【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):東エレク、トヨタ、東京通信
東エレク <日足> 「株探」多機能チャートより
東京エレクトロン<8035>、レーザーテック<6920>など半導体製造装置関連が軒並み安。前日の米国株市場ではハイテク株中心に売りが噴出し、ナスダック総合株価指数の下げが大きくなったが、特に半導体関連株の下落が際立つ状況で、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は6%を超える急落となった。半導体製造装置世界トップのアプライド・マテリアルズ<AMAT>は8%安に売り込まれており、これを受けて東京市場でも半導体製造装置の主力銘柄にリスク回避目的の売りが集中する形となった。
■トヨタ自動車 <7203> 2,063円 -77 円 (-3.6%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>が大幅反落。同社は16日、6月のグローバル生産台数を約80万台から75万台へ変更すると発表しており、これが嫌気された。一部仕入先でのコロナウイルス感染者発生による出勤率の低下や、別仕入先での生産設備の不良による部品供給不足により、17日以降に国内工場の一部で稼働を停止する予定であることが要因という。なお、通期生産見込み(約970万台)については変更はないとしている。
■日本電産 <6594> 8,080円 -120 円 (-1.5%) 本日終値
日本電産<6594>が7日続落で年初来安値を更新。前日の米国株市場ではハイテク系グロース株中心に売り圧力が強まり、グロース株の象徴だった電気自動車(EV)大手のテスラ<TSLA>が8.5%安と急落。EV向け駆動用モーターに注力する同社株もこれに連動する下げとなっている。また、駆動部分に使われる基幹部品のモーターコアを製造する三井ハイテック<6966>も大幅安で7日続落となった。このほか、田中化学研究所<4080>、ニッポン高度紙工業<3891>などEV関連株は軒並み安となっている。前日取引終了後にソニーグループ<6758>とホンダ<7267>が、EV事業を共同展開するための新会社を折半出資で年内に設立することを発表したが、全般地合い悪のなか反応薄で両社の株価も下値を探る展開を余儀なくされている。
■タマホーム <1419> 2,338円 -3 円 (-0.1%) 本日終値
タマホーム<1419>はしっかり。同社は16日取引終了後に、22年5月期通期の連結業績予想と配当計画の修正を発表。売上高の見通しを前の期比10.4%増の2407億円(従来予想は2350億円)に上方修正したほか、期末一括配当を従来計画比5円増額の125円(前の期は100円)にした。主力の住宅事業で早期契約・早期着工・早期売上の目標のもと引き渡しが高水準で推移したことや、保証延長工事の契約件数増加に伴いリフォーム事業が伸長したことなどが主な要因だとしている。一方、昨年のウッドショックによる木材価格の急騰などを背景に、営業利益は同3.6%増の114億円(従来予想は120億円)に若干引き下げた。
■東京通信 <7359> 990円 +150 円 (+17.9%) ストップ高 本日終値
東京通信<7359>が急反発。16日の取引終了後、同社のインターネット事業部門に所属するアプリプロデューサーが、19日放送のテレビ朝日の特別番組「仕事とお金のマジメな話 傑作選」にテレビ出演すると発表しており、これが好感された。番組の内容は、これから就職活動を控えている学生や新たな業種への転職を考えている20代や30代の若者へ向けた、働き方や稼ぎ方が多様化する今時ならではの「ヒューマン仕事ドキュメントバラエティー」。なかで、ゲームクリエイター(ゲームアプリ業界)代表として、同社のハイパーカジュアルゲームアプリのプロデューサーが密着取材を受けたとしている。
■バンクオブイ <4393> 2,518円 +190 円 (+8.2%) 本日終値
バンク・オブ・イノベーション<4393>が5日ぶりに急反発。足もとで急落していた反動に加え、16日にマッチングアプリ「恋庭」の5月の課金高(速報値)が前月比21%増の約1億567万円と過去最高を更新したと発表。「恋庭」は、箱庭農園ゲームにマッチング機能をかけあわせたアプリ。5月の平均DAU(1日のアクティブ利用者数の平均)は前月比14%増、同月のダウンロード数は11万と過去最高を更新し、累計89万ダウンロードを突破している。
■ソルクシーズ <4284> 376円 +16 円 (+4.4%) 本日終値 東証プライム 上昇率9位
ソルクシーズ<4284>が続伸。16日の取引終了後、7月1日付で子会社を設立し、eスポーツ事業に参入すると発表しており、これが好材料視された。新会社eekは、ソルクシーズが90.9%を出資して設立。eスポーツ専門のマッチングサイト運営など有料職業紹介事業を行うほか、eスポーツ選手の肖像権管理、使用許諾及び仲介マネジメントなどを行う。なお、同件による22年12月期業績への影響は軽微としている。
■VIX短先物 <1552> 2,624円 +109 円 (+4.3%) 本日終値
国際のETF VIX短期先物指数<1552>は3日ぶりに急反発。同ETFは「恐怖指数」と称される米VIX指数とリンクしており、米国市場の波乱時には上昇する特性を持つ。16日の米VIX指数は前日に比べ3.33(11.24%)ポイント高の32.95に上昇した。前日の米株式市場は、NYダウは前日比741ドル安の2万9927ドルと急落し3万ドルを割った。米連邦準備制度理事会(FRB)が15日に0.75%の利上げを発表し、金融引き締めに伴う景気悪化が警戒された。また、スイスと英国が利上げに踏み切ったことも嫌気された。この米株安を受けて、この日の東京市場でVIX短先物は値を上げている。
■アクモス <6888> 365円 +15 円 (+4.3%) 本日終値
アクモス<6888>は逆行高。同社はM&A戦略を駆使したベンチャー企業連合を形成し、幅広くITソリューション事業を展開している。16日取引終了後、ハードウェアの保守を手掛けるフィールドワンの株式を取得し子会社化することを発表、これによる業容拡大への期待が買いを誘導している。フィールドワンは株式取得を経て同社の連結子会社となる予定だが、22年6月期の連結業績に与える影響については軽微。また、23年6月期の業績予想については、22年8月上旬に発表が予定される22年6月期決算短信で開示するとしている。
株探ニュース