【注目】話題株ピックアップ【昼刊】:山梨銀、大阪ソーダ、ユカリア

山梨中央銀行<8360>が急伸し、上げ幅は一時15%を超えた。この日、しずおかフィナンシャルグループ<5831>傘下の静岡銀行と八十二銀行<8359>、山梨銀が午後4時半から都内で記者会見を開催すると伝わった。各行の頭取が出席するという。山梨銀に関しては、昨年9月30日時点で大株主にアリアケ・マスター・ファンドが名を連ねており、自己株式を除いた発行済み株式総数ベースで同ファンドの保有比率は1.53%に上る。一部報道を受け千葉銀行<8331>と、ありあけキャピタルが筆頭株主の千葉興業銀行<8337>との経営統合の可能性が浮上するなど、地銀の再編の思惑が広がるなかにあって、投資資金の流入を誘発したようだ。八十二銀行も大幅高。しずおかFGは上場来高値を更新した。
■大阪ソーダ <4046> 1,731円 +111 円 (+6.9%) 11:30現在 東証プライム 上昇率3位
大阪ソーダ<4046>が切り返し急。日本経済新聞電子版が27日、「大阪ソーダが医薬品の製造時に使うシリカゲルの増産を急ぐ」と報じた。2026年度の稼働に向け兵庫県尼崎市や松山市の工場で設備を増強中の同社は、それでも肥満症治療薬向けの需要拡大に追いつかないとし、新たに27年度ごろの完工を想定した増設の検討に入ったという。中期的な事業成長を期待した買いが入ったようだ。このほか大阪ソーダは同日、グループで医薬品原薬・中間体事業を行うサンヨーファインが、次世代抗体として注目されるVHH抗体の開発・製造受託サービスを今年7月から本格的に開始すると発表している。
■ユカリア <286A> 1,039円 +46 円 (+4.6%) 11:30現在
ユカリア<286A>が4営業日ぶりに反発している。同社は26日、子会社のスマートスキャンが島根県立中央病院との共同研究を開始すると発表しており、これが買い手掛かりとなっているようだ。この共同研究は、スマートスキャンが保有する脳ドック検査結果データから脳卒中・認知症の危険因子を分析し、予防法の確立や発症予測AIの構築を目指すもの。具体的には、スマートスキャンが運営する脳ドックサービス「スマート脳ドック」受診者のうち、メディカルチェックスタジオ東京銀座クリニック(東京都中央区)で検査を行った約8万人の問診票データ及び検査結果データを、島根県立中央病院が分析、更に受診者へのアンケート形式による追跡調査を実施することで、脳卒中や認知症の危険因子や予防法の特定を目指すとしている。
■岡三証券グループ <8609> 711円 +26 円 (+3.8%) 11:30現在
岡三証券グループ<8609>が大幅高に買われている。26日の取引終了後、株主還元強化を中心とする中長期的な株主向け施策の方針を発表。来期以降の株主優待などの新たな施策を検討するほか、25年4月から28年3月の3年間で総額100億円以上の自己株式取得を実施することを明らかにしており、これが好材料視されている。自己株式取得については、23年3月に策定した株主還元方針では中期経営計画の対象期間中、PBR1.0倍を超えるまで年間10億円以上を取得する方針としていた。そのほか、従来未定としていた25年3月期の期末一括配当は30円(前期と同額)実施すると発表。配当利回りは4%を超える水準で権利取りを狙う買いも向かっているようだ。
■千葉興業銀行 <8337> 1,545円 +52 円 (+3.5%) 11:30現在
千葉興業銀行<8337>は堅調推移。日本経済新聞電子版が26日夜、「千葉県で最大手地銀の千葉銀行が同県3位の千葉興業銀行の株式20%弱を取得する方向で最終調整していることが26日、わかった」と報じた。千葉興の筆頭株主のありあけキャピタル(東京都中央区)から議決権ベースで19.9%の株式を買い取るという。加えて、協力関係の強化や将来の経営統合に向けた協議も始めると伝えており、千葉興に対しては報道をポジティブに受け止めた買いが入ったようだ。千葉銀行<8331>は27日朝、報道を受け「本件を含めて経営戦略上の選択肢については様々な可能性を模索しているが、現時点で決定した事実はない」とのコメントを開示した。
■大栄環境 <9336> 2,981円 +43 円 (+1.5%) 11:30現在
