【市況】今週の【早わかり株式市況】2週ぶり反発、リスク選好の流れを維持
日経平均 <週足> 「株探」多機能チャートより
■今週の相場ポイント
1.日経平均は2週ぶりの上昇、週央に祝日を挟むもリスク選好の地合い続く
2.週前半に終値で2万8000円台回復、その後も頑強に売り物をこなす展開
3.週央発表のFOMC議事要旨はハト派的な内容、日米株式市場は好感
4.週末は3日続伸の後だけに利益確定売り優勢も、下げ幅は限定的なものに
5.主力株見送りムードのなかも中小型株の物色意欲は旺盛で株価も強さ発揮
■週間 市場概況
今週の東京株式市場で日経平均株価は前週末比383円(1.37%)高の2万8283円と2週ぶりの上昇となった。
今週は週央に勤労感謝の日の祝日があった関係で4営業日となったが、総じてリスク選好の流れが維持された。重要イベントとしては米国で米連邦準備理事会(FOMC)議事要旨が開示され、その内容が注目されたが、総じてハト派的な内容で市場センチメントの改善につながった。
週明け21日(月)は模様眺めムードも頑強な値動きとなり、日経平均は小幅反発。前週末の米国株市場でNYダウは高かったものの、ナスダック総合株価指数が横ばい圏で推移し、東京市場も精彩を欠いた。後場に入ってからは膠着感が一段と強まり、狭いレンジでのもみ合いが続いた。22日(火)は広範囲に買い優勢の展開で日経平均は続伸。終値で2万8000円台を回復した。先物主導で上げ幅は一時200円を超える場面もあったが、その後は伸び悩んだ。23日発表予定のFOMC議事要旨(1~2日開催分)を見極めたいとの思惑も買い手控え要因に。23日(水)は勤労感謝の日に伴い東京市場は休場。休み明けの24日(木)は、リスク選好の地合いが続き日経平均は3日続伸となった。FOMC議事要旨では多くのメンバーが「近く利上げペースの鈍化」を支持していることが判明、これが好感され米国株市場ではNYダウ、ナスダック指数ともに連騰し、この流れを東京市場も引き継ぐ格好となった。しかし、週末25日(金)は目先筋の利益確定の売りに押され反落となった。前日の米国株市場が感謝祭で休場だったこともあり、方向感を欠き主力株の買いは見送られた。ただ、中小型株の物色意欲は旺盛で、株価も強い動きを見せるものが多かった。日経平均も下げ幅は限定的で2万8200円台で着地している。
■来週のポイント
来週は米国の重要経済指標発表が目白押しのため、全体指数はそれらを横目に神経質な展開が予想される。ただ、ここまで底堅い展開が続いており、個別株の物色意欲は引き続き旺盛となるだろう。経済指標で大きなサプライズが無い限り日経平均2万8000円を大きく下回ることはなさそうだ。
重要イベントとしては、国内では29日朝に発表される10月完全失業率と有効求人倍率、30日朝発表の10月鉱工業生産が注目される。海外では、29日に発表される米国11月のコンファレンス・ボード消費者信頼感指数、30日に発表される中国11月製造業PMIと米国11月ADP雇用統計、12月1日発表の米国11月のISM製造業景況指数、2日に発表される米国11月雇用統計に注視が必要だろう。
■日々の動き(11月21日~11月25日)
【↑】 11月21日(月)―― 小反発、手掛かり材料に欠けるなか一進一退
日経平均 27944.79( +45.02) 売買高9億6530万株 売買代金 2兆4510億円
【↑】 11月22日(火)―― 続伸、円安進行を追い風に2万8000円台回復
日経平均 28115.74( +170.95) 売買高12億0428万株 売買代金 2兆9231億円
【↑】 11月24日(木)―― 3日続伸、欧米株高を受けリスク選好の買い継続
日経平均 28383.09( +267.35) 売買高13億1110万株 売買代金 3兆3349億円
【↓】 11月25日(金)―― 4日ぶり反落、朝高も方向感に欠け上値は重い
日経平均 28283.03( -100.06) 売買高9億9915万株 売買代金 2兆3753億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種が上昇、下落はなし
(2)上昇率トップは郵船 <9101> など海運、次いで東電HD <9501> など電気・ガスが急伸
(3)三菱UFJ <8306> など銀行、東京海上 <8766> など保険、オリックス <8591> などその他金融といった金融株が大幅高
(4)HOYA <7741> など精密機器、コマツ <6301> など機械、トヨタ <7203> など自動車といった輸出株が堅調
(5)内需株は積水ハウス <1928> など建設、菱地所 <8802> など不動産、味の素 <2802> など食料品が高い
(6)伊藤忠 <8001> 、丸紅 <8002> など大手商社株が急反発
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)
1(2) パワー半導体 ── 半導体関連株の総蜂起でテーマ性再燃
2(1) 半導体
3(3) 半導体製造装置
4(5) 2022年のIPO
5(11) TOPIXコア30
※カッコは前週の順位
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