【注目】話題株ピックアップ【昼刊】:ビプロジー、ビジョナル、日電産
ビプロジー <日足> 「株探」多機能チャートより
日東紡績<3110>がマドを開けて急騰している。3日の取引終了後、23年3月期上期(4~9月)の連結経常利益を従来予想の34億円から50億円(前年同期比28.1%増)へ上方修正すると発表しており、これを好感する買いが入っている。同時に発表した4~6月期(第1四半期)の同利益は前年同期比2.2倍の35億9400万円だった。高速大容量通信に資する電子材料向けスペシャルガラス・クロスなど高付加価値製品を中心に販売が増えたほか、円安による為替差損益の改善も大幅増益に貢献した。足もとの好調な業績動向を踏まえ、上期予想を引き上げたが、通期は従来予想の80億円(前期は80億6500万円)を据え置いている。
■BIPROGY <8056> 3,065円 +257 円 (+9.2%) 11:30現在 東証プライム 上昇率5位
BIPROGY<8056>が続急伸。株価は前日比13.1%高の3175円まで上昇し、約3カ月ぶりの高値に買われている。3日の取引終了後に発表した23年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算(国際会計基準)は、売上高705億1700万円(前年同期比4.3%増)、最終利益39億1900万円(同11.4%増)となり、これを好感する買いが向かっているようだ。デジタルトランスフォーメーション(DX)関連案件の拡大により、システムサービスが業績を牽引した。利益面では、社内DXの推進で販管費が膨らみ、営業利益は前年同期並みとなったが、金融収益が増加したことで最終利益は増益を確保した。
■テレ東HD <9413> 2,030円 +111 円 (+5.8%) 11:30現在
テレビ東京ホールディングス<9413>が4日ぶりに反発している。同社は3日取引終了後、23年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比16.2%増の29億7700万円となり、通期計画83億円に対する進捗率が35.9%となったことが好感されているようだ。売上高は同5.8%増の365億9800万円で着地した。主力の地上波放送事業が堅調だったほか、コンテンツの2次利用から得られる収益が伸長したことなどが寄与した。なお、通期業績予想は従来計画を据え置いている。
■ツムラ <4540> 3,110円 +90 円 (+3.0%) 11:30現在
ツムラ<4540>が3日ぶりに反発。3日の取引終了後、23年3月期上期(4~9月)の連結経常利益は140億円(前年同期比4.4%増)になりそうだと発表。従来予想の100億円(同25.4%減)から一転して増益見通しに上方修正しており、これが好感されているようだ。足もとで医療用漢方薬の販売が堅調に推移していることに加え、円安進行による為替差益の発生も利益を大きく押し上げる。なお、同時に発表した第1四半期(4~6月)の同利益は前年同期比19.6%増の86億6500万円だった。なお、通期予想は据え置いた。あわせて、中国グループ会社の平安津村が健民薬業集団と合弁会社設立に関する意向書を締結すると発表している。
■ビジョナル <4194> 7,500円 +180 円 (+2.5%) 11:30現在
ビジョナル<4194>、フリー<4478>、JTOWER<4485>などグロース市場に上場する時価総額上位銘柄が揃って上値追い基調を強めている。これらグロース上場銘柄で構成されるマザーズ指数の戻り足に弾みがついており、足もとで735まで水準を切り上げた。テクニカル的にも26週移動平均線を上抜き中期底入れの様相を強めている。ここ最近は日経平均株価を形成する主力銘柄の戻りが目立つ一方、マザーズ指数を構成する小型株には依然として向かい風の強い地合いが続いていたが、足もとで流れが変わっている。個人投資家の信用評価損益率の改善が、中小型株の物色意欲を高めるという好循環に変わりつつある。
■シグマクシス <6088> 1,302円 +31 円 (+2.4%) 11:30現在
