【市況】来週の中銀イベントを前に買い戻しの動き/オープニングコメント
NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより
15日の日本株市場は、買い一巡後は次第にこう着感が強まる可能性があるものの、底堅さが意識される相場展開になりそうである。14日の米国市場はNYダウが331ドル高、ナスダックは112ポイント高だった。中国人民銀行が景気底入れのため利下げを決定したほか、8月小売売上高が予想を上回る伸びとなったため、ソフトランディング期待が高まった。また、欧州中央銀行(ECB)が利上げサイクル終了を示唆したため、中銀の金利ピーク観測が強まったことも支援材料につながった。シカゴ日経225先物清算値(12月限)は、大阪比200円高の33180円。円相場は1ドル147円40銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、買い先行で始まることになろう。ナスダックに新規上場した英アームは、初値が公開価格(51ドル)を上回る56.10ドルとなり、その後の強い値動きによって63.59ドルで終えた。AI関連や半導体株の手掛かり材料になりやすいほか、前日に弱い値動きだったソフトバンクG<9984>への見直し買いも意識され、指数インパクトの大きい値がさ株が日経平均をけん引する格好になりそうだ。
日経平均は前日の上昇で9月SQ値を上放れたことからセンチメント改善につながったが、日経225先物のナイトセッションは33200円で終えており、7日に付けた戻り高値(33110円)を上放れ、8月1日の戻り高値33230円に接近している。これを捉えてくるようだと、7月高値の33570円辺りが意識されてくる可能性が高く、売り方にとってはポジションをニュートラルに戻す形での買い戻しを迫られそうだ。
また、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)や日銀の金融政策決定会合を前に、政策思惑で傾いたポジションの修正も意識されやすい。米VIX指数は7月27日以来の13.00を下回ってきていることもあり、リバランス中心ではあるものの、足もとで売られていたセクターや銘柄へは買戻しが入りやすいだろう。また、プロ野球では阪神タイガースが18年ぶりに優勝した。阪神が優勝した年の日経平均は上昇しているほか、関西地盤の企業などは消費への支援材料になりやすく、改めて関連銘柄へは資金が向かいやすいと考えられる。
《AK》
提供:フィスコ