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【市況】株価指数先物【寄り前】 3万2750円~3万3000円のレンジが意識されやすい


大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 32880 +300 (+0.92%)
TOPIX先物 2354.0 +17.0 (+0.72%)
シカゴ日経平均先物 32885 +305
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 10日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が上昇。米アトランタ連銀のボスティック総裁が、インフレ目標の達成にはまだ時間が必要との見解を示したことで伸び悩む場面も見られたが、米利上げ観測が後退するなか、エヌビディア<NVDA>やマイクロソフト<MSFT>、マイクロンテクノロジー<MU>、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ<AMD>などハイテク株を中心に買われた。S&P500業種別指数はすべてのセクターが上昇し、半導体・同製造装置、ソフトウエア・サービス、自動車・同部品、テクノロジー・ハード機器、メディアの上げが目立った。

 シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比305円高の3万2885円だった。日経225先物(12月限)は日中比30円高の3万2610円で始まり、その後は軟化し、3万2420円まで売られる場面が見られた。売り一巡後は3万2490円~3万2640円処で保ち合いを継続。米国市場の取引開始後にレンジを上放れると、終盤にかけてリバウンド基調が強まった。一時3万2930円まで買われ、3万2880円でナイトセッションの取引を終えた。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、買い優勢で始まることになりそうだ。米国市場のハイテク主導での上昇に加え、週末の取引終了後に通期見通しの上方修正を発表した東京エレクトロン <8035> [東証P]がADR(米国預託証券)で3%ほど上昇しており、指数インパクトの大きい値がさ株の支援材料になりうそうだ。

 日経225先物は一時3万2930円まで買われ、オプション権利行使価格の3万2875円水準で終えており、先週の高値水準を支持線とした権利行使価格の3万2750円~3万3000円のレンジが意識されやすいだろう。

 また、ボリンジャーバンドの+1σと+2σによるレンジでの推移を継続しており、+2σは3万3060円辺りまで上昇している。このため、節目の3万3000円を回復する局面でも過熱感は強まりづらく、目先的な達成感からのショートは避けておきたい。

 今週は10月の米消費者物価指数(CPI)、米小売売上高、米生産者物価指数(PPI)などの発表が予定されており、これらの結果を受けた米長期金利の動向に振られやすい。積極的なロングは限られそうだが、FRBによる利上げ観測が後退するなか、押し目待ち狙いのロング対応に向かわせよう。

 また、VIX指数は14.17(前日は15.29)に低下しており、方向性としては9月15日に付けた12.68を意識した低下基調を継続している。リスク選好に傾きやすく、ショートカバーを誘い込みやすい。

 なお、先週末のNT倍率は先物中心限月で13.94倍だった。9日には14.02倍まで上昇しており、10月18日の戻り高値(14.01倍)を突破した。上値抵抗として意識されている200日移動平均線(14.04倍)に接近するなか、週末にはリバランスが入った格好である。米著名投資家ウォーレン・バフェット氏によるバリュー株投資への思惑からNTショートが意識されるものの、ハイテク主導の物色が見込まれるなか、NTロングによるスプレッド狙いの動きが優勢になりそうだ。

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