【市況】27日の米国市場ダイジェスト:NYダウは36ドル高、PCE待ち
NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより
■NY株式:NYダウは36ドル高、PCE待ち
米国株式市場は小幅続伸。ダウ平均は36.26ドル高の39,164.06、ナスダック指数は53.53ポイント高の17,858.68で取引を終了した。
寄り付きは下落。マイクロンやウォルグリーン・ブーツ・アライアンスなど、冴えない企業決算が投資家心理を冷やした。FRBが重視する5月PCE価格指数の発表を控え様子見姿勢が続いているが、マイクロンの見通しが物足りなかったことで人工知能(AI)ブームの持続力に懐疑的な見方が生じ、エヌビディアなど半導体銘柄が売られた。一方、前日に時価総額が2兆ドルに達したアマゾン・ドット・コムやアップルなど大手ハイテク株には買いが続き、相場を支えた。セクター別では小売り、不動産などが上昇。半導体・同製造装置の下げが目立ったほか、各種金融、食・生活必需品小売などが下落した。
前日引け後に四半期決算を発表した半導体のマイクロン・テクノロジー(MU)は、6-8月の売上高見通しが市場予想に届かず下落。衣料品メーカーのリーバイ・ストラウス(LEVI)は増収となったが市場予想は下回り急落した。ドラッグストアチェーンのウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(WBA)が大幅安。小売り環境の悪化を理由に通期の利益見通しを下方修正し、大規模な店舗閉鎖計画も発表した。金融のゴールドマン・サックス(GS)はFRBによるストレステストの結果を受けて下落。他社よりも普通株等ティア1(CET1)比率が低い水準に低下するとされた。
ペット用品を手掛けるチューイー(CHWY)と同業のペトコ・ヘルス・アンド・ウェルネス(WOOF)が一時急伸。「ロアリング・キティ」として知られる投資家キース・ギル氏がXに犬のイラスト画像を投稿したことに反応した。ギル氏は21年にゲームストップ株の急騰を引き起こし、ミーム株ブームの仕掛人とされる。
スポーツ用品メーカーのナイキ(NKE)が時間外取引で売られている。取引終了後に発表した決算で、年間売上高がパンデミックを除き過去14年間で最も低調な伸びとなり、また2025年の業績見通しを下方修正する可能性を警告した。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:米指標悪化でドル売りも下げ渋り反発、160円台を維持
27日のニューヨーク外為市場でドル・円は、160円29銭へ下落後、160円82銭まで上昇し、160円77銭で引けた。米国の経済指標発表で、週次の失業保険継続受給者数の一段の増加や、5月耐久財受注速報値でのコア資本財受注の落ち込みが懸念されたといわれ、金利低下にともないドル売りが先行。しかし、押し目買いによるものか下げ渋った後は、ドル買いが次第に盛り返す展開になった。
ユーロ・ドルは1.0693ドルから1.0726ドルまで上昇し、1.0704ドルで引けた。ユーロ・円は171円63銭から172円17銭まで上昇した。
ポンド・ドルは1.2671ドルへ上昇後、1.2638ドルまで下落。ドル・スイスフランは0.8957フランへ下落後、0.8988フランまで上昇した。
■NY原油:強含みで81.74ドル、一時82ドル台に上昇
NY原油先物8月限は強含み(NYMEX原油8月限終値:81.74 ↑0.84)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物8月限は、前営業日比+0.84ドルの81.74ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは80.51ドル-82.04ドル。アジア市場で80.51ドルまで売られたが、自律反発を狙った買いが入ったことで米国市場の前半にかけて82.04ドルまで上昇。中東情勢の悪化が引き続き警戒されており、強い動きを見せた。通常取引終了後の時間外取引では主に81ドル台後半で推移した。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 39.25ドル +0.25ドル(+0.64%)
モルガン・スタンレー(MS) 95.77ドル -1.12ドル(-1.15%)
ゴールドマン・サックス(GS)445.96ドル -9.90ドル(-2.17%)
インテル(INTC) 30.59ドル +0.05ドル(+0.16%)
アップル(AAPL) 214.10ドル +0.85ドル(+0.39%)
アルファベット(GOOG) 186.86ドル +1.49ドル(+0.80%)
メタ(META) 519.56ドル +6.44ドル(+1.25%)
キャタピラー(CAT) 327.46ドル +0.73ドル(+0.22%)
アルコア(AA) 38.82ドル -0.61ドル(-1.54%)
ウォルマート(WMT) 67.88ドル -0.41ドル(-0.60%)
《ST》
提供:フィスコ