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【市況】米国株式市場見通し:景気減速懸念で景気敏感株下落、経済指標を見極める地合い


 

来週の米国株は、急速に強まった景気減速懸念が影響し調整局面を強めそうな状況だ。年前半の相場の主役だったエヌビディアは週間で5%超下落し、史上最高値をつけた6月18日の135.58ドルからの下落率は20%超と既に下落相場入りしたとの見方。また、同業であるインテルの2日の下落率は1971年の上場以降、2番目と歴史的な下げとなった。ハイテク株の下落に、景気減速懸念によって資本財、金融機関の景気敏感株も下落していることで、米国株はやや厳しい局面を迎えている。


金融市場の不安感を移すVIX指数は一時29.66と2023年3月以来の水準まで上昇した。一般的に20を超えると市場では先行き警戒感が強まりリスクオフの相場展開入りすると見られていることで、投資家の心理状態は悪化傾向にあるのは間違いない。急速に強まった景気減速懸念を後退させるためには、経済指標の見極めが必要だ。来週発表される7月サービス業購買担当者景気指数(PMI、改定値)やISM非製造業景気指数、週次新規失業保険申請件数などに注目。とりわけ、景気減速懸念が強まるきっかけとなった週次新規失業保険申請件数への関心は非常に高い。内容次第では8日頃、景気減速懸念は一気に沈静化する可能性もあろう。


週末に歴史的な下げを見せた日本市場と比べると、主要三指数は史上最高値圏からの調整入りを示したレベルに留まっているとの見方はできる。確かにVIX指数も上昇したが、コロナショック時の80水準と比べると反応は限定的との見方もできよう。VIX指数が20を下回るには、対象指数であるS&P500の落着きが必要となるが、数日乱高下がなければ、節目の20を割り込むと想定する。まずは経済指標を見極めるなど相場の落着きを探る局面か。


経済指標では、5日に7月サービス業/総合PMI(改定値)、ISM非製造業景気指数、6日に6月貿易収支、7日に週次原油在庫、8日に週次新規失業保険申請件数、6月卸売在庫などが予定されている。


主要企業決算は、5日にコスモス・エナジー、シーエスエックス、6日にキャタピラー、トリップアドバイザー、ウーバー、エアビー アンド ビー、アムジェン、ゴープロ、イルミナ、7日にウォルト・ディズニー、ワーナーミュージック、ラルフローレン、ユニバーサル、ビヨンド・ミート、8日にイーライ・リリー、エクスペディア、イーストマン・コダックなどが予定されている。

《FA》

 提供:フィスコ

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