大栄環境<9336>はしっかり。26日の取引終了後、連結子会社の相生エコサービスが兵庫県相生市内に新たな廃棄物処理施設として相生地域エネルギーセンターを整備し、運営する事業に向けた公民連携実施協定を相生市と締結したと発表。これが材料視されているようだ。相生地域エネルギーセンターは焼却施設のほか、発電施設、破砕選別施設、貯留ヤードを設置する計画で、相生エコサービスは設計施工業務と運営、維持管理業務を担う。施設稼働開始は29年4月を目標としている。同事業では相生地域エネルギーセンターにおいて発電した電力を地域で有効活用することで、エネルギーの地産地消による自立・分散型社会及び脱炭素社会の形成を目指すという。
■北海道電力 <9509> 811.6円 +6.9 円 (+0.9%) 11:30現在
北海道電力<9509>が反発している。同社は26日取引終了後、「ほくでんグループ経営ビジョン2035」を策定したと発表。35年までに目指す経営目標として連結経常利益900億円以上を掲げており、これが評価されているようだ。泊発電所の全基再稼働に伴う収支改善のほか、北海道エリアの電力需要増加とカーボンニュートラル化進展といった環境変化を確実に捉えた小売販売電力量の増加や提供する商品・サービスの拡充、脱炭素エネルギーの供給基地化による事業機会の拡大などにより、利益を着実に向上させるとしている。
■アドバンテスト <6857> 7,243円 -538 円 (-6.9%) 11:30現在 東証プライム 下落率2位
アドバンテスト<6857>が急落。前日の米国株市場では半導体関連株への売りがかさむ展開で、特にAI用半導体大手のエヌビディア<NVDA>への投げが出て、同社株は下落率が5.7%に達した。エヌビディアが製造するGPU向けに先端半導体テスターを納入するアドテストにも売りが波及している。アドテストは前日こそ5日ぶりに反発したものの上げ幅はわずかにとどまり、5日連続で陰線を引いていた。きょうは改めて下値模索を強いられ、400円を超える下げでマドを開けての陰線形成となっている。
■トヨタ自動車 <7203> 2,794円 -93.5 円 (-3.2%) 11:30現在
トヨタ自動車<7203>がウリ気配スタートで4日ぶり反落。トランプ米大統領が26日、米国が輸入するすべての自動車に25%の関税を課すことを表明しており、日本もその対象国に含まれることで、米国への輸出比率の高い自動車メーカーにとっては強い逆風として意識されている。外国為替市場でも1ドル=150円台を上回る水準での推移とはいえ、足もと円高含みに推移しており、同社株をはじめ自動車セクターへの売り圧力は拭えない。ただ、米国で近々自動車関税が導入される方向にあったことは事前に株価に織り込まれていた。トヨタはPBR1倍近辺の株価水準にあり、下値では押し目買いが入りやすい面もある。空売り筋のショートカバーなども絡め、売り一巡後は底堅さを発揮する可能性もある。
■サイバーエージェント <4751> 1,250円 -41.5 円 (-3.2%) 11:30現在
サイバーエージェント<4751>が続落している。26日の取引終了後、ライフスタイルメディア事業などを手掛ける連結子会社のCyberOwlにおいて、不適切な会計処理が判明したと発表。これを嫌気した売りが出たようだ。外部の専門家を含む社内調査委員会を設置し、事案の解明などを進める。あわせてサイバーは、4月1日付で予定していた「Amebaブログ」などを含むAmebaLIFE事業と、一部アフィリエイト事業をCyberOwlに承継する吸収分割の方式による会社分割について、中止すると発表した。
■生化学工業 <4548> 778円 -22 円 (-2.8%) 11:30現在
生化学工業<4548>が反落している。26日の取引終了後、25年3月期の連結業績予想について、売上高を400億円から395億5000万円(前期比9.2%増)へ、営業利益を39億5000万円から18億円(同4.2倍)へ、純利益を34億5000万円から16億5000万円(同24.5%減)へ下方修正したことが嫌気されている。ロイヤルティーの減少に加えて、研究開発費の増加が業績を押し下げる。
