【市況】決算を手掛かりとした物色が中心/オープニングコメント
NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより
9日の日本株市場は、こう着感の強い相場展開になりそうだ。8日の米国市場はNYダウが158ドル安、ナスダックは110ポイント安だった。格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスが主要銀6行の格付見直しや中小銀10行の格下げを発表した。金融不安が再燃し、金融セクターを中心に売られ、大幅続落となった。しかし、金利低下で安値からは押し目買いが入り、終盤にかけて下げ幅を大幅に縮小し終了。シカゴ日経225先物清算値は、大阪比20円高の32310円。円相場は1ドル143円30銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、小動きで始まることになりそうだ。日経225先物はナイトセッションで一時32090円まで売られた後に切り返し、日中比変わらずで終えた。米地銀格下げによる影響は警戒されるものの、SQ前で積極的に仕掛けてくる流れにはならないだろう。また、決算発表がピークを迎えることも様子見姿勢に向かわせやすいと考えられる。そのため、短期筋の商いが中心になると考えられるため、売り仕掛け的な動きになるようだと、売り一巡後のリバウンド狙いに向かわせそうだ。
本日はソフトバンクG<9984>の決算反応に、市場参加者の関心が集まりやすいだろう。決算を受けた初動反応としてはPTSで3%超の下落となったが、ADRでは下落幅を縮めていたこともあり、昨日の上昇に対する反動安はありそうだが、売りを仕掛けてくる流れにはならないだろう。底堅さが意識されてくるようだと、アク抜け感からのリバウンド狙いに向かわせる可能性もあるだろう。もっとも米国では半導体株の弱さが目立っている。東京市場においても昨日はアドバンテスト<6857>の弱い値動きが重荷となっていた。
半導体株については、バイデン米大統領が対中投資制限へ大統領令を発令するといった見方がされている。半導体株は手掛けづらく、指数の上値を抑える可能性はありそうだ。そのため、全体としてはこう着感の強い相場展開のなか、決算を手掛かりとした物色が中心になるだろう。昨日の引け後に決算を発表したところでは、アシックス<7936>、マツダ<7261>、タムロン<7740>、関ペイント<4613>、タカラトミー<7867>、アズビル<6845>、ラック<3857>などが注目されよう。
《AK》
提供:フィスコ