【市況】前場に注目すべき3つのポイント~3月期末に伴う配当志向の物色~

26日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■3月期末に伴う配当志向の物色
■日本酸素HD、25/3下方修正 営業利益 1630億円←1780億円
■前場の注目材料:エーザイ、26年度に300億円削減、組織最適化
■3月期末に伴う配当志向の物色
26日の日本株市場は、買い先行で始まり、その後も底堅さが意識される相場展開が見込まれる。25日の米国市場は、NYダウが4ドル高、ナスダックは83ポイント高だった。トランプ米政権が4月2日に発動を計画している「相互関税」を巡り、柔軟姿勢を示唆したことを好感した買いが継続した。ただし、3月の米消費者信頼感指数が予想を下回ったことから景気減速懸念が重荷となり、上げ幅を縮めた。シカゴ日経225先物は大阪比240円高の37820円。円相場は1ドル=149円90銭台で推移している。
日経平均株価はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることになりそうだ。日経225先物はナイトセッションで一時下落する場面もみられたが、25日線が支持線として機能する形で切り返しており、終盤にかけて上げ幅を広げていた。昨日の日経平均株価は買い先行で始まった後は上げ幅を縮める形だったが、25日線水準で終えていた。同線が支持線として意識される可能性がありそうだ。トランプ米政権による相互関税導入を来週に控えるなか、積極的な売買は手控えられる可能性が高そうだが、押し目待ち狙いの買いは入りやすいだろう。
また、昨日はアドバンテスト<6857>が3%を超える下落となり、日経平均株価の重荷となっていた。ただ、東証プライムの値上がり数は全体の6割超を占めていたほか、ファーストリテイリング<9983>など指数インパクトの大きい値がさ株の底堅さがみられていた。3月期末に伴う配当志向の物色もみられており、下値の堅さが意識されやすいだろう。期末要因から機関投資家はリバランス中心の売買になりそうであり、個人主体の材料株物色が中心になりそうだ。
もっとも、トランプ米大統領の発言に振らされやすい需給状況は変わらないため、売り方の買い戻しの動きが強まるものの、新規の買いは期待しづらいところではある。まずは買いが一巡した後の底堅さを見極めつつ、日経平均株価の25日線接近では、その後のリバウンド狙いになろう。また、東証プライムの売買高は減少傾向にあり、先物市場での売買に振らされやすいが、短期的な売買が中心のため、リバランス狙いになるだろう。
■日本酸素HD、25/3下方修正 営業利益 1630億円←1780億円
日本酸素HD<4091>は2025年3月期業績予想の修正を発表。営業利益を1780億円から1630億円に下方修正した。土地建物の売却益の計上が予想されるものの、減損損失の影響等により、前回予想を下回る見込み。
■前場の注目材料
・日経平均株価は上昇(37780.54、+172.05)
・NYダウは上昇(42587.50、+4.18)
・ナスダック総合指数は上昇(18271.86、+83.27)
・VIX指数は低下(17.15、-0.33)
・シカゴ日経225先物は上昇(37820、+240)
・米長期金利は低下
・活発な自社株買い
・東証による企業価値向上の要請
・ブイ・テクノロジー<7717>レーザーダイシング参入、来年めど実用化
・カナデビア<7004>舶用エンジン燃費改ざんで再発防止策
・エーザイ<4523>26年度に300億円削減、組織最適化
・石油資源開発<1662>油田開発の英子会社を336億円で売却
・ENEOSHD<5020>ENEOS、横浜製造所での潤滑油などの生産を段階的に停止
・カナデビア<7004>アイルランド社を買収、ゴミ発電施設運営
・NEC<6701>高速移動中も安定通信、NTT・NTTドコモと実証成功
・富士通<6702>デルフト工科大学とダイヤモンドスピン量子操作、エラー確率0.1%未満
・太陽誘電<6976>印に販売拠点、“車・産機向け電子部品”需要取り込む
・図研<6947>米IBMのAI半導体プロ参画、EDAを開発
・サカタインクス<4633>世界拠点のERP刷新、データを一元管理
・AGC<5201>オリックスと廃棄窓ガラス再生で協業
・大和工業<5444>JFEなど4社で形鋼の一体運営検討、生産体制効率化
・住友電工<5802>インドネシアで下水処理向け中空糸膜受注、日24万立方メートル処理
・三井不<8801>大英図書館の再開発に参画、総事業費2000億円超
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・特になし
<海外>
・09:30 豪・2月消費者物価指数(予想:前年比+2.5%)
《ST》
提供:フィスコ