■高周波熱錬 <5976> 1,005円 -13 円 (-1.3%) 11:30現在
高周波熱錬<5976>は安い。26日取引終了後、25年3月期連結業績予想について売上高を620億円から575億円(前期比0.5%増)へ、営業利益を20億円から15億円(同8.1%減)へ下方修正すると発表した。主要取引先の建設業界や建設機械業界、工作機械業界の市況が想定以上に低迷していることが要因。これが売り材料視されている。なお、純利益予想については16億円から20億円(同29.7%増)へ上方修正した。投資有価証券売却益を特別利益に計上するため。
■太洋テクノレックス <6663> 293円 +39 円 (+15.4%) 11:30現在
太洋テクノレックス<6663>が大幅高となっている。同社は26日取引終了後、横河電機<6841>子会社の横河商事と、自社が製造する外観検査装置及びFA・自動化などに関する販売店契約を締結したと発表。これが材料視されているようだ。横河商事は、全国各地に支店や支社、営業所などを持つ全国的な販売ネットワークを構える総合商社。太洋テクノは今回の契約により、更なる販売活動の強化を目指すとしている。
■ベイシス <4068> 1,705円 +205 円 (+13.7%) 11:30現在
ベイシス<4068>は急騰。26日の取引終了後、株主優待制度の導入を発表しており、好感されたようだ。6月末日と12月末日を基準日とし、200株以上を保有する株主が対象。それぞれの基準日において、保有期間1年未満の場合はデジタルギフトを5000円分、1年以上の場合は1万円分贈呈する。
■アサカ理研 <5724> 920円 +44 円 (+5.0%) 11:30現在
アサカ理研<5724>が動兆しきり。ここ金市況だけでなく、銅や銀市況も上昇基調を強めている。特に銅価格についてはトランプ米大統領が数週間以内に米国が輸入する銅に関税導入の構えを示しており、NY銅先物相場が史上最高値を更新するなど注目度が高まっている。アサカ理研は都市鉱山から独自技術を使って金やプラチナなど貴金属回収を手掛けるビジネスを展開するほか、環境事業では銅を主要販売商品とし、銅価格上昇による収益メリットも大きい。株価の値動きは荒いが、1000円未満の水準はPBRで1倍を下回り値ごろ感がある。2014年11月に8営業日連続のストップ高を交え、わずか13営業日で株価を約18倍化させるという驚異的な大相場を記録した実績があり、その仕手性にも注目度が高い。
■イオレ <2334> 641円 +100 円 (+18.5%) ストップ高買い気配 11:30現在
イオレ<2334>は物色人気を集めている。26日取引終了後、新たな事業として暗号資産金融事業、AIデータセンター事業を開始すると発表。これが材料視されている。暗号資産金融事業ではAIを用いた暗号資産運用モデルの開発とモデルを活用した暗号資産運用、暗号資産レンディング、暗号資産担保融資、ビットコイン・トレジャリー事業などへの参入を検討する。AIデータセンター事業ではGPUサーバーの販売を手掛ける企業と代理店契約を締結して営業活動を行う。将来的にGPUサーバーの仕入れ販売から保管・運用までを行うことを目指す。事業開始に向けた資金は新株式・新株予約権の発行で調達する。
■ピーバンドットコム <3559> 564円 +80 円 (+16.5%) ストップ高買い気配 11:30現在
ピーバンドットコム<3559>がカイ気配スタート。同社は26日の取引終了後、日本ガイシ<5333>が開発・製造する世界最薄クラスのリチウムイオン二次電池「EnerCera(エナセラ)」を搭載したセンサーデモ機の開発を開始したと発表。これを材料視した買いが入ったようだ。小型でかつ高容量・高出力のリチウムイオン二次電池と、PバンCOMのセンサーモジュレーションサービス「gene」を組み合わせ、薄型ウェアラブルデバイスや小型IoT機器の実証実験や開発の期間の短縮化につなげる。
●ストップ高銘柄
ピーバンドットコム <3559> 564円 +80 円 (+16.5%) ストップ高買い気配 11:30現在
など、2銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース