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【市況】【植木靖男の相場展望】 ─バリュー、グロース株の交互物色へ

株式評論家 植木靖男

「バリュー、グロース株の交互物色へ」

●先行き警戒感は強いが、日本株では逆の目が出るか?

 東京市場では、ついに夜討ち、朝駆けのゲリラ戦法を脱して、買い方全軍に進軍ラッパが吹かれる段階に入ったようだ。

 ことの発端は11月21日の小反発だ。ただ、その前営業日の11月18日は反落となったが、値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を上回るという変化の兆候があった。そして、迎えた22日。休日の前とはいえ、大型株中心に買いを集めて日経平均株価は6日ぶりの高値になり、さらに24日には米国株高に支えられて急上昇し、11日高値の2万8329円を突破した。しかも、3日連続高となったことで、決定的な買い転換となった。

 買い方有利の条件が整った感がある。思い起こせば36年前の1986年11月の時と酷似している。当時は11月をもって底入れし、翌年以降のバブル相場につながったのだ。

 とはいえ、不安もある。上昇の発端となった背景が、米国株高に押されて上昇したことだ。

 米国市場はいま逆金融相場がほぼ一巡し、やがて逆業績相場へと移行する段階にある。すなわち、下げ第二波に入る。それまでの間、中間反騰相場が展開されつつあるとみられるが、いずれ下げ基調に入るはず。そうした米国株に依存するのはリスクがあろう。

 ところで、底入れを見極める手法には諸説がある。昔、相場師といわれた某氏曰く、「底入れの確認は理論では把握できない。罫線(チャート)こそ唯一の方法」。また、「相場は常に多数決で多い方が敗け、少数派が勝つ」と。やや極端に聞こえるかもしれないが、本質を突いているのではないか。

 今回、相場の先行きに警戒感が強いのは事実。世界的な高インフレの下、欧米先進国の金融政策は引き締め強化の方向にあり、株価の先行きは厳しいとの見方が大勢だ。それだけに、逆の目が出ることも考えられる。

 特にわが国の株価は、日米金融政策の違いもあって一概に先行きは株安であるともいえないのではないか。もし、そうだとすると、やはりその要因は円安だ。いま世界の行き場を失った投資資金が、円安で安くなった土地や人材、技術を狙って日本買いを膨らませている。

 たとえば、台湾の台湾積体電路製造(TSMC)<TSM>の熊本上陸で、拠点となる県内の菊陽町の景色は激変しているという。地価の上昇や人口増、もちろん町民の収入増などだ。こうした景色はいずれ全国に広がる可能性があろう。

●グロース株では半導体、バリュー株ではインバウンド関連が軸に

 ところで、買い転換した後の物色は、どう変化するのであろうか。

 経験的には、当面は全面高という印象を受けるが、現状はバリュー株とグロース株に分かれている。結論としては交互物色の格好となろう。それが1日置きなのか週間単位となるのかは定かでないが……。

 テーマ的には、グロース株は年初より大きく下げた銘柄のリベンジということであれば、半導体関連がメインとなろうし、バリュー株であれば航空、鉄道、百貨店など インバウンド関連だろう。防衛関連も儲かる事業ではないが、人気は続きそうだ。再生可能エネルギー関連も無視はできない。

 こうした中から、このところ人気のある商社株に注目したい。商社はどのテーマにも合うという点では申し分ない。やはり、筆頭は三菱商事 <8058> [東証P]だろう。

 次に注目したいのは水素アンモニアなど代替エネルギー関連では三菱重工業 <7011> [東証P]、IHI <7013> [東証P]など馴染みの銘柄だ。下値不安が薄いのが決め手。

 このほか、ここへきて急速に浮上してきたのが金融株だ。バリュー株の中で最も割安感がある。三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> [東証P]が金融株を引っ張っているが、足の速さでは新生銀行 <8303> [東証S]だ。

2022年11 月25日 記

株探ニュース


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