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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):九州電、太陽HD、モリタHD

九州電 <日足> 「株探」多機能チャートより
■九州電力 <9508>  848円  +55 円 (+6.9%)  本日終値
 九州電力<9508>は大幅高で年初来高値更新。前週末28日の取引終了後に24年3月期業績予想を発表し、売上高は前期比1.3%増の2兆2500億円と堅調で、最終損益は前期赤字から900億円の黒字に急回復。2期ぶりに復配する見通しも示しており、これらを好感した買いが集まっている。原子力発電所の稼働増や燃料価格低下による影響が寄与する。配当予想は年20円の見込み。同時に発表した23年3月期決算は売上高が前の期比27.4%増の2兆2213億円、最終損益が前の期の黒字から564億2900万円の赤字に転落して着地した。あわせて、第三者割当によるB種優先株式発行とA種優先株式の取得・消却を発表した。また、新電力顧客情報の不適切閲覧に関する問題を巡り、役員報酬を減額することを明らかにした。

■太陽ホールディングス <4626>  2,604円  +158 円 (+6.5%)  本日終値
 太陽ホールディングス<4626>が後場上げ幅を拡大し年初来高値を更新している。正午ごろに上限を200万株(発行済み株数の3.59%)、または30億円とする自社株買いを実施すると発表しており、好材料視されている。取得期間は23年7月3日から24年3月29日までで、株主への利益還元や経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行のために実施するとしている。同時に発表した24年3月期連結業績予想は、売上高1017億円(前期比4.5%増)、営業利益151億円(同5.5%減)を見込む。エレキ事業では、在庫水準の適正化に伴いメモリ向け製品の需要が回復することにより、半導体パッケージは前期並みの販売数量を想定。また、医薬事業ではアルツハイマー型認知症治療剤「レミニール」の譲受などによる増収を見込むものの、研究開発費や人件費の増加が利益を圧迫する。なお、23年3月期決算は、売上高973億3800万円(前の期比0.6%減)、営業利益159億7200万円(同11.1%減)だった。

■モリタホールディングス <6455>  1,510円  +82 円 (+5.7%)  本日終値
 モリタホールディングス<6455>が続伸し連日の年初来高値更新となっている。4月28日の取引終了後に発表した24年3月期連結業績予想で、売上高900億円(前期比10.6%増)、営業利益81億円(同59.4%増)、純利益55億円(同37.6%増)と大幅増益を見込み、年間配当予想で前期比5円増の48円を予想していることが好感されている。前期は、シャシ(車台)の供給遅延により生産が低調に推移し消防車両や環境車両が落ち込み減収減益となったが、足もとでは完全回復には至っていないもののシャシの供給は改善傾向にあり、これが貢献する。なお、23年3月期決算は、売上高813億4400万円(前の期比2.7%減)、営業利益50億8100万円(同37.4%減)、純利益39億9600万円(同25.3%減)だった。

■東洋炭素 <5310>  4,155円  +225 円 (+5.7%)  本日終値
 東洋炭素<5310>が大幅続伸している。きょう付の日本経済新聞朝刊で「半導体製造装置の基幹部材を世界で増産する」と報じられたことが好材料視されている。記事によると、米国と中国で工場を増強するほかイタリアで新たに生産を開始するとしており、国内外で27年までに360億円を投じるという。半導体は経済安全保障上の重要性も高まっていることから、サプライチェーンの分断に備える狙いもあるとしている。

■富山第一銀行 <7184>  654円  +32 円 (+5.1%)  本日終値
 富山第一銀行<7184>は大幅高で3日続伸した。前週末4月28日の取引終了後、23年3月期の連結業績に関し、最終利益が予想の36億円から42億円(前の期比20.5%増)に上振れて着地したようだと発表した。同時に、これまで8円としてきた期末配当予想を4円増額修正して12円としたほか、自社株買いの実施も発表しており、これらを評価した買いが集まったようだ。貸出金利息など資金利益が想定を上回る見込みとなった。経費や与信関係費用が想定を下回る見通しとなったことも寄与する。前期の年間配当予想は前の期比8円増配の20円となる。加えて、富山第一銀は取得総数90万株(自己株式を除く発行済み株式総数の1.40%)、取得総額5億円を上限とする自社株買いを5月11日から11月30日の間に実施する予定。また5月26日付で、消却前の発行済み株式総数の4.45%に相当する300万株を消却する。

