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【市況】米国株式市場見通し:FOMCに注目


FRBは5月3日から4日にかけてFOMC開催を予定しており、結果に注目だ。FRBはこの会合で0.5ptの追加利上げに踏み切るとみられている。声明では、今後の利上げペースが焦点となるほか、保有資産の縮小計画が正式に発表される見込み。既に公表済みの3月FOMC議事録の中で、委員会が保有資産縮小規模に関して国債で月額600億ドル程度、住宅ローン担保証券(MBS)で同350億ドル程度を上限とする見解で一致したことが明らかになっている。

FRB高官の大半は講演やイベントで迅速な利上げを実施し、年末までに政策金利であるFF金利誘導目標を中立水準に戻す必要があると主張している。また、政策金利を中立水準以上に引き上げることにも前向きな姿勢で、高インフレ抑制に断固として取り組む強い姿勢を強調した。中立水準を3%-3.25%とみているセントルイス連銀のブラード総裁を除き、大半の高官は中立水準を2%-2.5%辺りとみているようだ。

急激な利上げは、依然投資家心理に影響するため、短期的には引き続き売り材料となる可能性がありそうだ。しかし、パウエル議長はじめFRB高官らが、講演などで現段階で可能な限り明確な引き締めの道のりを市場に伝達しているため、いずれ、年内の速やかな利上げ計画が相場に織り込まれるだろう。急激に経済状況が変わらない限り、売り圧力が次第に緩和していくことが予想される。また、マスク着用義務が排除され、春夏にかけて、経済活動再開セクターの改善が本格化し相場全体を押し上げそうだ。

経済指標では、3月シカゴ連銀全米活動指数、4月ダラス連銀製造業活動指数(25日)、3月耐久財受注、2月FHFA住宅価格指数、2月S&P20都市住宅価格指数、4月消費者信頼感指数、4月新築住宅販売件数(26日)、3月中古住宅販売件数(27日)、1-3月期国内総生産(GDP)速報値、週次新規失業保険申請件数(28日)、1-3月期雇用コスト指数、3月個人所得・支出、PCEコアデフレーター、4月シカゴPMI、4月ミシガン大消費者信頼感指数確定値(29日)、3月建設支出、4月ISM製造業景気指数(5月2日)、3月製造業受注、3月JOLT求人、3月耐久財受注(3日)、4月ADP雇用統計、3月貿易収支、4月ISM非製造業景気指数(4日)、1-3月期非農業部門労働生産性(5日)、4月雇用統計(6日)などが予定されている。1-3月期GDP速報やISM製造業・非製造業景気指数、雇用統計など重要指標が目白押しだ。FRBが利上げに踏み切ったのち、雇用や景気動向に注目だ。今後は、果たして経済が景気後退入りを回避できるかが焦点となってこよう。

主要企業決算では、重機メーカーのキャタピラー(28日)、航空機メーカーのボーイング、貨物運送のユナイテッド・パーセル・サービス(26日)、飲料メーカーのコカ・コーラ(25日)やペプシコ(26日)、メキシコ料理レストランチェーンのチポトレ(26日)、ファーストフードチェーンのマクドナルド(28日)に加え、ハイテク関連では、検索エンジングーグルなどを展開するアルファベット、ソフトウェアメーカーのマイクロソフト(26日)、ソーシャルネットワークサイトのフェイスブックを運営するメタ(27日)、携帯端末のアップル、オンライン小売りのアマゾン(28日)、短文投稿サイトのツイッター(28日)などが予定されている。さらに、オンライン決算のペイパル(27日)やブロック(5月5日)、石油関連ではシェブロン、エクソン・モービル(29日)、デボンエナジー(5月2日)、製薬会社のイーライ・リリー、メルク(28日)、自動車メーカーのゼネラル・モーターズ(26日)、フォード(27日)、半導体のインテル(28日)、クレジットカード会社のマスターカード(28日)やビザ(26日)、レンタカー会社のエイビス(5月2日)、旅行予約サイトのエアビーアンドビー(3日)、オンラインカジノを経営するドラフトキング(6日)などが発表予定だ。

金利高の影響でハイテクセクターは下落基調だが、果たして決算の結果で持ち直すことができるかに注目したい。また、半導体では、見通しにおけるサプライチェーン混乱の影響に関する言及に注目だ。世界経済の動向をあらわすベンチマークとしてキャタピラーの決算では、パンデミックからの回復が証明できるかに注目だ。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

 提供:フィスコ

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