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【市況】小型株シフトと非M7底値拾いで上昇堅持 (2) 【シルバーブラットの「S&P500」月例レポート】


 ○7月の主なデータ

  ⇒S&P500指数 は7月に7回最高値を更新しました(終値での最高値は5667.20、取引時間中の最高値は5669.67)。6月の最高値更新回数は7回、5月は2回となり(4月は下落して5000を割り込み、下値を試す場面もありました)、年初来では38回最高値を更新したことになります。7月はS&P500指数が乱高下しましたが、最終的には上昇して月を終えました(1.13%上昇)。6月は3.47%上昇、5月は4.80%の大幅上昇、4月は全面安の展開となり4.16%下落しました。7月は22営業日のうち14営業日で上昇しました(6月は19営業日のうち12営業日で上昇)。また、値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を6月以上に大きく上回りました(値上がり銘柄数が364銘柄となったのに対し、値下がり銘柄数は139銘柄。6月は値上がり銘柄数が201銘柄、値下がり銘柄数は301銘柄でした)。また、出来高は前月比10%減、前年同月比では4%減となりました。

   →7月は11セクターのうち9セクターが上昇しました。6月は5セクターが上昇、5月は10セクターが上昇しました。7月のパフォーマンスが最高となったのは不動産で、7.12%上昇しました(年初来では2.68%上昇。2021年末比では20.45%下落)。パフォーマンスが最低だったのはコミュニケーション・サービスで、4.16%下落しました(同20.85%上昇。同11.15%上昇)。

  ⇒S&P500指数は7月に1.13%上昇して、5522.30で月を終えました(配当込みのトータルリターンはプラス1.22%)。6月は3.47%上昇(同プラス3.59%)して5460.48、5月は4.80%上昇(同プラス4.96%)して5277.51で月を終えました。過去3ヵ月間では9.66%上昇(同プラス10.05%)、年初来では15.78%上昇(同プラス16.69%)、過去1年間では20.34%上昇(同プラス22.15%)となりました。2023年通年は24.23%上昇(同プラス26.29%)、2022年通年は19.44%下落(同マイナス18.11%)でした。

   →7月にS&P500指数は終値での過去最高値を7回更新しました。6月は7回、5月は2回(4月は0回、3月は8回、2月は8回、1月は6回)でした。年初来での最高値更新回数は38回となりました。2023年の最高値更新回数は0回、2022年は1回、2021年は70回でした(過去最高は1995年の77回)。

   →コロナ危機前の2020年2月19日の高値からは63.08%上昇(同プラス75.01%)となっています。

 ○米国10年国債利回りは6月末の4.39%から4.04%に低下して月を終えました(2023年末は3.88%、2022年末も3.88%、2021年末は1.51%、2020年末は0.92%、2019年末は1.92%、2018年末は2.69%、2017年末は2.41%)。30年国債利回りは6月末の4.55%から4.31%に低下して取引を終えました(同4.04%、同3.97%、同1.91%、同1.65%、同2.30%、同3.02%、同3.05%)。

 ○英ポンドは6月末の1ポンド=1.2643ドルから1.2859ドルに上昇し(同1.2742ドル、同1.2099ドル、同1.3525ドル、同1.3673ドル、同1.3253ドル、同1.2754ドル、同1.3498ドル)、ユーロは6月末の1ユーロ=1.0713ドルから1.0824ドルに上昇しました(同1.0838ドル、同1.0703ドル、同1.1379ドル、同1.2182ドル、同1.1172ドル、同1.1461ドル、同1.2000ドル)。円は6月末の1ドル=160.94円から150.00円に上昇し(同141.02円、同132.21円、同115.08円、同103.24円、同108.76円、同109.58円、同112.68円)、人民元は6月末の1ドル=7.2673元から7.2193元に上昇しました(同7.1132元、同6.9683元、同6.3599元、同6.6994元、同6.9633元、同6.8785元、同6.5030元)。

