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【市況】FRBが過度にデータに依存し、いたずらに経済成長を損なわないよう望む

 今年の米株式市場は現在までのところ、多くの悲観的な予測を覆して快進撃を続け、S&P500は今年に入ってすでに17%超上昇している。金利上昇、企業業績悪化、ウクライナ戦争の長期化、中国経済の予想以上の悪化などの悪材料も、いまのところ、この株高を頓挫させるものにはなっていない。

 その背景には、FRBが利上げサイクルをまもなく終了し、米雇用統計など足元の指標が底堅く推移していることから、ソフトランディングへの期待が米株式市場を支えている。

 そのような中で、一部のストラテジストやエコノミストからは、FRBの利上げサイクルが終了に近づいてもなお、FRBを非難し続けている。

 利上げが経済に影響を与えるには時間がかかり、しかもそれは不均等だ。FRBはデータ次第の姿勢を強調しているが、そのためにFRBが政策ミスを犯す余地がまだあり、2%のインフレ目標を追求し続けるあまり、引き締め過ぎる危険性があると指摘している。

 最大のリスクは、年末までに総合インフレが再び上昇に転じることで、その時にFRBが過度にデータに依存した姿勢を続けていれば、本当に苦しい立場に追い込まれる。FRBには長期的な視野に立って、中期的なインフレを目標とし、短期的なデータに反応し、いたずらに経済成長を損なわないようにしてもらいたいという。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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