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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):HPCシス、松風、コスモスイニ

HPCシス <日足> 「株探」多機能チャートより
■HPCシステムズ <6597>  2,469円  +238 円 (+10.7%)  本日終値
 HPCシステムズ<6597>が急動意。今月18日につけた戻り高値2314円を払拭し新波動入りを明示している。高性能コンピューターを使ったソリューションを提供、ビッグデータや人工知能(AI)分野における知見も豊富で、官庁向け納入実績も高い。業績は急成長局面が続いており、21年6月期の営業利益は4割強の増益を達成し、22年6月期も2ケタ成長を見込んでいる。岸田首相は科学技術立国の実現に向け、首相官邸に首相直属の科学技術顧問を置く方針にあることが伝えられているが、量子コンピューターやAI、バイオテクノロジーなどへの積極的なアプローチを念頭に置いており、株式市場でもテーマ買いの動きに発展しそうだ。また、6月6日、7日の2日間にわたり「世界デジタルサミット」が開催される予定にあり、同社株などコンピューター分野で高度な技術力を有する企業に視線が向いている。

■松風 <7979>  1,659円  +157 円 (+10.5%)  本日終値  東証プライム 上昇率トップ
 松風<7979>は大幅高で目先底離れの動きを見せている。同社は歯科材料・器具の大手で、人工歯や研削剤で高シェアを誇る。コロナ禍からの経済活動再開に伴う歯科関連製品の需要回復を追い風に業績を拡大させており、22年3月期は売上高、営業利益とも過去最高業績で着地。続く23年3月期は成長投資の積極化によって営業利益は減少する見込みだが、売上高の伸びは継続する見通しだ。直近、政府が国民全員に毎年の歯科健診を義務付ける「国民皆歯科健診」の導入を検討する方針にあることが伝わり、歯科関連株が物色人気となるなか、同社株も関連の一角として投資資金の流入が加速している。

■コスモスイニシア <8844>  472円  +34 円 (+7.8%)  本日終値
 コスモスイニシア<8844>は全体軟調地合いのなか、4日続伸と上値指向を鮮明としている。首都圏を軸にマンション開発・販売を手掛けるほか、外国人観光客の長期滞在向けアパートメントホテルなども展開している。3月、4月とホテルの稼働率上昇傾向が続くなか、5月は更に稼働率の高まりが期待される。加えて6月からの外国人観光客の入国規制緩和を受け、足もとの収益環境の風向きが追い風に変わっている。業績は回復色が鮮明で22年3月期営業利益は前の期比41%増の33億5100万円と急増、23年3月期は35億円と増益基調継続を見込むが上振れる可能性もある。PER7倍前後でPBR0.4倍台は株価指標面から割安感が際立っている。

■サンワカンパニー <3187>  705円  +40 円 (+6.0%)  本日終値
 サンワカンパニー<3187>は4日ぶりに反発。30日の取引終了後、日本初の3Dプリンター住宅メーカーであるセレンディクス(兵庫県西宮市)との業務提携を開始したと発表しており、これが好感された。セレンディクスの「Sphere(スフィア)」は、日本初の3Dプリンターによる世界最先端の住宅。形状は球体をしており、物理的に強度が高いだけでなく、表面積が少なく建築資材の無駄を最小限に抑えられるため、30坪300万円の価格帯での実現を目指している。サンワカンパは、今回の提携により「Sphere」実現に向けた専用の商品開発なども踏まえてセレンディクスと連携し、新たな事業シナジーを生み出すとしている。

■CRGホールディングス <7041>  508円  +28 円 (+5.8%)  本日終値
 CRGホールディングス<7041>が上昇し、年初来高値を更新した。同社は30日、子会社のキャスティングロードが、今後の国内旅行の事業再開やインバウンド需要の回復を見据えた新サービス「リゾートワーク事業」を開始したと発表。リゾートワークとは、日本全国のホテル・旅館・テーマパークなどのリゾート・観光地に、基本的には住み込みで働く人材を提供する新しい派遣サービス。人手不足が深刻な地域への人材供給により、観光業復興・地方創生を支援するとしている。

■カーリットH <4275>  679円  +35 円 (+5.4%)  本日終値  東証プライム 上昇率10位
 カーリットホールディングス<4275>が上値指向を強め、中期波動の分水嶺である75日移動平均線を明確に上回ってきた。化薬や化学品を主力展開しており、23年3月期は営業利益段階で前期比横ばいの25億円を予想するが、株価指標面の割安さが際立つ。PERが8倍台で、PBRは会社解散価値の半値水準である0.5倍前後で水準訂正妙味がある。更にロケットなどの推進薬や爆薬などを製造していることから、防衛関連としての位置付けで人気化素地を開花させている。

■PCデポ <7618>  351円  +17 円 (+5.1%)  本日終値
 ピーシーデポコーポレーション<7618>が大幅高で4日続伸。光通信<9435>のグループ会社が前日30日付で関東財務局に提出した変更報告書で、グループ会社とその共同保有者によるPCデポ株の保有割合が15.16%から16.22%へ増加したことが判明。これを受けて、需給思惑的な買いが入ったようだ。保有目的は引き続き純投資としている。報告義務発生日は5月23日。

■フィックスターズ <3687>  853円  +41 円 (+5.1%)  本日終値
 フィックスターズ<3687>が大幅続伸。顧客企業のシステムを高速化するソフトを主力展開、受託契約主力で需要獲得が進んでいる。量子コンピューター分野への展開で先駆するほか、スーパーコンピューター分野では、富士通<6702>、理化学研究所、九州大学などとともにスーパーコンピューター「富岳」で共同研究を進めていることでマーケットの注目度が高い。富岳はスーパーコンピューターの国際的な性能ランキングである「Graph500」のBFS部門において5期連続で世界第1位を獲得。また、産業応用で使う計算速度を競う「HPCG」でも5期連続で1位となっている。今回「TOP500」では世界ランキング2位となったものの、改めて富岳の優位性を世界に示しており、関連有力銘柄であるフィックスターズの株価刺激材料となっている。

■はてな <3930>  1,296円  +58 円 (+4.7%)  本日終値
 はてな<3930>は4日続伸で年初来高値を更新。30日の取引終了後、同社のサーバー監視サービス「Mackerel(マカレル)」がソフトバンク<9434>のクラウドサービス「ホワイトクラウド ASPIRE」のオプションメニューとして採用され、提供を開始したと発表しており、これを好感した買いが入った。「ホワイトクラウド ASPIRE」は、SLA(品質保証制度)99.999%の国産クラウドサービスで、セキュアなネットワークをはじめ、データセンターやマネージドサービスなどとの連携が可能。はてなは、「ホワイトクラウド ASPIRE」を通じて顧客のシステム運用と監視を支援するという。なお、同件による今期業績への影響は軽微としている。

■北越工業 <6364>  847円  +29 円 (+3.6%)  本日終値
 北越工業<6364>が反発。同社は30日取引終了後に、3カ年の中期経営計画「中期ビジョン2024」を策定したと発表。最終年度となる25年3月期の連結経常利益目標を46億円(22年3月期実績は40億5500万円)としていることが評価されたようだ。25年3月期の連結売上高目標は455億円(同366億5000万円)。「一段上の成長・拡大に向けて基盤固めに重点を置き、限られた経営資源を成長の一手に集中させる」ことを基本方針とし、「脱炭素に向けた新製品開発への取り組み強化」などを掲げている。

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