【特集】粧美堂 Research Memo(9):一層のメーカー的ビジネスへの転換を目指す
粧美堂 <日足> 「株探」多機能チャートより
■成長戦略
1. 一層のメーカー的ビジネスへの転換を目指す
粧美堂<7819>は問屋的ビジネスからメーカー的ビジネスへ転換して収益力向上を図るため、2019年9月期より経営基盤の改革に取り組んでいる。2019年9月期~2021年9月期は創業的再出発による改革期と位置付け、各小売業態のトップ企業との深いパイプを活かした「モノづくりのパートナー」として成長するため、重点施策として固定費の圧縮によって損益分岐点の引き下げを図るとともに、販売先と商品の「選択と集中」戦略、並びに美と健康の「ニッチ分野シェアNO.1メーカーの集合体」戦略を推進した。固定費の圧縮による損益分岐点の引き下げについては、2019年9月期~2021年9月期の3年間で2018年9月期比9億円圧縮(社内管理用数値)し、企業体質を大幅に強化した。
販売先と商品の「選択と集中」戦略では、販売先数を2018年9月期の605社から2021年9月期の220社に絞り込み、商品企画数も2018年9月期の1,481から2021年9月期の700に絞り込んだ。そして売上高の推移を2019年9月期と2023年9月期の比較(2020年9月期はコロナ禍の影響で一時的に減少)で見ると、重点販売先20社向け売上高(ビューティードア除く国内のみ)は87億円から141億円へ拡大し、売上高構成比は53%から73%まで上昇した。また、中小小売店を中心とする販売先数の絞り込みや自社EC通販の拡大による営業効率化の効果に加えて、自社企画商品の拡販(自社企画商品比率は2018年9月期72.6%から2023年9月期83.4%に上昇)効果も寄与して、社員1人当たりの営業利益は885千円から3,579千円へと飛躍的に増加した。さらに、重点販売先向けOEMビジネスの拡大によって在庫処分リスクも低減している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
《SI》
提供:フィスコ