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【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 ボリンジャーバンド-1σ水準での底固めを意識しつつも、短期のショートには警戒


大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 27650 -750 (-2.64%)
TOPIX先物 1922.0 -43.0 (-2.18%)
シカゴ日経平均先物 27630 -770
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 13日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が大幅に下落。NYダウの下落幅は今年最大となり、直近4営業日の上昇分を一気に打ち消した。8月の米消費者物価指数(CPI)が前年同月比で8.3%上昇と市場予想(8.1%上昇)を上回り、インフレ抑制に向けて来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で3会合連続となる0.75%の利上げを決めることが確実になったほか、1.0%の利上げ観測も浮上し、ハイテク株を中心に幅広い銘柄が売られた。

 また、午後に入り「米政府は中国による台湾侵攻を阻止するため、対中制裁を検討する」との一部報道が伝わり、地政学リスクの高まりが警戒されて下げが加速した。S&P500業種別指数はすべてのセクターが下落し、半導体・同製造装置、小売、メディア、耐久消費財・アパレル、テクノロジー・ハード・機器の弱さが目立った。

 シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、日中大阪比770円安の2万7630円で終えた。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比10円安の2万8390円で始まり、底堅い値動きを継続するなか、一時2万8470円まで買われた。ただし、米国市場の取引開始後に急落すると一気に2万8000円を割り込んだ。売り一巡後は2万7860円~2万7910円辺りでもみ合いを見せていたが、終盤にかけて一段安となり、2万7610円まで下落幅を広げ、2万7650円で取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、ギャップダウンとなろう。再びCPIショックに見舞われた格好であり、朝方はインデックスに絡んだ売りが集中し、下へのバイアスが強まりやすいと見られる。ただし、昨日はボリンジャーバンドの+1σが位置する節目の2万8500円に接近していたこともあり、CPIの発表を前に利益を確定する動きも見られていた。ナイトセッションで一気にボリンジャーバンドの-1σ水準まで下落していることもあり、売り一巡後は次第に落ち着きを見せてくる可能性はありそうだ。

 米国ではFRB(米連邦準備制度理事会)が利上げを加速するとの見方が強まり、一部で1.0%利上げ観測なども浮上したことから、短期筋による処分売りが広がったと見られる。また、午後に入ってからの一段安は、地政学リスクを警戒したものと見られる。対中制裁を検討するとの報道を受けて、エヌビディア<NVDA>、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ<AMD>、マイクロン・テクノロジー<MU>など半導体関連が大きく売られていた。

 また、VIX指数は27.27に急伸した。足元で25日移動平均線水準まで調整していたこともあり、いったんはリバウンドが想定されていたものの、一気に直近の高値水準まで上昇してきた。27.50辺りを明確に上放れてくるようだと、6月半ばの高値水準が意識されてくるため、リスクオフに向かわせやすい。そのため、日中はグローベックスの米株先物の動きなどから、米国市場の落ち着きを見極めることになりそうだ。

 日経225先物はボリンジャーバンドの-1σ水準での底固めを意識しつつも、75日線が位置する2万7250円水準が射程に入ってきたため、押し目狙いのロングは慎重にさせるだろう。オプション権利行使価格2万7500~2万7875円辺りでの推移を想定しつつ、下へのバイアスが強まる局面では短期のショートが膨らみやすい点に注意しておきたい。

 なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.45倍に上昇した。一時14.48倍まで切り上げボリンジャーバンドの+1σ水準に達していたことから、NTロングのリバランスの動きに向かわせよう。

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