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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):大阪チタ、コシダカHD、東電HD

大阪チタ <日足> 「株探」多機能チャートより
■大阪チタ <5726>  1,518円  +195 円 (+14.7%)  本日終値  東証プライム 上昇率トップ
 大阪チタニウムテクノロジーズ<5726>、東邦チタニウム<5727>がいずれも大幅高に買われた。東邦チタは一時186円高の1677円まで一気に駆け上がり、年初来高値を更新した。ここ酸化チタンの需要拡大が顕著で、原料鉱石の高騰が目立っている。チタンの主要産出国であるロシアに対する経済制裁の影響も需給逼迫を助長しており、これを背景に両社ともスポンジチタンの国内価格を引き上げるとの観測が強い。株式需給面では空売りを呼び込み、東邦チタは日証金で大幅に売り長となるなど、踏み上げ相場の素地も意識されている。

■コシダカHD <2157>  769円  +89 円 (+13.1%) 一時ストップ高   本日終値  東証プライム 上昇率3位
 コシダカホールディングス<2157>はカイ気配で始まり上昇加速。前日は安く始まったものの下ヒゲ陽線で切り返しており、きょうは一段の上値をうかがう展開にある。カラオケ店を全国でチェーン展開するが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が一巡し、業績は回復色が強い。13日取引終了後に22年8月期業績予想の修正を発表、消費者のリベンジ需要が顕在化するなか、経常利益は従来予想の44億5900万円から53億8000万円(前期は30億9200万円の赤字)に大幅増額しており、これを評価する買いを引き寄せた。

■アダストリア <2685>  2,205円  +218 円 (+11.0%)  本日終値  東証プライム 上昇率6位
 アダストリア<2685>が急反発し、年初来高値を更新した。同社は13日取引終了後に、23年2月期通期の連結業績予想を公表。営業利益見通しを前期比52.3%増の100億円としていることが好感されたようだ。売上高は同14.1%増の2300億円を見込む。経済が緩やかに正常化に向かうことを前提としており、今期の出退店計画は36店舗の純増(出店95店舗、退店59店舗)を予定している。また、26年2月期の連結売上高目標を2800億円とする中期経営計画をあわせて発表。値引き抑制・高付加価値化や生産コストの最適化で売上総利益率を向上させるほか、販管費の抑制に努めるとしている。

■東電HD <9501>  477円  +42 円 (+9.7%)  本日終値  東証プライム 上昇率7位
 東京電力ホールディングス<9501>が活況高の様相をみせた。出来高は既に5000万株を超えており、全上場企業を通じ断トツの商いをこなしている。岸田首相が電力需給の逼迫回避に向け、脱炭素の効果が高い電源として再生可能エネ以外に原発を挙げており、柏崎刈羽原発6号機と7号機の再稼働の思惑が取り沙汰される同社株へのマーケットの関心が高い。市場では「仮に(原発が)稼働しても、賠償特損を抱える同社にとってファンダメンタルズ面から買い進むのは理にかなっていない」(ネット証券アナリスト)という指摘もあるが、それだけに空売りも呼び込んでおり、需給相場へ発展する兆しをみせている。東証信用残は直近データで信用倍率が3.5倍と買い長だが、日証金では買い残が大きく減少する一方、売り残は増加しており、貸借倍率は1.15倍と拮抗している。

■C&R <4763>  2,181円  +133 円 (+6.5%)  本日終値
 クリーク・アンド・リバー社<4763>は再び上値追い態勢を強め、きょうは一時157円高の2205円まで買われ、4月11日につけた年初来高値2132円の更新を達成した。映像やゲーム、Webコンテンツなどの制作代行事業のほか、クリエーターの派遣も手掛け、VR分野における深い知見を武器に、メタバース分野での展開にも注力の構えにある。現在同社が展開するVR住宅展示場は、建築士及び工務店と注文住宅を建てたい人の双方をVR空間で結びつけるというコンセプトで、メタバース戦略の入り口ともなっている。業績も好調で22年2月期営業利益は従来予想から上振れ着地し、前の期比39%増の34億1100万円と高い伸びを達成したが、続く23年2月期も前期比17%増の40億円見通しと2ケタ成長が続く見通し。