 ○7月末の原油価格は3.7%下落し、6月末の1バレル=81.51ドルから同78.49ドルとなりました(2023年末は同71.31ドル、2022年末は同80.45ドル)。米国のガソリン価格(EIAによる全等級)は7月に1.2%上昇しました(現在1ガロン=3.598ドル、6月末は3.557ドル、2023年末は同3.238ドル、2022年末は同3.203ドル、2021年末は同3.375ドル)。2020年末から原油価格は62.1%上昇し(2020年末は1バレル=48.42ドル)、ガソリン価格は54.4%上昇しました(2020年末は1ガロン=2.330ドル)。

  ⇒2024年6月時点のEIAの報告によると、ガソリン価格の内訳は、55%が原油、18%が販売・マーケティング費、15%が精製コスト、12%が税金となっています。

 ○金価格は6月末の1トロイオンス=2335.50ドルから上昇し、2492.20ドルで7月の取引を終えました(2023年末は2073.60ドル、2022年末は1829.80ドル、2021年末は1901.60ドル、2020年末は1520.00ドル、2019年末は1284.70ドル、2018年末は1305.00ドル)。

 ○VIX恐怖指数は6月末の12.44から16.36に上昇して7月を終えました。月中の最高は19.36、最低は10.62でした(2022年末は21.67、2021年末は17.22、2020年末は22.75、2019年末は13.78、2018年末は16.12)。

  ⇒同指数の2023年の最高は30.81、最低は11.81でした。

  ⇒同指数の2022年の最高は38.89、最低は16.34でした。

  ⇒同指数の2021年の最高は37.51、最低は14.10でした。

  ⇒同指数の2020年の最高は85.47、最低は11.75でした。

 ○目標株価は引き続き上昇しています。S&P500指数に対する市場関係者の1年後の目標株価は2023年11月から8ヵ月連続で上昇しており、現在値から10.8%上昇の6119となっています(6月末時点では9.4%上昇の5972、5月末時点では5890)。それ以前の目標値は、9ヵ月連続の低下から11ヵ月連続の上昇を経て、2023年11月まで2ヵ月連続で低下していました。ダウ平均の目標株価も3ヵ月連続の上昇から2ヵ月連続の低下を経て、7月は8ヵ月連続での上昇となり、現在値から8.0%上昇の4万4097ドルとなっています(6月末時点では10.3%上昇の4万3158ドル、5月末時点では4万2955ドル)。

●米国経済

 ○6月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は51.6となりました。速報値および事前予想は51.7でした。

 ○6月のISM製造業景気指数は48.5となりました。事前予想は49.1、5月は48.7でした。

 ○6月のサービス業PMIは55.3となりました。事前予想は55.1、5月は54.8でした。

 ○6月のISM非製造業景気指数は48.8となりました。事前予想は53.0、5月は53.8でした。

 ○7月のPMI速報値は、製造業が6月の51.6から49.5に低下しました(市場予想は51.6)。サービス業は6月の55.3から56.0に上昇しました(同55.0)。

 ○6月の個人所得は前月比0.2%増となりました。事前予想は同0.4%増でした。5月は当初発表の同0.5%増から同0.4%増に下方修正されました。個人消費は予想通りの前月比0.3%増となりました。5月は当初発表の同0.2%増から同0.4%増に上方修正されました。6月の個人消費支出(PCE)価格指数は、市場予想通りの前月比0.1%上昇となりました(5月は同横ばい)。前年同月比では2.5%上昇となり、5月の同2.6%上昇を下回りました。

 ○6月の消費者物価指数(CPI)は前月比0.1%低下し、4年ぶりの低下となりました。市場は同0.1%上昇を予想していました(5月は同横ばい)。前年同月比では3.0%上昇となり、5月の同3.3%上昇から伸びが鈍化しました。食品とエネルギーを除いたコアCPIは、前月比0.1%上昇(5月は同0.2%上昇)、前年前月比では3.3%上昇となり、5月の同3.4%上昇から伸び率が低下しました。