■京成電鉄 <9009>  5,030円  +235 円 (+4.9%)  本日終値
 京成電鉄<9009>が続伸し、1990年以来の高値水準となる5000円台の大台乗せとなった。前週末4月28日の取引終了後、23年3月期の連結決算発表にあわせ、24年3月期の業績予想を開示した。営業収益は前期比22.4%増の3088億円、最終利益は同23.7%増の333億円を見込む。訪日外国人客数の回復を支えに株高基調が続いていた同社株だが、大幅増益の見通しが示されたことを評価した買いが集まったようだ。同社はこれまで8円50銭としてきた前期の期末配当予想について、3円増額の11円50銭で決定した。前期の年間配当は20円(前の期比3円増配)となる。そのうえで、今期の年間配当予想も20円とした。今期は運輸業での移動需要の回復が見込まれるほか、22年9月に完全子会社化した新京成電鉄の業績が通年で寄与する。23年3月期の連結決算は、営業収益が前の期比17.8%増の2523億3800万円、最終損益が269億2900万円の黒字(前の期は44億3800万円の赤字)だった。

■フクダ電子 <6960>  4,370円  +190 円 (+4.6%)  本日終値
 フクダ電子<6960>はマドを開けて買われる。前週末28日の取引終了後に23年3月期業績予想の上方修正を発表。営業利益を前の期比4.8%増の238億円とし、従来の減益予想(200億円)から一転増益となる見通しを示したことが好感されている。売上高も従来予想(1250億円)から引き上げ、同1.8%増の1345億円とした。新型コロナウイルス感染予防に配慮した戦略的な営業活動の推進により、医療ニーズに柔軟に対応できたことが奏功した。あわせて、期末配当を70円から100円に増額した。

■BIPROGY <8056>  3,405円  +135 円 (+4.1%)  本日終値
 BIPROGY<8056>が大幅続伸し、年初来高値を更新した。前週末4月28日の取引終了後、23年3月期の連結決算発表にあわせ、24年3月期の業績予想を開示した。最終利益は前期比8.9%増の220億円と2期ぶりに最高益を更新する見通しを示した。更に、年間配当予想は同10円増配の90円を計画しており、好感されたようだ。売上収益は同3.0%増の3500億円を見込む。DX(デジタルトランスフォーメーション)に関する旺盛な需要を背景に、システムサービスを中心にサービスビジネスが好調に推移する見通しという。23年3月期の売上収益は前の期比7.0%増の3398億9800万円、最終利益は同1.4%減の202億300万円だった。

■タムロン <7740>  3,390円  +90 円 (+2.7%)  本日終値
 タムロン<7740>が大幅続伸し年初来高値を更新している。4月28日の取引終了後、第2四半期累計(1~6月)連結業績予想について、売上高を322億円から325億円(前年同期比2.5%増)へ、営業利益を48億円から57億円(同0.5%増)へ、純利益を34億9000万円から45億4000万円(同0.6%減)へ上方修正したことが好感されている。第1四半期において、主力の自社ブランド交換レンズ及び監視やFA/マシンビジョン用レンズの販売が好調に推移したことに加えて、コストダウンや生産性向上の原価低減推進効果などにより売上総利益率が向上し、業績が計画を上回ったことが要因としている。23年12月期通期業績予想は、売上高700億円(前期比10.3%増)、営業利益115億円(同4.2%増)、純利益83億7000万円(同0.2%増)の従来見通しを据え置いている。なお、同時に発表した第1四半期(1~3月)決算は、売上高145億2100万円(前年同期比5.1%増)、営業利益26億3000万円(同26.4%増)、純利益23億4700万円(同36.4%増)だった。

■日鉄鉱業 <1515>  3,745円  +80 円 (+2.2%)  本日終値
 日鉄鉱業<1515>は3日続伸している。4月28日、チリで新規銅鉱山の開発工事に着手すると発表したことが好感されている。同社は、チリの銅鉱山であるアルケロス鉱山の権益を17年までに80%取得しており、22年12月に環境許認可を取得し、また開発のための経済実現性を確認できたことから開発に着手するという。投資金額は3億9600万ドルで、26年の操業開始を予定している。

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