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【特集】OPECプラスの生産調整に奏功の兆し、米石油在庫はタイト化を示唆 <コモディティ特集>

minkabu PRESS CXアナリスト 谷口 英司

●世界的な石油在庫の引き締まりが始まっている

 先週、米エネルギー情報局(EIA)が発表した週報で、戦略石油備蓄(SPR)を除く原油と石油製品在庫の合計は、12億2706万3000バレルまで減少し、2022年12月以来の低水準となった。ただ、例年この時期の需要は弱いのだが足元では底堅く、石油製品需要は2週連続で節目の日量2000万バレルを上回った。最近はパレスチナ情勢など中東の不透明感が目を引き、EIA週報に対する関心は限定的だが、米国の需給バランスはおそらくタイト化しつつある。

 エネルギー市場情報会社ボルテクサによると、昨年6月以降の原油の海洋備蓄は減少傾向にあり、足元では8611万1000バレルで推移している。22年以来の低水準まで減少した後に足元ではやや上振れしているものの、石油輸出国機構(OPEC)プラスの生産調整が原油在庫を圧縮しているのではないか。

 OPECが発表した月報で、経済協力開発機構(OECD)加盟国の商業在庫は昨年を通じてほぼ横ばいである。ただ、直近の数値である昨年12月の商業在庫は前月比2260万バレル減の27億6700万バレルとなり、取り崩しがやや鮮明となってきた印象である。上述したような速報性の強いEIA週報や、ボルテクサ発表の海洋備蓄の推移も考慮すると、米国だけでなく、世界的な石油在庫の引き締まりが始まっている可能性がある。

●OECDの商業在庫の先行指標である米石油在庫に注目

 OECDにインドや中国は加盟しておらず、OECDの商業在庫が世界的な在庫の指標であるとは言えないものの、原油相場はOECDの商業在庫と連動する傾向にあり、この動向について市場参加者の関心は強い。年初からOPECプラスは追加の減産を開始しており、この効果が現れつつあるならば、EIA週報では石油在庫の取り崩しが続くと発表されるだろう。

 イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザ南部のラファに地上侵攻しようとしており、逃げ場のない100万以上の民間人の生命が脅かされるリスクがあるなか、市場参加者が需給に関心を向けて相場が変動するとは思えないとはいえ、OECD商業在庫の先行指標である米石油在庫には目を向けておくべきである。

(minkabu PRESS CXアナリスト 谷口 英司)

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