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【市況】明日の株式相場に向けて=「37年半ぶり円安」と米大統領選の行方

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
 27日の日経平均株価は前日比325円安の3万9341円と4日ぶりに反落した。前日のニューヨーク市場では、取引終了後に決算を発表したマイクロン・テクノロジー<MU>の株価が8%近い下落と急落。これを受け、この日の東京市場では東京エレクトロン<8035>など半導体関連株が下落した。日経平均株価は前日までの3日間で1000円超上昇していたことから、利益確定売りも膨らんだ。

 同時に大きな関心を集めたのが為替市場の動向だ。26日のニューヨーク市場では1ドル=160円80銭台まで円安が進行。4月29日の160円24銭を更新し、1986年12月以来、37年半ぶりの円安水準に落ち込んだ。この歴史的な円安を受けても、トヨタ自動車<7203>やホンダ<7267>などの自動車株は値を下げており、かつてのような円安を好感する状況となっていない。

 昨晩の円安は、1990年の160円35銭の安値も更新しており、一気に37年前まで時間を巻き戻した。1986年は急激な円高が進んだ年だが、年初は200円前後の水準だった。いまの円安が37年前の逆コースをたどるとすれば、一段の円の下落余地は大きいとも考えられそうだ。

 特に、28日には米5月個人消費支出(PCE)デフレーターが発表される。この結果に市場は敏感に反応するとみられ、結果次第ではそのタイミングに合わせて、政府・日銀による為替介入もあるかもしれない。また、11月の米大統領選に向けた第1回目のテレビ討論会は、米現地時間27日午後9時(日本時間28日午前10時)から予定されている。明日の相場への影響は不透明だが、同討論会の結果がトランプ前大統領優勢となった場合、トランプ返り咲きを市場は一段と織り込んでいくことが予想される。

 上記以外の28日のスケジュールは、海外ではイラン大統領選挙が行われる。国内では6月東京都区部消費者物価指数(CPI)が発表されるほか、5月失業率・有効求人倍率、同鉱工業生産指数が公表される。ロゴスホールディングス<205A>が東証グロース市場に新規上場する。

出所:MINKABU PRESS

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