注目したい。低PER、低PBR、高配当利回りのバリュー株の一角として投資妙味がある。また、インバウンド関連ではポケトークの販売増加が見込まれるソースネクスト <4344> [東証P]は値ごろ感があり、依然として上値余地があるとみている。サイバーセキュリティー関連では、自社企画で利益率の高い情報セキュリティー製品の販売を行っているNo.1 <3562> [東証S]をマーク。このほか、電子ビーム描画装置の成長性に期待が大きい日本電子 <6951> [東証P]や、中国関連で底値圏もみ合いからリバウンドの動きをみせている宮越ホールディングス <6620> [東証P]などにも目を配っておきたい。


(聞き手・中村潤一)

<プロフィール>(あめみや・きょうこ)
雨宮総研 代表。元カリスマ証券レディとして、日興証券時代は全国トップの営業実績を持つ。ラジオ短波(現ラジオNIKKEI)、長野FM放送アナウンサー、『週刊エコノミスト』(毎日新聞社)記者、日経CNBCキャスター、テレビ東京マーケットレポーター、ストックボイスキャスター、SBI証券 投資情報部などを経て現在に至る。

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