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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):アイル、ファナック、東京エレク

アイル <日足> 「株探」多機能チャートより
■アイル <3854>  1,803円  +179 円 (+11.0%)  本日終値  東証プライム 上昇率2位
 アイル<3854>は大幅高で7日ぶりに反発。7日の取引終了後、23年7月期の連結経常利益は前期比14.4%増の24億2600万円になりそうだと発表しており、これを好感する買いが入った。今期は主力パッケージソフト「アラジンオフィス」の業種別機能強化をはじめ、複数ネットショップ一元管理「CROSS MALL」、ポイント一元管理「CROSS POINT」などWeb商材の製品力を強化し、8期連続の経常増益を目指す。あわせて、配当は前期比2円増の20円に増配する計画を示した。また、25年7月期に経常利益36億2600万円を目指す中期経営計画を発表している。

■ライフネット生命保険 <7157>  931円  +49 円 (+5.6%)  本日終値
 ライフネット生命保険<7157>は急伸。7日の取引終了後に発表した8月の業績速報で、新契約件数は1万1437件(前年同月比25.8%増)と1万件台の大台に乗り、8月末の保有契約の年換算保険料も226億5500万円(同13.5%増)、保有契約件数が53万6062件(同13.9%増)とともに伸長したことが好感された。

■牧野フライス製作所 <6135>  4,480円  +170 円 (+3.9%)  本日終値
 牧野フライス製作所<6135>が大幅反発。SMBC日興証券が7日付で同社の目標株価を前回の5380円から5260円へ引き下げたものの、投資評価は「1(強気)」を継続しており、これが材料視されたようだ。レポートでは、足もとで中国を中心に想定より好調な受注を獲得しており、24年3月期にかけての売上高水準の維持が可能になってきたと指摘。来期の工作機械需要としても、NEV(新エネルギー車)や製造業の高度化などに支えられる中国は相対的に需要が堅調と考え、受注は来期第3四半期から改善に向かうと予想している。

■ファナック <6954>  22,955円  +630 円 (+2.8%)  本日終値
 ファナック<6954>が反発。この日の全体相場が反発基調を強めるなか、ファクトリーオートメーション(FA)関連需要などが伸びる同社株に見直し買いが流入。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は7日、同社株の目標株価を2万4800円から2万5600円に引き上げた。レーティングの「ニュートラル」は継続した。グローバルに景況感は悪化しているが、FAは製造業の高度化に伴う中国・アジアの工作機械の数値制御(NC)化の進展、ロボットは市場シェア拡大、労働力不足による自動化の進展、電気自動車(EV)の設備投資が牽引する形で底堅い需要が続くと予想している。ただ、受注・販売は好調だが、部材費・物流費の高騰で業績が伸び悩んでいるため、ニュートラルを継続している。

■東京エレクトロン <8035>  42,450円  +900 円 (+2.2%)  本日終値
 東京エレクトロン<8035>が反発。前日は1000円を超える下げで一時4万1400円台まで下落、7月4日につけた年初来安値4万1340円を視界に入れていたが、きょうは前日の米国株市場でハイテク株が買われた流れを引き継いで買い戻しが優勢となった。米株市場ではエヌビディア<NVDA>やアプライド・マテリアルズ<AMAT>などが買われ、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が8日ぶりに反発、東京市場でも目先同関連銘柄への売り圧力が一巡した。東エレクはここ個人投資家の押し目買いも目立っており、前週末まで信用買い残が2週連続で増加していた。

■村田製作所 <6981>  7,486円  +133 円 (+1.8%)  本日終値
 村田製作所<6981>、京セラ<6971>、TDK<6762>、太陽誘電<6976>、ローム<6963>、日東電工<6988>など電子部品株が軒並み高となった。米スマートフォン大手のアップル<AAPL>が8日、iPhoneの新機種である「iPhone14」を発表し、世界の注目を集めた。今月16日から発売予定にあるが、セラミックコンデンサー世界トップメーカーの村田製をはじめアップルの有力サプライヤーである日本の電子部品メーカーの株価を刺激する格好となっている。

■オートバックスセブン <9832>  1,433円  +23 円 (+1.6%)  本日終値
 オートバックスセブン<9832>が続伸。7日の取引終了後に発表した8月度の月次売上概況で、国内既存店売上高が前年同月比6.8%増となり、9カ月連続で前年実績を上回ったことが好材料視された。9月のタイヤ再値上げを前に駆け込み需要を獲得したほか、3年ぶりに行動制限がないなかでの帰省需要に加え、既存車に乗り続けるために必要な車両メンテナンスとして、オイルやバッテリーが好調だった。また、車買取・販売は業販の好調により2ケタ伸長が続いた。

■青山商事 <8219>  962円  +11 円 (+1.2%)  本日終値
 青山商事<8219>は続伸。7日に発表した8月度の月次売上高(速報)で、ビジネスウェア事業の既存店売上高が前年同月比21.7%増と11カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。フォーマルを中心に好調に推移したという。なお、全店売上高は同21.3%増だった。

■ダブル・スコープ <6619>  2,656円  +30 円 (+1.1%)  本日終値
 ダブル・スコープ<6619>が反発、128円高の2754円まで上値を伸ばし連日で年初来高値を更新した。前日こそ上昇一服となったが、前週半ば以降の上げ足は鮮烈で25日移動平均線との上方カイ離は広がる一方となっている。注目すべきは高水準に膨らんだ売買代金で、きょうはソフトバンクグループ<9984>を上回りプライム市場で第3位に食い込んでいる。リチウムイオン電池用絶縁体(セパレーター)の専業メーカーで、同社が有するメンブレンフィルムの製造技術を駆使してセパレーター事業に特化している。韓国に生産拠点を持ち、韓国のサムスングループを取引先としていることが特徴だ。同社の収益環境に吹く追い風は強く、世界的な電気自動車(EV)シフトの動きを背景に車載用2次電池需要が高水準となっており、同社の業績を押し上げている。22年12月期上期(1~6月)は営業利益が27億5500万円(前年同期実績は1億700万円の赤字)と様変わりした。同利益の通期計画は前期比2.9倍の55億円を見込むが、一段の上振れも有力視されている。

■アンジェス <4563>  277円  -39 円 (-12.3%)  本日終値
 アンジェス<4563>は急落。7日の取引終了後、これまで開発を進めていた新型コロナウイルス感染症(武漢型)向けDNAワクチンの開発を中止すると発表。これを嫌気した売りが膨らんだようだ。昨年に同ワクチンでは期待どおりの効果を上げることが難しいと判断し、薬剤濃度を上げた高用量製剤での臨床試験を進めてきた。ただ、主要評価項目が期待する水準に至らず、今回この結果に基づいて高用量製剤を含む同ワクチンの開発を中止することを決めた。前受け金に計上しているワクチン開発に対する補助金については、費用明細の申告と調査の結果、適正と認められる開発費を調査年度ごとに補助金収入として計上する予定としている。あわせて、新型コロナ変異株(オミクロンBA.5など)にも有効な改良型DNAワクチンとその経鼻投与製剤の研究を開始することを明らかにした。

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