【市況】39000円処での押し目買い【クロージング】
日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
9日の日経平均は反発。69.33円高の39160.50円(出来高概算17億9000万株)で取引を終えた。前週末の米国市場でハイテク株の一角が買われた流れを受けて、半導体関連株など値がさ株中心に買い戻され、日経平均は39332.55円と反発して始まった。ただ、買いが一巡した後は、半導体などを中心に戻り待ちの売りや利益確定売りが強まり、前場中盤に向けては38972.78円まで水準を切り下げる場面もあった。節目の39000円を割り込むと、値ごろ買いなどから底堅さは意識されたが、上値の重い展開が続いた。
東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄数が1100に迫り、全体の7割近くを占めた。セクター別では、サービス、空運、その他製品など24業種が上昇。一方、鉱業、保険、機械など9業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、ソフトバンクG<9984>、リクルートHD<6098>、ソニーG<6758>が堅調だった半面、アドバンテス<6857>、東エレク<8035>、TDK<6762>が軟調だった。
前週末の米国市場は、NYダウ下落したが、11月の米雇用統計を受けて12月の利下げ観測が高まるなか、ハイテク株中心に買われ、ナスダック指数、SOX指数が上昇した。この流れから日経平均は上昇して始まったが、アドバンテスや東エレクが弱含みに転じたことで、センチメントを冷ます格好となった。ただし、日経平均は前場中盤に下げに転じたが、39000円を下回ると押し目買いが入る状況は続いており、売り仕掛けてくる動きも限られていた。
日経平均はレンジ内の動きにとどまっている。来週には日米の金融政策決定会合を控えているだけに、結果を見極めたいところであろう。また、米国の金融政策への影響が大きい消費者物価指数(CPI)の発表も予定されているため、積極的には手掛けづらいところであろう。週末にはオプション・先物特別清算指数算出(メジャーSQ)も控えているため、インデックスに絡んだ商いに振らされやすい面はありそうだ。ただ、日本株の中長期的な上昇トレンドが変わっていないとの見方が多いだけに、材料性のある中小型株での短期的な値幅取り狙いに向かわせやすいだろう。
《CS》
提供:フィスコ