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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):日電波、エーザイ、郵船

日電波 <日足> 「株探」多機能チャートより
■日本電波工業 <6779>  1,745円  +160 円 (+10.1%)  本日終値  東証プライム 上昇率3位
 日本電波工業<6779>が急伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は29日、同社株の目標株価を2400円から2900円に引き上げた。レーティングは「オーバーウエート」を継続した。同社は水晶振動子などの大手企業だが、エクイティストーリーは「車載向け、及びフォトリソ対応品増加に伴う業績拡大」とし、成長銘柄として認知度が高まると判断している。23年3月期の連結営業利益は従来予想の65億円から前期比58.3%増の82億円(会社予想80億円)、24年3月期の同利益は73億円から93億円にそれぞれ見直している。

■恵和 <4251>  3,725円  +335 円 (+9.9%)  本日終値  東証プライム 上昇率4位
 恵和<4251>は続伸。29日の取引終了後、12月31日を基準日(実質的には12月30日)として1株を2株に株式分割すると発表しており、これが好感された。投資単位あたりの金額を引き下げることにより、投資のしやすい環境を整え、株式の流動性の向上と投資家層の拡大を図ることが目的としている。効力発生日は23年1月1日。

■エーザイ <4523>  9,332円  +344 円 (+3.8%)  本日終値
 エーザイ<4523>が大幅高。午前9時50分、認知症候補薬「レカネマブ」に関する大規模なグローバル臨床第3相のClarity AD検証試験の結果を第15回アルツハイマー病臨床試験会議で公表すると発表した。前日に同社株は死亡例の報告が伝わったことで大幅安となっていたが、今回の発表の内容を受けて買い戻しが入ったようだ。発表の中でエーザイは、治験参加者の死亡例が報告されたことに関し、レカネマブ投与群の2例については「重大な合併症および大出血や死亡の一因となる抗凝固薬使用などのリスク因子を有していた」と指摘。「エーザイはこれらをレカネマブに起因する死亡ではないと評価する」との見解を示した。

■日本郵船 <9101>  3,037円  +110 円 (+3.8%)  本日終値
 日本郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>など大手をはじめ海運株が全般下げ相場に逆行して軒並み高。海運セクターに業績変貌をもたらしたコンテナ船市況の高騰にも歯止めがかかり既に調整局面に入っているが、一部で調整一巡感も取り沙汰されている。また、鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数の方は、28日現在で4日続伸し1300台半ばまで戻すなど底入れの兆しをみせている。海運株に対する下値不安も和らいでおり、バリュー株としての側面が再び意識されている。郵船はPERが1倍台、PBRが0.6倍台と割安感が際立つ一方、今期年間配当は1210円を計画、配当利回りは17%近くに達している。

■三菱重工業 <7011>  5,457円  +145 円 (+2.7%)  本日終値
 三菱重工業<7011>が全般地合い悪に抗して続伸。岸田政権では防衛費を2027年度にGDP比2%に増額する方向にあることが伝わっており、同社はその関連最右翼として注目されている。同社は防衛省との昨年度の契約額が4500億円超に達しており、全体に占めるシェアも25%と国内企業の中でも群を抜いた存在。今後の防衛費増額による収益インパクトも大きい。

■三越伊勢丹 <3099>  1,324円  +18 円 (+1.4%)  本日終値
 三越伊勢丹ホールディングス<3099>が6日続伸。岩井コスモ証券は29日、同社株の投資判断を新規「A」でカバレッジを開始した。目標株価は1480円とした。同証券では、コロナ禍からの経済再開に加え、入国制限の解除でインバウンド需要の取り込みが期待できる点に注目。また21年11月に発表した中期経営計画で掲げた戦略実行により、コスト削減のほか、国内における高感度上質戦略などによる富裕層の深掘りにより、業績拡大余地がある点にも期待している。同証券では23年3月期の連結営業利益は会社計画240億円に対して250億円(前期比4.2倍)への増額修正を見込んでおり、24年3月期の同利益は290億円を予想している。

■セイコーグループ <8050>  3,165円  +30 円 (+1.0%)  本日終値
 全体相場が軟調ななかにあって、セイコーグループ<8050>が逆行高。中国の衛生当局が29日の記者会見で、新型コロナを巡る防疫対策について、調整を続ける姿勢を示したと伝わっている。全面的な見直しには踏み込まなかったものの、中国当局が「ゼロコロナ政策」について段階的な修正に向かうとの思惑が引き続き広がっており、高級腕時計のインバウンド消費が回復するとの期待感から同社株を買い入れる動きがみられる。このほか、旅工房<6548>など旅行関連や、エイチ・ツー・オー リテイリング<8242>など百貨店関連、京成電鉄<9009>、ロイヤルホテル<9713>などが上昇している。前日の取引時間中に、中国当局が新型コロナウイルスの防疫措置に関する発表を行うと伝わり、インバウンド関連株が物色された経緯があった。

■大塚ホールディングス <4578>  4,690円  +21 円 (+0.5%)  本日終値
 大塚ホールディングス<4578>はしっかり。この日午前11時ごろ、傘下の大塚メディカルデバイスとその米国子会社において、「Paradise 超音波腎デナベーションシステム(uRDN)」の承認申請が11月23日付で米食品医薬品局(FDA)に受理されたと発表。これを材料視する向きがあるようだ。uRDNとは腎交感神経の過活動を抑制して血圧を下げる治療法のこと。同米国子会社が2009年以来、開発と臨床試験実施に注力し、有効性の主要評価項目の達成と安全性についての良好な結果が示されているという。

■メタウォーター <9551>  1,789円  -58 円 (-3.1%)  本日終値
 メタウォーター<9551>が3日続落。29日取引終了後、日本ガイシ<5333>や富士電機<6504>に対して要請した保有株の一部売却について、応諾されたと発表した。同時に野村証券による「株式需給緩衝信託」の設定を決議し、株式需給への影響を極力抑えながら流通株式の拡大を図る。だが、同信託を通じた売却が一定期間に及ぶことから、大株主の株式売却に伴う需給面での悪影響が継続するとの懸念が株価の重荷となったようだ。流通株式の拡大と株主の多様化により、コーポレート・ガバナンスの強化につなげる。同信託は取得総数330万株(自己株式を除く発行済み株式総数の7.57%)、取得総額66億円を上限に、東京証券取引所における立会外終値取引(ToSTNeT-2)でメタウォータ株を取得。信託期間は2023年11月30日までを予定する。

■ジャフコ グループ <8595>  2,407円  -62 円 (-2.5%)  本日終値
 ジャフコ グループ<8595>が安い。29日取引終了後、未定としていた23年3月期の期末配当について100円にすると発表。だが25日公表の自己株式の公開買い付け関する発表内容に沿ったものとなっており、買い材料視はされなかった。同社は保有する野村総合研究所<4307>株の売却で得た資金で、自社株の公開買い付けを実施する予定。公開買い付けが成立した場合、野村総研株の売却益を含めた今期の当期純利益から自己株式取得額を控除とした金額を、発行済み株式総数で除した金額が100円を上回れば、その額にするとしている。きょうから12月7日まで公開買い付けの取得価格決定期間となる。ジャフコGは、旧村上ファンド系のシティインデックスイレブンスが一定の条件のもとで、自社株買いに応じる契約を結んでいるとしている。

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