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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):菱洋エレク、キーエンス、アスクル

菱洋エレク <日足> 「株探」多機能チャートより
■菱洋エレクトロ <8068>  2,348円  -56 円 (-2.3%)  本日終値
 菱洋エレクトロ<8068>は反落。29日の取引終了後、23年1月期の連結業績予想について、売上高を1130億円から1230億円(前期比9.7%増)へ、営業利益を36億円から42億円(同86.0%増)へ、純利益を23億5000万円から28億円(同49.4%増)へ上方修正したが、織り込み済みとの見方が強いようだ。第3四半期において、半導体関連の需要が想定していた落ち込みには至らず、大口ビジネスの終息時期も後ろ倒しになり引き続き堅調に推移したことが要因としている。なお、業績予想の上方修正は、8月に続き2回目となる。同時に発表した第3四半期累計(2~10月)決算は、売上高962億6800万円(前年同期比19.7%増)、営業利益36億7600万円(同2.4倍)、純利益26億9300万円(同2.2倍)だった。

■キーエンス <6861>  57,140円  -1,300 円 (-2.2%)  本日終値
 キーエンス<6861>が後場に下げ幅を拡大した。この日、中国国家統計局が発表した11月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は48.0と、前月から1.2ポイント低下し、好況と不況の分岐点となる50を2カ月連続で下回ったと伝わった。中国での製造業の景況感が停滞し、ファクトリー・オートメーション(FA)需要が低迷するリスクが意識されたようだ。発表を受けFA関連ではSMC<6273>も弱含んだ。安川電機<6506>やファナック<6954>が軟調に推移。精密減速機を手掛けるハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>も安い。

■アスクル <2678>  1,581円  -18 円 (-1.1%)  本日終値
 アスクル<2678>は4日続落。29日取引終了後に発表した11月度の単体売上高は、前年同月比0.4%減の310億5800万円となった。増収基調が継続していた状況から一転して、売上高が前年割れとなったことを嫌気した売りが膨らんだようだ。11月度のBtoB事業は同3.1%増(稼働日修正後は同7.7%増)と引き続き増収となった。半面、LOHACOが同22.0%減と落ち込んだ。前期にあった販促の影響の反動があったほか、海外向けが落ち込んだ。国内のLOHACOは同15.7%減だった。

■日本電産 <6594>  8,534円  -90 円 (-1.0%)  本日終値
 日本電産<6594>は4日続落。この日、イタリアの工作機械メーカーであるPAMA(トレンティーノ=アルト・アディジェ州)及び関連会社9社を買収すると発表した。だが、世界的なリセッション懸念が広がるなかで工作機械の需要の先行き不透明感が意識され、全体相場の下落に連れる形で日電産株も売りに押された。PAMAは欧州を中心に中国、米国、インドに販売・サービス網を持ち、21年12月期の売上高は1億1830万ユーロ(約172億円)だった。日電産はこれまで買収した工作機械メーカーとの間での相乗効果の創出なども目指す。

■サンバイオ <4592>  819円  -4 円 (-0.5%)  本日終値
 サンバイオ<4592>は朝高後、下げに沈んだ。29日取引終了後、同社の開発品「SB623」について、慶応義塾大学医学部とアルツハイマー型認知症を対象とした共同研究に関する契約を締結したと発表した。これを材料視した買いが先行したものの、一段と買い上がる姿勢は限られた。買い一巡後は利益確定目的の売りに押された。同認知症の特徴である神経原繊維変化を再現した、ヒトiPS細胞由来の3次元培養脳モデルを活用し、SB623の有効性評価やメカニズム解析を実施。臨床試験に進む際に必要なデータの取得を目指すという。SB623は、慢性期外傷性脳損傷及び慢性期脳梗塞などの疾患を対象とした研究開発も進められている。

■レーザーテック <6920>  25,135円  -85 円 (-0.3%)  本日終値
 レーザーテック<6920>が3日続落となるなど、半導体関連株が軟調に推移している。29日、世界半導体市場統計(WSTS)の半導体市場予測が公表された。2023年の半導体市場は前年比4.1%減と、19年以来4年ぶりのマイナス成長を予測。これをネガティブに受け止めた投資家の売りが、きょうの株価の重荷となったようだ。公表資料によると、個人向けの電子機器需要が低迷した22年途中からの市況悪化の影響が継続し、特に23年前半は半導体需要が低迷する見込みという。一方で、5GやIoT化の進展と、データセンターの能力拡張などによる半導体の潜在需要は引き続き強く、年後半の半導体市場の回復をけん引すると想定。自動車の電動化や再生可能エネルギー関連の投資も、需要を下支えする要因になると分析している。

■MS&AD <8725>  4,100円  -5 円 (-0.1%)  本日終値
 MS&ADインシュアランスグループホールディングス<8725>は朝高後に値を消す展開。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は29日、同社株の目標株価を5000円から5200円に引き上げた。レーティングの「オーバーウエート」は継続した。同証券では、23年3月期と24年3月期以降の配当予想を見直した。23年3月期配当は1株当たり185円を前期比20円増の200円(会社予想200円)に、24年3月期は220円を230円にそれぞれ修正した。今3月期と来3月期の配当利回りの予想はSOMPOホールディングス<8630>を上回るという。同社は政策株の売却ペースを速めており、これを受け同証券では有価証券売却益の仮定を引き上げたことを増配予想の背景としている。

■ソフトバンクグループ <9984>  5,952円  -7 円 (-0.1%)  本日終値
 ソフトバンクグループ<9984>は強弱観対立のなかもやや売りに押される展開。前日は終値でフシ目の6000円台を下回ったが、終値で5000円台をつけるのは10月25日以来約1カ月ぶりとなった。米国株市場ではここハイテク株に軟調な銘柄が多く、ナスダック総合株価指数の下値模索が続いている。ナスダック市場と株価連動性の高い同社株にはこれが向かい風となっている状況だ。信用買い残は11月下旬を境に増勢にあり、個人投資家の押し目買いが活発化しているが上値の重い展開が続いている。テクニカル的には75日移動平均線が位置する5760円近辺が下値メドとして意識される。

■日医工 <4541>  205円  +50 円 (+32.3%) ストップ高   本日終値  東証プライム 上昇率トップ
 日医工<4541>は連日急騰。前日まで2日連続ストップ高となったが、この日も買いを集め制限値幅上限となる前日比50円高の205円をつけており、マネーゲームの様相が強まっている。同社は医薬品の品質不正を巡って経営が悪化し、企業再生ファンドのジェイ・ウィル・パートナーズ(JWP)などの支援を受けて経営再建を目指すことが決まった。JWPが管理・運営する合同会社ジェイ・エス・ディー(東京都新宿区)を引受先とする第三者割当増資の実施後に株式併合を行い、1株36円でスクイーズアウト(少数株主が持つ株式を強制的に買い取る手続き)を行う。来年2月に開く臨時株主総会を経て、同年3~4月ごろに上場廃止となる見込み。

■ビリングシステム <3623>  1,604円  +300 円 (+23.0%) ストップ高   本日終値
 ビリングシステム<3623>が急動意、カイ気配スタートで一気に水準を切り上げストップ高で寄り付く人気となった。株価は前日に1300円台に乗せ、10月25日につけた高値1288円をクリアし年初来高値をつけた。新波動入りで一段と上げ足を強めている。国民年金のスマホ払いに関連した業務を厚生労働省から受託したことを10月20日に発表、同社が提供する決済アプリ「PayB(ペイビー)」を活用し、事前に登録した銀行口座やクレジットカードから国民年金保険料を即時決済できるようにするもので、これに伴う同社収益の押し上げ期待が株価急騰の材料となったが、その後は目先筋の利益確定売りでいったん調整局面を迎えていた。ここにきて日銀が主導して「デジタル円」の発行に向けメガバンク各社や地銀を交え積極的に実証実験を行う準備に入ったことが伝わっており、その関連銘柄としての思惑も働く。チャージを必要としない同社のPayBは地方公共団体などでの導入が加速している。電子マネーは複数あり、それを作った企業がそれぞれ主体となっているが、デジタル円はいわば日銀が主体となることが最大の特徴であり、ATMに並ぶことなく銀行口座を持たなくても日常で我々が通貨を使うのと同じ感覚で使うことができる。同社の持つ独自のノウハウが生かされる可能性がある。

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