シグマクシス・ホールディングス<6088>は買い優勢で始まり、きょうで6連騰と気を吐いている。同社は戦略立案から開発、実行までワンストップで対応する新興コンサルティング会社で、人工知能(AI)を活用した高付加価値案件で優位性を発揮している。企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)投資需要を取り込み業績は高成長トレンドに乗っている。3日取引終了後に発表した23年3月期第1四半期(22年4~6月)決算は営業利益が前年同期比67%増の6億3100万円と大幅な伸びを達成、これを好感する形で投資資金の流入が続いている。1月4日につけた年初来高値1328円を7カ月ぶりに更新した。
■京王電鉄 <9008> 5,230円 +90 円 (+1.8%) 11:30現在
京王電鉄<9008>が一時240円高の5380円に買われ約半年ぶりの高値圏に浮上、このほか電鉄株が総じて物色人気を集める展開となっている。京王は3日取引終了後、23年3月期第1四半期(22年4~6月)決算を発表、営業利益は51億4000万円の黒字(前年同期は12億8500万円の赤字)と大幅改善しており、これを評価する形で投資資金が流入した。このほかにも同日に決算発表した東武鉄道<9001>や阪急阪神ホールディングス<9042>なども好決算を手掛かりに株価を上昇させている。新型コロナウイルスの感染拡大が続くなかも、市場では「今は以前と違って行動規制が入らず、ウィズコロナで経済が回る状況が定着。株式市場でもネガティブ視されなくなっている」(ネット証券アナリスト)という見方で、電鉄株などは足もとの業績回復が確認されたことを契機に買い戻す動きが活発化している。
■東武鉄道 <9001> 3,230円 +55 円 (+1.7%) 11:30現在
東武鉄道<9001>が反発し、年初来高値を更新している。3日の取引終了後に発表した23年3月期第1四半期(4~6月)の連結経常利益は前年同期比2.3倍の143億6400万円に拡大しており、これを好感する買いが入っている。政府による行動制限の解除などを背景に、レジャー事業の収益が急改善したほか、百貨店を中心とする流通事業も回復をみせた。また、運輸事業は定期外旅客収入が大きく伸び、2ケタ増収増益を達成した。第1四半期の経常利益は上期計画(115億円)を既に大きく上回っており、業績上振れが期待される。
■日本電産 <6594> 9,718円 +165 円 (+1.7%) 11:30現在
日本電産<6594>が続伸、9700円台まで上値を伸ばし7月20日につけた戻り高値をクリア、3月30日以来となる1万円大台復帰も視野に入ってきた。企業の決算発表がたけなわだが、同社は他社に先駆けて7月20日に22年4~6月期決算を発表しており、最終利益は前年同期比24%増の413億2100万円と大幅な伸びを確保している。円安効果による部分も大きいとはいえ、四半期ベースでは過去最高を更新。しかし、決算発表前に株価水準を切り上げていたこともあり、いったん目先材料出尽くし感から下値を探る展開を強いられていた。きょうは、全体相場が強気優勢の地合いに傾いていることで、好業績を再評価する買いを引き寄せているほか、市場では「同社株が10月の日経平均入れ替えで新規採用される有料候補との見方が出ており、それを先取りする買いが観測されている」(中堅証券ストラテジスト)としている。
■Zホールディングス <4689> 440.9円 -54.2 円 (-11.0%) 11:30現在 東証プライム 下落率トップ
Zホールディングス<4689>が大幅安で8日ぶり反落。3日の取引終了後、23年3月期第1四半期(4~6月)の決算を発表。純利益が前年同期比5.2%減の252億3200万円で着地しており、これを嫌気した売りが強まっているようだ。売上収益は同4.6%増の3905億6500万円と増加した。「Yahoo!」「LINE」における広告売り上げや、運営するネット通販や旅行サイトなどの主力事業が堅調だった。一方、販管費の増加をはじめ、PayPayや出前館<2484>など関連会社の持ち分法投資損失が響き、利益は減少した。
■JFEホールディングス <5411> 1,411円 -63 円 (-4.3%) 11:30現在
