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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):コシダカHD、久光薬、東芝

コシダカHD <日足> 「株探」多機能チャートより
■ウイングアーク1st <4432>  2,124円  +329 円 (+18.3%)  本日終値  東証プライム 上昇率2位
 ウイングアーク1st<4432>が大幅高。12日の取引終了後に23年2月期上期(3~8月)の決算を発表し、営業利益は前年同期比27.6%増の37億2800万円と大幅増益で着地した。上期時点で通期計画(47億5000万円)に対する進捗率が78%に達しており、これを評価した買いが入ったようだ。売上高は同17.9%増の113億7700万円だった。企業による活発なデジタルトランスフォーメーション(DX)投資を背景に、帳票基盤ソリューション「SVF」をはじめとする各種ソリューションが引き続き大きく伸びた。なお、通期の増収減益見通しは据え置いた。

■コシダカHD <2157>  1,108円  +150 円 (+15.7%) ストップ高   本日終値  東証プライム 上昇率3位
 コシダカホールディングス<2157>がストップ高。12日の取引終了後、23年8月期の連結業績予想を発表した。売上高は前期比40.4%増の533億6100万円、純利益は同21.9%増の44億4200万円を見込む。中間配当は1円増配の5円、期末配当も1円増配の5円を計画しており、これらを好感した買いが集まった。コロナ禍から経済活動が正常化に向かうなか、カラオケ事業では積極的に新規出店を継続する。

■久光製薬 <4530>  3,805円  +460 円 (+13.8%)  本日終値  東証プライム 上昇率4位
 久光製薬<4530>は大幅反発。鎮痛消炎剤でトップシェアを有する薬品メーカーで「サロンパス」ブランドで有名。12日取引終了後に発表した23年2月期上期(22年3~8月)決算は最終利益が65億400万円(前年同期実績は50億200万円)と好調だった。薬価改定の影響で利益採算は低下したものの、円安による為替メリットが発現し最終利益の伸びに反映された。商品別では主力のサロンパスの海外売り上げが牽引した。また、同社は同日に発行済み株式数2.51%相当の200万株、金額ベースで100億円を上限とする自社株買いを実施することを発表、これらを評価する買いを呼び込んだ。

■TSIホールディングス <3608>  451円  +35 円 (+8.4%)  本日終値  東証プライム 上昇率5位
 TSIホールディングス<3608>は3日ぶりに反発。12日の取引終了後、23年2月期の連結業績予想について、営業利益を15億円から18億円(前期比59.5%減)へ、純利益を15億円から24億円(同2.3倍)へ上方修正したことが好感された。上期において、一部ブランドが不振だったことから、売上高は1573億5000万円から1540億円(同9.7%増)へ下方修正したものの、円安に対して一部ブランドで上期から値上げを実施したことに加えて、適正量の製販体制構築に注力し値引きによる売り上げの割合を大幅に削減したことで、歩留まりが改善されたことが利益を押し上げる。また、同じく上期において為替差益や投資有価証券売却益を計上したことも寄与する。なお、同時に発表した第2四半期累計(3~8月)決算は、売上高720億8700万円(前年同期比11.3%増)、営業利益5億8800万円(同48.1%減)、純利益22億4900万円(同19.0%増)だった。

■東芝 <6502>  5,512円  +379 円 (+7.4%)  本日終値  東証プライム 上昇率6位
 東芝<6502>が大幅高。12日夜の共同通信の報道で、東芝の経営再建を巡って優先交渉権を与えた企業連合が、同社の買収額として2兆8000億円を想定していることが分かったと伝えたことが材料視され、上値を見込んだ投資資金が集中する格好となっている。また、共同通信は、企業連合の中核である国内ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)が東レ<3402>に出資を打診したことも報じている。市場では「プレミアムを含めて2兆8000億円という数字は、同社の株価水準に引き直して6500円に相当する。しかし、プレミアムの上乗せも当然あり得る話で、その場合は更に上値が見込まれるケースも考えられる」(中堅証券ストラテジスト)としている。

■コメダホールディングス <3543>  2,472円  +146 円 (+6.3%)  本日終値  東証プライム 上昇率9位
 コメダホールディングス<3543>が大幅続伸、年初来高値を更新した。12日に発表された第2四半期(6~8月)の連結営業利益は前年同期比約6%増の18億9500万円となり、市場には堅調な決算との見方が出ている。4月から店舗での商品値上げを実施しており、今期業績への寄与が見込まれるほか、10月に香港に出店するなど海外市場の開拓への期待も膨らんでいる。

■サカタのタネ <1377>  4,410円  +105 円 (+2.4%)  本日終値
 サカタのタネ<1377>は続伸。岩井コスモ証券は12日、同社株の投資判断「A」を継続するとともに、目標株価を4800円から4950円に引き上げた。同社の第1四半期(6~8月)の連結営業利益は前年同期比25.6%減の24億6700万円となった。ひまわり種子の中国向け輸出を抑制したことやエジプトの外貨規制の影響でトマト種子の販売が減少したことなどが影響した。この決算発表を受け、株価は急落したが、同証券では「過剰反応」と指摘。今後、円安効果が更に発現するほか、エジプトの外貨規制の影響も解消に向かうことから今23年5月期の会社計画は十分達成可能と予想しており、今回の株価下落は良い投資機会とみている。

■ナカニシ <7716>  2,708円  +28 円 (+1.0%)  本日終値
 ナカニシ<7716>が3日ぶりに反発。SMBC日興証券は12日、同社株の投資評価を新規「1」でカバレッジを開始した。目標株価は3300円に設定した。同社は、「削る技術」(超高速回転技術)を生かした歯科用切削デバイス(虫歯治療、予防歯科など)で世界シェア1位のグローバルニッチトップ企業。(1)北米事業の成長が本格化(2)外科事業など他の事業の立ち上がり(3)資本効率性をより意識した経営への変化――などに注目。同証券では22年12月期の予想連結営業利益を146億円(会社計画126億円)、23年12月期は158億円、25年12月期は186億円と予想している。

■愛知製鋼 <5482>  2,075円  +13 円 (+0.6%)  本日終値
 愛知製鋼<5482>はしっかり。12日の取引終了後、岐阜工場(岐阜県各務原市)のパワーカード用リードフレームの第3ラインを竣工させ稼働を開始したと発表しており、これが材料視された。パワーカードは、パワー半導体が複数セットされたカード型のパワーモジュールで、電動車モーターの電力制御などを行う。同社が生産するリードフレームは、電動車のモーターの電力制御などを行うパワーカードに必要不可欠な放熱部品で、電動車の需要が急増していることから、約9億円を投資して第3ラインを新設。同ラインの量産開始により、同社のリードフレームの生産能力は現在の約30%増の年約7200万個へ増大するとしている。

■OBC <4733>  4,260円  -270 円 (-6.0%)  本日終値
 オービックビジネスコンサルタント<4733>は急反落。大和証券は12日、同社株の目標株価を7100円から5600円に引き下げた。レーティングの「1(買い)」は継続した。23年3月期は第1四半期からスロースタートとなったが、この背景として(1)中小企業のIT投資意欲がコロナ禍や大手製造業の生産調整から回復遅滞(2)今6月にサポート終了した奉行8からの更新需要も低調――などを指摘。今後、内外の経済リセッション懸念が現実となった場合、同社の主要顧客である中小企業の景気敏感度は高いため、更なる業績下方修正圧力が生じるリスクがある、とみている。同証券では今3月期の連結営業利益を168億円と会社計画(169億1000万円)に対して未達を見込んでいる。

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