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【市況】来週の相場で注目すべき3つのポイント:毎月勤労統計、米ISM非製造業景況指数、日銀7月会合における主な意見

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

■株式相場見通し

予想レンジ:上限36000円-下限34000円


7月の日経平均(終値ベース)は前月末比1.22%安となったが、終値ベースでの上下の値幅は4556円とコロナショックが発生した2020年3月の4792円以来の値幅。日経平均は今年初めて200日移動平均線を割り込んだほか、25日移動平均線との下方乖離率は9.85%と売られ過ぎ感は強いが、日経平均VIが29ポイント台まで急騰するなど投資家心理は急激に悪化。1日と2日のプライム市場の売買代金は6兆円を超えたことから、セリングクライマックスと考えることもできるが、「落ちるナイフ」に手が出せず、反発のきっかけが欲しいところだ。為替市場での円全面高一服や、米国景気悪化懸念の後退、フィラデルフィア半導体株価指数(SOX指数)の下げ止まりなどを確認する必要があろう。


ただ、2日の米国株式市場は大幅続落。ダウ平均は前日比610.71ドル安(-1.51%)の39737.26ドル、ナスダックは417.98ポイント安(-2.43%)の16776.16、S&P500は100.12ポイント安(-1.84%)の5346.56で取引を終了した。大証ナイト・セッションの日経225先物は、通常取引終値比1120円安の34800円で取引を終えたことから、週初の東京市場はもう一段安となる公算が大きい。マーケットがいったん壊れたことから8月いっぱいは落ち着きを試す展開となりそうだ。まずは200日移動平均線が位置する36860円水準を回復しておきたいところだ。


7月の米雇用統計が市場予想を大きく下振れたことから、為替市場では1ドル=146円台まで円高ドル安が加速した。ドル・インデックスが103ポイント水準を割り込むなどドル売り圧力も強まっている。足元の円高加速は、投機筋による円売りポジションの巻き戻しが原因と見られ、円全面高の地合いとなったが、米雇用統計発表以降、ドル売りも加わった様子。


企業の想定レートは、ドルが140円から145円、ユーロは150円から155円と現在の為替水準よりもまだ円高ではあるが、一気に円高が進行していることから、円安効果による業績上振れ期待は大きく後退。足元の急激な円高進行を受けて、市場は企業業績への影響を見極め切れていないため、ろうばい売りが膨らんでいる。ニトリホールディングス<9843>やニッスイ<1332>など円高メリット銘柄の一角も売られていたことから、市場の混乱度合が垣間見える。為替変動の落着きが進んだ場合、根こそぎ売られた好業績銘柄や、食品、小売など円高メリット銘柄から値を戻すと想定する。


■為替市場見通し


来週のドル・円は下げ渋りか。米連邦準備制度理事会(FRB)は連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の据え置きを決定し、次回9月の利下げを示唆。一方、日本銀行の植田総裁は一段の利上げに意欲を示しており、年内の追加利上げに思惑が広がれば、日本株安を嫌気したリスク回避の円買いは続く可能性があろう。ただ、米国経済は減速しているものの、景気後退入りは回避されるとの見方が多いため、日米の株安が一服した場合、ドルの割安感は次第に強まり、ドルの下落ペースは緩慢になるとみられる。来週発表される7月ISM非製造業景況指数など主要経済指標が市場予想と一致、または上回った場合、それらを手がかりとしたドルの買戻しが見込まれる。


■来週の注目スケジュール

8月5日(月):日銀政策委員会・金融政策決定会合議事要旨(6月13・14日分)、中・財新サービス業/総合PMI(7月)、欧・ユーロ圏サービス業/総合PMI(7月)、米・ISM非製造業景況指数(7月)、米・サンフランシスコ連銀総裁が討論会に参加など

8月6日(火):毎月勤労統計(6月)、豪・オーストラリア準備銀行(中央銀行)が政策金利発表、欧・ユーロ圏小売売上高(6月)、米・貿易収支(6月)など

8月7日(水):外国為替平衡操作の実施状況(4-6月)、景気先行CI指数(6月)、ソフトバンクG/ニトリHD決算、中・貿易収支(7月)など

8月8日(木):日銀金融政策決定会合における主な意見(7月30・31日分)、国際収支(経常収支)(6月)、景気ウォッチャー調査(7月)、リクルートHD/東京エレクトロン決算、印・インド準備銀行(中央銀行)が政策金利発表、米・新規失業保険申請件数(先週)、メキシコ・中央銀行が政策金利発表など

8月9日(金):SMC決算、中・消費者物価指数(7月)、中・生産者物価指数(7月)、独・CPI(7月)など

《CN》

 提供:フィスコ

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