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【材料】IBMが決算受け下落 FCFが予想を下回る アナリストからも慎重な見方=米国株個別

 IBM<IBM>が下落しており、ダウ平均を圧迫している。前日引け後に10-12月期決算(第4四半期)を発表し、1株営業利益、売上高とも予想を上回ったものの、フリーキャッシュフロー(FCF)が予想を下回ったことが嫌気されている模様。

 ガイダンスでは通期のFCFは105億ドルと予想を上回る見通しを示した一方、売上高見通しは上方修正したものの、予想は下回っている。通期の見通しのはドル安の追い風を反映させた。

 同社はまた、3900人の人員削減計画を発表。キンドリルとワトソンヘルスの両ユニットを分離した後に残る従業員を中心に行われ、その費用は約3億ドルになるとしている。

 同社のクリシュナCEOはインフラとITサービスの従来型の事業から高成長のクラウド市場に軸足を移すことに取り組んできた。同社の売上高は横ばいや減少が続いてきたが、22年には2年連続の増収となった。

 アナリストからは「2023年通期の105億ドルのFCFの見通しを考慮すると、2022年から2024年の同社の目標を達成するには、2024年のFCFを40%成長させなければならない。また、同社はパートナー・エコシステムの改善に積極的に取り組んでいるが、その評価は成長鈍化の状況下ではまだ高いと思われる」などと慎重な評価が聞かれた。

(10-12月・第4四半期)
・1株営業利益(調整後):3.60ドル(予想:3.58ドル)
・売上高:166.9億ドル(予想:163.8億ドル)
  ソフトウェア:72.9億ドル(予想:68.6億ドル)
  コンサルティング:47.7億ドル(予想:47.8億ドル)
  インフラストラクチャー:44.8億ドル(予想:43.7億ドル)
  ファイナンス:1.72億ドル(予想:1.54億ドル)
・粗利益率(調整後):58.6%(予想:58.4%)
・FCF:52.1億ドル(予想:58億ドル)

(通期見通し)
・売上高:1桁台半ば(予想:8.3%)
・FCF:105億ドル(予想:94.8億ドル)

(NY時間09:46)
IBM<IBM> 135.75(-5.01 -3.56%)

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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