 ○6月の生産者物価指数(PPI)は、市場予想の前月比0.1%上昇に対し、同0.2%上昇となりました。5月は当初発表の同0.2%低下から同横ばいに上方修正されました。前年同月比では2.6%上昇となり、5月の同2.4%上昇(当初発表の同2.3%上昇から上方修正)を上回る伸びとなりました。コアPPIは前月比0.4%上昇(市場予想は同0.2%上昇)、前年同月比では3.0%上昇(市場予想および5月は同2.3%上昇)となりました。

 ○2024年第2四半期のGDP成長率速報値は、市場予想の前期比年率2.0%に対し、同2.8%となり、第1四半期の同1.4%から加速しました。

  ⇒第2四半期の個人消費支出(PCE)は、市場予想の前期比年率1.9%増に対して同2.3%増となりました(第1四半期は同1.4%増)。

 ○5月の建設支出は市場が前月比0.3%増を見込んでいたのに対し、同0.1%減となりました。4月は当初発表の同0.1%減から同0.3%増に上方修正されました。前年同月比では6.4%増となり、4月の同7.6%増から伸びが鈍化しました。

 ○6月の小売売上高は前月比横ばいとなりました。事前予想は同0.3%減でした(5月同0.1%増)。自動車を除く小売売上高は、事前予想の同0.1%増に対して同0.4%増となりました(5月は同0.1%減)。

 ○5月の製造業受注は市場予想の前月比0.2%減に対して同0.5%減となりました。4月は当初発表の同0.7%増から同0.4%増に下方修正されました。

 ○6月の耐久財受注は市場予想の前月比0.3%増に対して同6.6%減となりました(5月は同0.1%増)。

 ○5月の卸売在庫は予想通り前月比0.6%増となりました。4月は当初発表の同0.1%増から同0.2%増に上方修正されました。

  ⇒6月の卸売在庫(速報値)は予想通りの前月比0.2%増となりました。

 ○5月の企業在庫は市場予想の前月比0.4%増に対して同0.5%増となりました。4月は当初発表の同0.3%増から同0.4%増に上方修正されました。

 ○6月の小売り在庫(速報値)は前月比0.7%増となりました。5月は当初発表の同0.7%増から同0.6%増に下方修正されました。

 ○6月の鉱工業生産指数は市場予想の前月比0.3%上昇に対し、同0.6%上昇となりました(5月は同0.9%上昇)。

  ⇒設備稼働率は78.8%に上昇しました。5月は当初発表の78.7%から78.5%に下方修正されました。

 ○5月の貿易収支の赤字額は751億ドルとなりました。4月は745億ドルでした。

 ○6月の輸入物価指数は事前予想が前月比0.1%低下であったのに対し、同横ばいとなりました。5月は当初発表の同0.4%低下から同0.2%低下に上方修正されました。前年同月比では1.6%上昇となりました(5月は同1.4%上昇)。輸出物価指数は市場予想が前月比0.1%低下であったのに対し、同0.5%低下しました。5月は当初発表の同0.6%低下から同0.7%低下に下方修正されました。前年同月比では0.7%上昇となりました(5月は同0.5%上昇)。

 ○6月の財の貿易収支は968億ドルの赤字となりました。輸入は前月比0.7%減(5月も同0.7%減)、輸出は同2.5%増でした。5月の輸出は当初発表の同2.7%減から同1.8%減に上方修正されました。

 ○7月のミシガン大学消費者信頼感指数の速報値は66.0に低下しました。市場予想は6月の68.2を上回る68.5でした。1年先のインフレ期待は2.9%となり、5月の3.0%から低下しました。

  ⇒7月のミシガン大学消費者信頼感指数の確報値は66.4となり、速報値の66.0を上回りました。1年先のインフレ期待は速報値から変わらず2.9%となりました。

 ○6月の景気先行指数は、市場予想が前月比0.3%低下だったのに対し、同0.2%の低下となりました。5月は当初発表の同0.5%低下から同0.4%低下に上方修正されました。

 ○民間調査機関コンファレンスボードが発表した7月の消費者信頼感指数は市場予想の99.5に対して100.3となりました。6月は当初発表の100.4から97.8に下方修正されました。

※「小型株シフトと非M7底値拾いで上昇堅持 (3)」へ続く

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