■新光電気工業 <6967>  5,750円  +330 円 (+6.1%)  本日終値
 新光電気工業<6967>が大幅に3日続伸。SMBC日興証券は13日、同社株の投資評価「1」を継続するとともに、目標株価を5800円から7000円に引き上げた。同証券では、構造変化でフリップチップ(FC)パッケージの成長が続くとみている。22年3月期の連結営業利益は会社計画680億円(前の期比2.9倍)に対して730億円への増額修正を予想。短期パソコン需要への懸念もあるが、パッケージサイズ大型化により十分に台数減を吸収できるとみている。23年3月期の同利益は950億円、24年3月期は1005億円への増益を見込んでいる。

■吉野家ホールディングス <9861>  2,390円  +120 円 (+5.3%)  本日終値
 吉野家ホールディングス<9861>が7日ぶりに急反発。13日の取引終了後に発表した22年2月期の連結営業損益は23億6500万円の黒字(前の期は53億3500万円の赤字)だった。続く23年2月期の同利益は前期比43.8%増の34億円に伸びる見通しとしており、これが好材料視された。今期はまん延防止等重点措置の解除後に、人流の戻りとともに店内飲食が順次回復する前提のもと、売上高が新型コロナウイルス感染拡大前の20年2月期の水準に回復する見込みだ。原材料価格の高騰やエネルギーコストの上昇が重石となるが、増収効果で吸収する。なお、配当は2期ぶりに復配した前期と同額の10円を継続する方針としている。

■コメダホールディングス <3543>  2,106円  +88 円 (+4.4%)  本日終値
 コメダホールディングス<3543>が続急伸。13日の取引終了後、23年2月期の連結決算(国際会計基準)は、最終利益が53億6000万円(前期比8.6%増)になりそうだと発表。これを好材料視する買いが入った。東日本や西日本エリア、台湾を中心に積極出店を続けるなか、新型コロナウイルス感染症による影響からの業績回復が継続する。売上高は前期比11.1%増の370億円に伸びる計画だ。併せて、年間配当を前期比1円増の52円に増配する方針としたほか、5万株または1億円を上限とする自社株買いの実施を発表したことも好感された。なお、同時に発表した22年2月期の同利益は49億3400万円(前の期比37.4%増)だった。

■松竹 <9601>  12,470円  +480 円 (+4.0%)  本日終値
 松竹<9601>は続伸。午後2時ごろに発表した23年2月期の連結業績予想で、売上高896億4000万円、営業利益6億円、純利益67億1000万円と営業損益の黒字転換を見込むとし、年間配当予想は30円と3期ぶりに復配するとしたことが好感された。映像関連事業でさまざまなジャンルの作品の公開を予定し、不動産事業ではテナントの入れ替えに柔軟に対応し賃貸収益の確保に努める。また、引き続き各事業におけるオンラインによる販売・配信を強化し、効率的な業務運用とコスト管理を徹底することにより収益力の改善を目指すとしている。なお、会計基準の変更により前期との比較はない。あわせて発表した22年2月期決算は、売上高718億3500万円(前の期比37.0%増)、営業損益40億500万円の赤字(前の期54億8300万円の赤字)、最終損益17億6200万円の赤字(同114億700万円の赤字)だった。

■ソフトバンクグループ <9984>  5,762円  +170 円 (+3.0%)  本日終値
 ソフトバンクグループ<9984>が続伸、ここ5000円台半ばで強弱観を対立させているが、足もとは個人投資家などの資金流入が観測され上値指向にある。前日はナスダック総合株価指数が下げ止まり4日ぶりに2%強の反発をみせたことで、米ハイテク株に積極投資する同社株にはポジティブ材料となっている。また、世界的に関心が高まっているメタバース分野にも抜かりなく布石を打っており、直近ではソフトバンクGがビデオゲームのスタートアップである英インプロバブルのメタバース事業に投資したことを、ブルームバーグ通信が報じており、これも株価の刺激材料となった。

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