ジェイ エフ イー ホールディングス<5411>は大幅安で3日続落。3日の取引終了後、未定としていた23年3月期の連結業績予想について、売上高は5兆3700億円(前期比23.0%増)と増収となるものの、純利益は1400億円(同51.4%減)と大幅減益を見込み、中間配当予想は40円(前年同期60円)を実施すると発表しており、これが嫌気されている。鉄鋼事業において、国内外の新型コロナウイルス感染症からの経済回復に加え、中国政府の景気対策による需要が見込まれることから鋼材需要の緩やかな回復が継続すると想定している。ただ、急激な円安進行による為替影響や棚卸資産評価差などが減益要因となる見通し。なお、期末配当予想は引き続き未定としている。また、同時に発表した第1四半期(4~6月)決算は、売上高が1兆2536億円(前年同期比41.0%増)、純利益838億4400万円(同35.3%増)だった。
■INPEX <1605> 1,435円 -46 円 (-3.1%) 11:30現在
INPEX<1605>やENEOSホールディングス<5020>が安い。3日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の9月限が前日比3.76ドル安の1バレル=90.66ドルに下落した。一時、90.38ドルと2月下旬以来、5カ月ぶりの水準に下落した。米エネルギー情報局(EIA)が発表したガソリン在庫統計が市場予想に比べ増加し、需給悪化懸念が台頭した。一方、3日に開催された石油輸出国機構(OPEC)加盟国・非加盟国から構成する「OPECプラス」は小幅増産を決めるにとどまった。
■花王 <4452> 5,706円 -44 円 (-0.8%) 11:30現在
花王<4452>は反落。3日の取引終了後、22年12月期の連結業績予想について、営業利益を1600億円から1450億円(前期比1.0%増)へ、純利益を1170億円から1110億円(同1.2%増)へ下方修正したことが嫌気されている。欧米各国を中心に、新型コロナウイルス感染症対策と経済活動の正常化を両立させる試みが世界各地で本格化し、国内も規制緩和を背景に市場の回復が見え始めており、売上高は1兆4900億円から1兆5700億円(同10.7%増)へ上方修正した。ただ、上期において石化原料など原材料価格の高騰などの影響を受け、下期もこうした事業環境が続くと予想されることが響く。第2四半期累計(1~6月)決算は、売上高7339億100万円(前年同期比8.7%増)、営業利益536億6100万円(同23.9%減)、純利益388億8800万円(同26.0%減)だった。
■ミマキエンジニアリング <6638> 698円 +100 円 (+16.7%) ストップ高買い気配 11:30現在 東証プライム 上昇率トップ
ミマキエンジニアリング<6638>はストップ高カイ気配となっている。3日の取引終了後、23年3月期の連結業績予想について、売上高を656億円から691億円(前期比16.1%増)へ、営業利益を23億3000万円から31億3000万円(同21.8%増)へ、純利益を14億4000万円から21億7000万円(同7.5%減)へ上方修正し、減益予想から一転して大幅な営業増益予想としたことが好感されている。各国で新型コロナウィルス感染防止対策と経済活動の両立が進み、印刷需要と設備投資の伸びに伴い、産業用インクジェットプリンターの需要は堅調に推移するものと想定されることが要因としている。
■クロスキャット <2307> 1,104円 +150 円 (+15.7%) ストップ高買い気配 11:30現在 東証プライム 上昇率2位
クロスキャット<2307>はストップ高カイ気配。システム開発を手掛け金融向けで実績が高い。官公庁や金融機関のデジタルトランスフォーメーション(DX)投資需要を捉え、足もとの業績は絶好調に推移している。3日取引終了後に発表した23年3月期第1四半期(22年4~6月)決算は営業利益が前年同期比3.1倍の3億8000万円と急拡大しており、これを材料視する買いを呼び込んでいる。また同日、タレントマネジメントシステム「スキルナビ」を提供するワン・オー・ワン(東京都渋谷区)と販売パートナー契約を締結したことも発表した。HR領域における人材データ活用によるDX支援を強化する方針で、これも株価を強く刺激している。
●ストップ高銘柄
HOUSEI <5035> 1,015円 +150 円 (+17.3%) ストップ高 11:30現在
など、3銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース