【市況】10日の米国市場ダイジェスト:NYダウは391ドル高、金利先高観後退でハイテクがけん引
NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより
■NY株式:NYダウは391ドル高、金利先高観後退でハイテクがけん引
米国株式市場は反発。ダウ平均は391.16ドル高の34,283.10ドル、ナスダックは276.66ポイント高の13,798.11で取引を終了した。
長期金利の低下で買いが先行し、寄り付き後、上昇。その後、アトランタ連銀のボスティック総裁やサンフランシスコ連銀のデイリー総裁がインフレ対処でまだやるべきことがあると追加利上げの可能性も除外せず、さらに、ミシガン大消費者信頼感指数の期待インフレ率が予想外に上昇したため一時伸び悩んだ。しかし、市場の利上げ終了観測が根強く、終盤にかけて金利が再び低下したことに連れ、上げ幅を拡大。金利先高観の後退でハイテクが買われ相場を一段と押し上げ終了した。セクター別では、半導体・同製造装置の上昇が目立った。
銀行のJPモルガン(JPM)やシティ・グループ(C)は利上げ終了観測に買われた。ソフトウエア会社のマイクロソフト(MSFT)や半導体のエヌビディア(NVDA)なども金利先高観の後退で、それぞれ大幅高。石油・天然ガス生産会社のエクソン(XOM)や再生可能燃料会社のシェブロン(CVX)は原油高に連れ、買われた。一方、グリーン水素会社のプラグパワー(PLUG)は四半期決算で損失が予想以上に拡大したほか、破綻リスクを警告し、大幅安。
共同購入クーポンサイト運営会社のグルーポン(GRPN)も第3四半期の売上減、共同創立者が取締役会から辞任を発表し、大きく売られた。広告技術会社のザ・トレードデスク(TTD)は自動車メーカーやハリウッド労組のストが響き弱い見通しが嫌気され、大幅安。
投資家の恐怖心理を示すVIX指数は14.19まで低下し、ほぼ2カ月ぶり低水準となった。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:ドルはもみ合い、米期待インフレ率上昇も利上げ終了観測は後退せず
10日のニューヨーク外為市場でドル・円は151円32銭へ弱含んだのち、151円60銭まで上昇し、151円51銭で引けた。米11月ミシガン大消費者信頼感指数速報値が予想外に低下し5月来で最低となったが、米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ期待指数として注視している同指数の5-10年期待インフレ率速報値が予想外に上昇し、2011年以降12年ぶり高水準に達した。また、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁やボスティック米アトランタ連銀総裁がインフレが目標値に達する確信はまだなく追加利上げの可能性も除外しなかったため利上げ終了観測が後退し金利が上昇に転じ、ドル買いが強まった。
ユーロ・ドルは1.0693ドルへ上昇後、1.0663ドルへ反落し1.0686ドルで引けた。ユーロ・円は161円58銭へ弱含んだのち、161円95銭まで上昇。ポンド・ドルは1.2187ドルへ下落後、1.2232ドルまで上昇した。ドル・スイスは0.9014フランから0.9038フランまで上昇した。
■NY原油:続伸、株高を意識した買いが入る
NYMEX原油12月限終値:77.17 ↑1.43
10日のNY原油先物12月限は続伸。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物12月限は、前営業日比+1.43ドル(+1.89%)の77.17ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは75.31ドル-77.73ドル。アジア市場で75.31ドルまで売られたが、前日に続いて自律反発を狙った買いが入ったことで反転し、じり高となった。米国市場の後半にかけて株高を意識して77.73ドルまで買われた。通常取引終了後の時間外取引でも主に77ドル台で推移。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 27.68ドル +0.15ドル(+0.54%)
モルガン・スタンレー(MS) 75.33ドル +1.14ドル(+1.53%)
ゴールドマン・サックス(GS)325.51ドル +4.73ドル(+1.47%)
インテル(INTC) 38.86ドル +1.06ドル(+2.80%)
アップル(AAPL) 186.40ドル +3.99ドル(+2.18%)
アルファベット(GOOG) 134.06ドル +2.37ドル(+1.79%)
メタ(META) 328.77ドル +8.22ドル(+2.56%)
キャタピラー(CAT) 239.68ドル +5.53ドル(+2.36%)
アルコア(AA) 24.64ドル +0.06ドル(+0.24%)
ウォルマート(WMT) 166.19ドル +2.27ドル(+1.38%)
《ST》
提供:フィスコ