【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):塩野義、ALSOK、三菱UFJ
塩野義 <日足> 「株探」多機能チャートより
塩野義製薬<4507>が4日続伸。この日寄り前の読売新聞オンラインで「塩野義製薬が開発した新型コロナウイルスの飲み薬治療薬『ゾコーバ』について、審査の実務を担う独立行政法人・医薬品医療機器総合機構(PMDA)が、薬の有効性を推定可能とする審査報告書をまとめたことが分かった」と報じられており、これが好材料視された。ゾコーバについては、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第2部会が22日に会合を開き、製造販売承認の可否を議論する予定となっており、有効性の推定は重要な承認要件となっている。
■ベルク <9974> 5,830円 +150 円 (+2.6%) 本日終値
ベルク<9974>が1月につけた年初来高値を更新した。同社は埼玉県を地盤に食品スーパー事業を手掛けている。朝方から堅調に推移していたなか、午後1時に日本スーパーマーケット協会など業界3団体が10月の全国食品スーパー売上高を発表。速報・既存店ベースでは前年同月比1.4%増と、3カ月ぶりに前年実績を上回った。一方、ベルクが11日発表した10月の既存店売上高は同3.0%増と、伸び率は相対的に高いこともあって、今後の業績上振れを期待した買いが株価の支えとなっているようだ。同社の10月の全店売上高は同7.5%増だった。また、10月7日に発表した23年2月期第2四半期累計(3~8月)の連結決算は、最終利益が前年同期比7.1%減の48億7500万円。通期の計画に対する進捗率は55%台となっている。
■綜合警備保障 <2331> 3,825円 +95 円 (+2.6%) 本日終値
ALSOK<2331>は続伸。この日、「ALSOK安否確認サービス(アプリ版)」の提供を12月1日に開始すると発表しており、これが材料視されたようだ。同社では、災害や緊急時のBCP対策(事業継続計画)として03年8月から「ALSOK安否確認サービス」を提供しているが、アプリ版はメール配信に加えて、アプリによる「プッシュ通知」機能を搭載し、安否確認対象者へ配信が到達しやすくしたのが特徴。また、配信メッセージに災害時の行動マニュアルや、BCPマニュアルなどの資料添付ができるため、資料の再周知などさまざまなシーンで活用できるほか、地震発生時の自動配信はもちろん局地的豪雨などの警報時も自動配信するとしている。
■三菱UFJ <8306> 735.5円 +15.8 円 (+2.2%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>が続伸、株価は5日移動平均線をサポートラインに上値指向を継続している。直近では25日・75日移動平均線のゴールデンクロスも示現しており、水準訂正の動きに弾みがついている。国内では日銀による大規模緩和策が続いているが、来年春に任期満了を迎える黒田日銀総裁の後を引き継ぐ次期総裁のもとで、緩和路線の変更が行われるとの思惑が根強い。国内の長期金利が上昇局面に向かえば、メガバンクにとって運用環境に追い風が吹くことになる。これを先取りする形で同社株には継続的な買いが流入している。また、4%を超える配当利回りも魅力となっている。
■東洋紡 <3101> 1,046円 +15 円 (+1.5%) 本日終値
東洋紡<3101>が4日続伸。この日、新型コロナウイルス及びインフルエンザウイルス遺伝子検査試薬「TRexGene SARS-CoV-2&Flu A/B検出キット」の製造販売承認を取得したと発表しており、これが好材料視された。今回承認を取得したのは、鼻咽頭ぬぐい液や鼻腔ぬぐい液などの生体試料から、リアルタイムPCR装置を用いて、新型コロナウイルスのRNAと、A型及びB型インフルエンザウイルスのRNAを同時に検出するキット。今冬は、新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行が警戒されているだけに、検査作業の省力化や患者の負担軽減につながる検査キットとして関心を集めているようだ。なお、同社では今月中にも医療機関や検査施設向けに販売を開始するとしている。
■飯野海運 <9119> 875円 +12 円 (+1.4%) 本日終値
飯野海運<9119>が続伸、前日は商い急増のなか一時8%を超える急伸をみせたが、きょうもその余勢を駆って上値追い態勢にあり、11月9日ザラ場に形成した戻り高値890円奪回を視野に入れる動き。原油タンカーやケミカル船、ばら積み船、ガス船などを展開するが、不動産事業への展開力と土地含み資産の大きさで海運業界でも異色の存在。23年3月期業績は既に期中2度にわたる増額修正を経て、営業利益段階で前期比95%増の147億円予想と倍増する見通しにある。PERは依然として5倍前後に過ぎない。
■サンフロンティア不動産 <8934> 1,152円 +14 円 (+1.2%) 本日終値
サンフロンティア不動産<8934>が続伸。21日の取引終了後、次世代蓄電技術の開発に取り組むCONNEXX SYSTEMS(京都府精華町)と資本・業務提携したと発表しており、好材料視された。CONNEXX SYSTEMSは、複数の種類の異なる中古EVバッテリーを一体化するハイブリッド技術「BIND Battery」や、鉄-空気電池と燃料電池の融合による超高エネルギー密度革新二次電池「SHUTTLE Battery」などの蓄電技術の開発に取り組んでいる。今回の資本・業務提携により、東京都心部の中小型オフィスビルやホテル、商業施設などに向けた電力ソリューションの共同開発のほか、佐渡市をはじめとした脱炭素先行地域やゼロカーボンシティ宣言都市などにおける蓄電システムの活用推進、産業用中型蓄電システム「BLP」の積極的な販売活動などに共同して取り組むとしている。
■西松屋チェーン <7545> 1,386円 +8 円 (+0.6%) 本日終値
西松屋チェーン<7545>は朝安後に切り返す展開。21日取引終了後に発表した11月度の既存店売上高(速報)は、前年同月比6.5%減。全店売上高は同4.0%減だった。10月度の既存店・全店売上高が大きく伸びたのに対し、一転して減少となったことを嫌気した売りが先行したものの、株価が25日移動平均線を下回ったところでは押し目買いが入り、プラスに転じた。11月度の出店数は9店に対し、閉店数は1店だった。気温が前年よりも高く推移し、冬物衣料の売上高が前年を下回ったという。
■電通グループ <4324> 4,450円 +15 円 (+0.3%) 本日終値
電通グループ<4324>が反発。同社は21日、出資先のVARK(東京都豊島区)と共同で、メタバース空間上でさまざまなアーティストのオンラインライブに参加できるライブエンターテインメント・フェス会場「VARK ARENA(バークアリーナ)」を共同開発し提供を開始したと発表しており、好材料視された。「VARK ARENA」は、メタバース空間でのライブ開催におけるバーチャル空間の制作や特殊な撮影方法で制作コストが大幅に増加するといった課題に対して、イベント会場の設計・制作やライブ制作を共通基盤化することで、高いクオリティを維持したまま、コストを圧縮したイベント実施を可能とした。また、イベントに合わせたカスタムデザインが可能なほか、Vチューバーライブなど3Dモデルを用いた大迫力のバーチャルライブを体験できる3Dモデルバーチャルライブなども特徴としている。第1弾として、11月24日から開催されるバーチャルライブ音楽イベント「テレ東バーチャル音楽フェス」へ同会場を提供する。
■クイック <4318> 2,036円 +1 円 (+0.1%) 本日終値
クイック<4318>は4日続伸。21日取引終了後、米国の連結子会社がシカゴに新拠点を開設すると発表。株価の支援材料となったようだ。日系企業への人材紹介及び人材派遣などの事業拡大に向け、サービス体制を拡充する。米国ではニューヨーク、ロサンゼルス、ダラスに次ぐ4番目の拠点となる。同社は米国のほか、中国、イギリス、メキシコ、ベトナム、タイの海外6カ国で人材サービスを展開している。
株探ニュース