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【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 米半導体株の上昇やファストリ決算評価により、NTロングに向かいやすい


大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 26690 -10 (-0.03%)
TOPIX先物 1893.0 +3.0 (+0.15%)
シカゴ日経平均先物 26700 ±0
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 14日の米国市場は、NYダウ S&P500が下落する一方で、ナスダックは上昇。前日の6月の米消費者物価指数(CPI)に続き、朝方発表された6月の卸売物価指数(PPI)も予想を上回ったことから、利上げ加速が警戒されて売り優勢の展開。大幅な減益決算を発表したJPモルガン・チェース<JPM>が3%を超える下落となり、ゴールドマン・サックス・グループ<GS>など他の金融株に売りが広がった。そうした中、原油先物相場の下落によってインフレにピークアウトの兆しとの観測が浮上したほか、長期金利の低下を背景にアップル<AAPL>など大型テック株の一角が買い直された。また、TSMC<TSM>の予想を上回る決算を受けて、半導体株に買いが波及した。S&P500業種別指数は食品・生活必需品小売、半導体・同製造装置、テクノロジー・ハード・機器が上昇した半面、保険、銀行、エネルギーが下落。

 シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、日中大阪比変わらずの2万6700円で終えた。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比20円高の2万6720円で始まり、直後につけた2万6760円を高値に軟化し、米国市場の取引開始直後には一時2万6420円まで売られた。ただし、売り一巡後は買い直され、終盤にかけて2万6740円とプラスに転じる場面も見られたが、結局は2万6690円と小幅な下落で取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形で、前日比変わらずの水準から始まることになりそうだ。前日の段階でTSMCの予想を上回る決算を材料視した物色が見られていたこともあり、利益確定の動きも意識されやすいところである。また、米国ではJPモルガンの決算が嫌気されるなど、本格化する決算シーズンのなか業績動向を見極めたいとして様子見姿勢を強めてくる可能性もありそうだ。

 一方で、国内では予想を上回る決算を発表したファーストリテイリング <9983> [東証P]による下支えが意識されそうだ。指数インパクトの大きいコア銘柄の上昇が見込まれるなか、日経平均型優位の展開によってNTロングに向かいやすいだろう。昨日のNT倍率は先物中心限月で14.12倍に上昇した。一気に上値抵抗線として意識されていた25日移動平均線水準まで上昇したことで、いったんはリバランスによる低下を見せてくる可能性はあるものの、ファーストリテイリングの動向次第では25日線突破からNTロングの動きを強めてくる展開を想定しておきたい。

 また、VIX指数は26.40に低下した。直近の保ち合いレンジ内での推移ではあるが、25日線に上値を抑えられる格好から75日線を下回り、5日線水準まで低下してきた。足元では減速が警戒されていた半導体株にリスクを取る動きも見られており、NTロングに向かいやすい。日経225先物は週末要因もあって、こう着感の強い展開が見込まれるため、オプション権利行使価格の2万6375円~2万6875円を想定しておきたい。

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