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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):スクロール、近鉄百、レーザーテク

スクロール <日足> 「株探」多機能チャートより
■スクロール <8005>  1,068円  +73 円 (+7.3%)  本日終値  東証プライム 上昇率2位
 スクロール<8005>が急動意、7.3%高の1068円に買われた。前週4日に945円まで売られる場面があったが、その後のリバウンドも鮮烈で、きょうはマドを開けての大陽線を示現し一気に9月15日につけた年初来高値を上回った。M&Aなどを駆使してコストのかかるカタログ通販からネット通販に重心を移し、物流代行事業などへの展開も図っている。24年3月期は売上高、利益ともに横ばい見通しながら時価予想PERは8倍台と割安で、配当利回りも4.6%前後と高い。10日取引終了後、物流サポート事業を展開するサンワネッツ(静岡県袋井市)の株式を取得し子会社化することを発表、得意のM&A戦略による業容拡大効果に期待した買いを呼び込む形となっている。

■近鉄百貨店 <8244>  2,969円  +202 円 (+7.3%)  本日終値
 近鉄百貨店<8244>が3連騰。10日の取引終了後、24年2月期連結業績予想について、売上高を1127億円から1131億円(前期比4.9%増)へ、営業利益を43億円から45億円(同2.9倍)へ、純利益を26億円から29億円(同53.1%増)へ上方修正したことが好感された。上期において、子会社シュテルン近鉄における輸入自動車の販売や、近創において大口工事が好調に推移したことに加えて、単体でも水道光熱費や改装工事費用が想定を下回っていることが寄与する。同時に発表した第2四半期累計(3~8月)決算は、売上高559億8100万円(前年同期比9.0%増)、営業利益15億500万円(前年同期1億2700万円の赤字)、純利益11億8200万円(前年同期比2.8倍)だった。百貨店の外商売り上げが高額品を中心に伸長し、4期ぶりの上期営業黒字転換を牽引した。

■レーザーテック <6920>  25,630円  +1,525 円 (+6.3%)  本日終値  東証プライム 上昇率4位
 レーザーテック<6920>が大幅高で4連騰、1000円を超える上昇で2万5000円台に乗せた。また、東京エレクトロン<8035>、アドバンテスト<6857>、SCREENホールディングス<7735>など半導体製造装置の主力銘柄が軒並み値を上げた。前日の米国株市場では画像処理半導体のエヌビディア<NVDA>や半導体世界最大手のインテル<INTC>などをはじめ半導体セクターが買い優勢となり、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は25日移動平均線を上回り底入れ波動を鮮明とした。これを受けて、東京市場でも同関連株に資金が誘導されている。半導体市況の低迷が続くなかも、ここにきてDRAMスポット価格が上昇に転じるなど、底入れの兆しをみせている。これが日米ともに関連株への買い戻しを誘発している。

■リソー教育 <4714>  263円  +12 円 (+4.8%)  本日終値  東証プライム 上昇率6位
 リソー教育<4714>が大幅高で4日続伸。10日の取引終了後に発表した第2四半期累計(3~8月)連結決算が、売上高159億4000万円(前年同期比3.2%増)、営業利益10億3200万円(同2.5%増)、純利益8億300万円(同26.3%増)と増収増益となったことが好感された。新校開校やリニューアル効果で学習塾事業が堅調に推移したほか、学校内個別指導事業や人格情操合宿教育事業が前期を上回った。また、戦略的な費用の見直し効果も寄与した。なお、24年2月期通期業績予想は、売上高340億円(前期比8.0%増)、営業利益30億円(同24.9%増)、純利益20億6000万円(同38.0%増)の従来見通しを据え置いている。

■インフォマート <2492>  381円  +13 円 (+3.5%)  本日終値
 インフォマート<2492>が反発。午前11時ごろ、同社と串カツ田中ホールディングス<3547>との合弁会社であるRestartzが提供する「V-Manage」の利用企業数が、23年8月末に100社を突破したと発表しており、好材料視された。「V-Manage」は、飲食店の開店から閉店までに行う業務工程を可視化することで、オペレーションの効率化を推進するサービス。飲食店における深刻な人手不足解消の一助となるサービスとしても注目され、複数店舗を運営する大手企業やFC(フランチャイズ)店舗での利用が拡大しており、サービス提供開始から約10カ月で利用企業数100社・店舗数500店舗を超えたとしている。

■トヨタ自動車 <7203>  2,651円  +26.5 円 (+1.0%)  本日終値
 トヨタ自動車<7203>、ホンダ<7267>など自動車株が頑強な値動きをみせた。ここ地政学リスクを背景とした米国債への資金シフトの流れが強まり、米長期金利が低下傾向となっている。日米金利差縮小を背景に外国為替市場では足もとで円が買い戻される動きで、1ドル=148円台半ばの推移となっている。輸出株の中でも特に為替感応度の高い自動車セクターには向かい風が意識されやすい。一方、直近発表された国内大手3社の9月の中国での新車販売台数では、トヨタとホンダがいずれも4カ月ぶりに増加したことが明らかとなり、これは株価面でポジティブ材料となった。

■マルゼン <5982>  2,180円  +12 円 (+0.6%)  本日終値
 マルゼン<5982>が4日続伸。10日の取引終了後、24年2月期の連結業績予想について、売上高を550億円から580億8300万円(前期比1.0%増)へ、営業利益を36億円から38億5100万円(同7.6%増)へ、純利益を28億2000万円から29億4800万円(同4.7%増)へ上方修正したことが好感された。上期において業務用厨房部門、大型製パン機械部門の製品販売が堅調に推移したことが牽引した。また、業務用厨房部門で1月に行った値上げの効果が月を追うごとに浸透していることもプラスに働く。同時に発表した第2四半期累計(3~8月)決算は、売上高307億8300万円(前年同期比9.8%増)、営業利益24億5100万円(同12.2%増)、純利益18億4800万円(同8.6%増)と従来予想の営業利益22億円を上回って着地した。

■Jフロント <3086>  1,541円  +7.5 円 (+0.5%)  本日終値
 J.フロント リテイリング<3086>は4連騰。10日の取引終了後、24年2月期第2四半期累計(3~8月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を修正した。最終利益の見通しは255億円から270億円(前期比89.6%増)に上方修正しており、堅調な業況を評価した買いが入ったようだ。総額売上高の見通しは1兆1150億円から1兆1310億円(同13.2%増)に引き上げた。好調な富裕層による消費活動やインバウンド消費の更なる加速を背景に、主力の百貨店事業の収益拡大を見込む。第2四半期累計の総額売上高は前年同期比16.4%増の5401億3200万円、最終利益は同27.0%増の129億円となった。

■MonotaRO <3064>  1,300円  -194.5 円 (-13.0%)  本日終値  東証プライム 下落率2位
 MonotaRO<3064>が急反落し年初来安値を更新。10日の取引終了後に発表した9月度の売上高は前年同月比8.5%増と増収基調が続いたものの、7月の同13.3%増、8月の同13.4%増を下回り、1ケタ台の伸びにとどまったことが嫌気されたようだ。

■タマホーム <1419>  3,200円  -275 円 (-7.9%)  本日終値  東証プライム 下落率3位
 タマホーム<1419>は急反落。10日の取引終了後に6~8月期(第1四半期)決算を発表し、売上高は前年同期比9.4%減の532億3700万円、営業利益は同51.4%減の13億8000万円だった。通期で小幅な増収、営業増益を見込んでいるだけに、第1四半期時点の減収減益が嫌気され売られている。主力の住宅事業で注文住宅の販売棟数が減少したほか、人員増により販管費が増加。不動産事業も減少し、全体業績を押し下げた。なお、通期見通しは据え置いた。

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