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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「8月の調整は銘柄探しも」

株式評論家 富田隆弥

8月の調整は銘柄探しも

日経平均株価は7月26日安値の3万7611円でようやく下げ止まり、31日高値の3万9188円まで戻したが、翌8月1日は一時1363円下落(終値は975円安)し、リバウンド機運は瞬く間に霧消。さらに同日のナイトセッションでは日経225先物が1500円超も急落する場面があった。

◆荒い展開となっている東京市場だが、チャート的にはセオリーに沿った展開でもある。7月11日の史上最高値4万2426円からの急落により、上昇基調には亀裂が入った。その後の反発は「アヤ戻し」であり、割り込んだ節目(75日移動平均線や13週線、26週線)の3万9000円近辺が上値の壁になりやすく、そこで頭を叩かれている。

◆つまり、7月26日安値の3万7611円ではまだ底打ちを確認していないということ。好転には少なくとも上に控える25日線(8月1日時点3万9972円)の突破が必要で、逆に3万7611円を割り込んで「二段下げ」に向かうリスクも否定できない状況にある。

◆荒い展開の背景には、①為替(円高の進行)、②米国株(ナスダックの下落)、③決算(トヨタ自動車 <7203> [東証P]の通期予想据え置き等)、④地政学リスクの高まり(中東情勢)、⑤夏休み(バカンス)などがある。これら懸念材料が重なるなか、7月31日の日銀金融政策決定会合と米FOMC(連邦公開市場委員会)を機に、マーケットは為替を含めて乱高下した。ボラティリティ(変動率)の高まりで日本株は上にも下にも大きく動きやすい地合いにあるが、日米金融当局の重要イベントを通過したことで、株式市場も次第に落ち着きを取り戻していくことだろう。

◆日経平均株価の下値メドは52週線(8月1日時点3万5994円)、一目均衡表「雲」上限(週足・同3万4394円)などだが、日柄面では15日の「お盆」が一つのメドになる。11日にパリ五輪が閉幕し、株式市場も投資家も区切りを付けやすくなる。いま厳しい状況にある日本株だが、そろそろ妙味株探しに着手し、反騰相場に備えるのも一策だろう。

(8月1日夜 記、次回更新は8月10日10時を予定)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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