【市況】明日の株式相場に向けて=防衛・AIなどテーマ物色の炎立つ
日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより前日の欧州株市場は総じて強く、独DAXに加え主要600社で構成されるストックス・ヨーロッパ600は連日で最高値を更新。また、米国株市場でもNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに上昇し、ダウは3連騰で連日の最高値更新と欧州とピタリ歩調を合わせた。世界株高の流れが続いたが、日本を含むアジア株市場で一服となった。日本については中国が日本に対するデュアルユース(軍民両用物資)の輸出規制強化を発表し、これがリスクオフの流れを助長した形だが、悲観ムードは皆無に近い。むしろ、これにレアアースが含まれるとの観測報道を受け、レアアース関連株に位置付けられる銘柄群がストップ高の嵐となるなど、格好の買い手掛かり材料となっている。全体指数と連動性の高い大型株について言えば影響はそれなりに出たが、狼狽する気配は微塵もない。何といっても圧巻だったのは7000億円を超える記録的な売買代金をこなし、9%超の急騰を演じたキオクシアホールディングス<285A>だ。米国発のメモリー関連株復権の流れに躊躇することなく乗った。
ここからの個別株戦略としては、業績よりもテーマ物色重視といえる。そのなか、ソルクシーズ<4284>は防衛関連の切り口で株価の居どころが変わる可能性がある。保険や証券など金融業界向けを中心にシステムの受託開発を展開するが、米国の計測器開発大手ナショナル・インスツルメンツ(23年に米エマソンに買収)とは、子会社イーアイソルを通じ日本で唯一のゴールドパートナー企業となっており、この計測器に関する組み込みソフト開発をソルクシーズ側が手掛けている。この計測器及び組み込みソフトウェアをセットにして“防衛関連案件”の需要を獲得し、収益に大きく反映させている。25年12月期業績は営業5割増益を見込むが、26年12月期も大幅な伸びが想定される。
一方、昨年も取り上げたロボティクス関連銘柄で、CIJ<4826>に改めて上値余地が生じている。NTTデータグループと日立製作所<6501>からの受託開発を主力とするが、安定した収益基盤を有するだけではなく、AIとロボティクスの融合いわゆる「フィジカルAI」ではフロントランナーとしての優位性を持つ。特に自律移動型サービスロボットのAYUDAで培ったソリューションの蓄積により、生成AI時代に適合したビジネスモデルが同社の大きな武器となっていく。今週は米ラスベガスで開催されている「CES2026」でもフィジカルAIは中核テーマとなっているが、国内でも今月21~23日に東京ビッグサイトで日本最大級のロボット展示会「ロボデックス」が予定されており、二段構えで関連銘柄に物色の矛先が向かいそうだ。
フィジカルAIが普及する過程では、その原動力である半導体メーカーとその周辺にも新たな需要が創出される。AIデータセンター向け特需で半導体メモリーが復権したように、フィジカルAIではパワーデバイスに活躍機会が広がる。東京ビッグサイトのロボット展示会「ロボデックス」と同時並行して行われるネプコンジャパンでは、半導体関連の展示も行われ、パワーデバイスにもスポットライトが当てられる。EV需要の減退でひと頃は逆風が意識されたが、復権の舞台が早晩訪れそうだ。
関連銘柄としては、電源機器メーカーとしての実績に加え、半導体はパワーデバイスで高い競争力を発揮する三社電機製作所<6882>に久々に追い風が吹きそうだ。0.5倍台のPBR、4%超の配当利回りは魅力でバリュー系グロース株の面目躍如となるかに注目。また、オキサイド<6521>もリベンジ相場への助走が始まっている。同社は酸化物単結晶やレーザー光源、光デバイス開発など光学分野におけるニッチトップだが、次世代パワー半導体材料(SiCウエハ)の試作に成功するなど、持ち前の商品開発力に耳目が集まる。このほか、半導体商社としてチェックしておきたい銘柄がミタチ産業<3321>だ。自動車分野向けが主力だが、フィジカルAIはロボティクスだけでなく自動運転分野も主戦場といってよく、同社はその時代の潮流に再び乗っていくイメージが強い。
あすのスケジュールでは、11月の毎月勤労統計や週間の対外・対内証券売買契約がいずれも朝方取引開始前に開示。前場取引時間中には6カ月物国庫短期証券と30年物国債の入札が行われ、12月のオフィス空室率、12月の輸入車販売、12月の車名別新車販売、12月の軽自動車販売なども発表される。このほか、1月の日銀地域経済報告(さくらリポート)に注目度が高い。個別企業ではセブン&アイ・ホールディングス<3382>、イオン<8267>、ファーストリテイリング<9983>の四半期決算発表が予定。海外では11月のユーロ圏失業率、11月のユーロ圏生産者物価指数、週間の米新規失業保険申請件数、10月の米貿易収支などに耳目が集まる。米国ではこれ以外に7~9月期労働生産性指数、10月の卸売在庫・売上高、11月の消費者信用残高なども発表される。(銀)
出所:MINKABU PRESS

米株










