ベネフィット・ワン---22年3月期増収・2ケタ増益、HRDX支援を軸とした会員基盤拡大と決済事業への挑戦を推進
ベネフィット・ワン<2412>は10日、2022年3月期連結決算を発表した。売上高は前期比1.4%増の383.62億円、営業利益は同30.7%増の127.70億円、経常利益は同30.1%増の128.26億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同32.3%増の89.49億円となった。
成長戦略であるHRDX支援を軸とした会員基盤拡大として、「ベネワン・プラットフォームの活用推進」と、「M&Aによる会員基盤拡大」を実施した。まず「ベネワン・プラットフォームの活用推進」では、福利厚生事業の取引先企業を中心に、2021年6月以降、480万人以上の会員データを「ベネワン・プラットフォーム」に移行・登録するとともに、第三者の提供する複数のHRテクノロジーサービスと「ベネワン・プラットフォーム」のデータ連携拡大にも積極的に取り組んだ。「M&Aによる会員基盤拡大」では、2021年10月29日付でJTBベネフィットの株式を取得し、会員基盤を飛躍的に拡大させている。2022年4月1日には同社を吸収合併し、グループ内で重複するサービスと組織機能の統合を進め、スケールメリットの追求及びサービスメニューの質的・量的改善に取り組んでいる。
決済事業への挑戦として、2021年6月より給与天引きの仕組みを活用した「給トク払い」サービスを開始した。同サービスを通じた決済事業の収益化に向けて、主に福利厚生サービスの顧客に向けて活用提案を進め、生活インフラ分野や定額課金メニューを中心に加盟店開拓に注力している。
中長期成長戦略の取組みを行いつつも、当年度において短期的には事業成長が新型コロナウイルス感染症の一定の影響を受ける場面もあった。しかし社会経済動向をとらえた新たな収益事業を伸ばすことでこれを吸収することができ、グループの業績は計画を上回って推移した。福利厚生事業では、期中における会員数は横ばい圏で推移する一方、緊急事態宣言明けの2021年10月以降は会員のサービス利用が回復傾向となり、これに伴い補助金支出が増加した。また、期中に株式を取得して子会社化したJTBベネフィットについては連結業績の拡大に寄与している。ヘルスケア事業では、新型コロナワクチン接種支援など社会経済の要請に応えた新たな健康支援サービス展開に注力し、期初想定以上の成果となり、連結全体の利益押し上げに貢献している。
2023年3月期通期の連結業績予想については、M&A効果や環境正常化により売上高が前期比20.2%増の461.00億円、中長期の成長加速に向けた積極投資による経費先行等で営業利益が同15.4%減の108.00億円、経常利益が同15.9%減の107.90億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同19.9%減の71.70億円を見込んでいる。
《ST》
提供:フィスコ